中小企業にとって被害件数の多いリスク BEST10
中小企業は沢山のリスクに囲まれているが、経営力・資金面・人的資源から全てのリスクに対応する困難である。よって自社でリスクを発生度・損害度の両面から評価し、リスクに優先度をつけ、優先度の高いリスクから対応策を講ずるのが一般的な施策である。
中小企業が被害を受けたリスクの件数を調べてみた。
第一位は「取引先の倒産」で、43.6%の回答があった。
取引先の倒産は、売掛金の回収難が最大の損害であるが、入るべき金が入らないショックに加えて、仕入代金や外注費は支払わなければならないというショックもあり、精神的ダメージも大きいのである。
他に貸付金や前払金・仮払金などがあればそれらの焦げ付き、大家であれば敷金が焦げ付くこともある。更に販売先の喪失による今後の売上減少、仕入先や外注先の場合は業務遂行に支障をきたすこともあり、信用不安に発展、更なるリスクを生むこともあり、極めて影響の大きいリスクである。
本サイトはリスクマネジメントから始めて、与信リスク、与信管理へと話しを進めているが、それは中小企業にとって最も重要なリスクと考えられるからである。
中小企業のリスク被害件数
1.取引先倒産 125(43.6%)
2.自然災害 118(41.1%)
3.感染症 97(33.8%)
4.経済環境の悪化 58(20.2%)
5.業務起因の賠償 51(17.8%)
6.国際情勢の変化 23(8.0%)
7.PLリスク 21(7.3%)
8.情報漏洩 15(5.2%)
8.サイバー攻撃 15(5.2%)
10.従業員からの訴訟 14(4.9%) n=287 複数回答あり
【出展:日本損害保険協会「中小企業におけるリスク意識・対策実態調査結果報告書2022」】