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レトロが好き?

「なんで日本人は昭和が好きなんだろね」
って、身近な友人が呟いていた言葉がこびりつく。

そういえば、なんで「昭和レトロ」っていう言葉は幅広い年齢で浸透している。ポラロイドカメラやインスタントカメラが流行っていたり。音楽の正解ではレコード人気は根強く、ファッションの世界でも柄シャツやハイウエストボトムスなど、レトロファッションは廃れない。

昭和レトロと言われて連想するものは、昼も夜も忙しいサラリーマンや踊り狂うディスコのジュリアナ、ヤクザ&チンピラ文化に、和洋織り混ざった木造建物、大衆食堂やゲーム機のある喫茶店。
ざっと思い浮かべただけでも、現代日本の基盤となったような文化ばかりだ。今でも昭和の気配が消えることはない。

「昭和」という時代は60年続いた。それは「右肩あがり」の時代でもある。
日本が世界に名を轟かせ、大きな夢を抱き、多くの人が安定安心の将来に向けて生きていた。「レトロ」と呼ばれるデザインやアイテムには遊び心がある。それだけ自由な発想ができていたんだと思う。

相反して平成はどうかというと、就職難で未来が真っ暗になり親の期待に添えない青年がもがいて生きた我慢時代。個性というものは打たれ、経済を回す資本主義に向かって街も人も強制的に働き蜂になっていた。ローンを組み、借金を返し、会社に通い、お酒に溺れ。何だか平成を思い浮かべるだけでも窮屈に感じるような時代だと思う。

そうやって比較して時代を振り返ってみれば、昭和と平成の人気は明らか。

昭和が好き、レトロが好き。
それって、もしかしたら「豊かさ」に枯渇した人たちの憧れとして現れているんじゃないかと思う。希望を抱けば打ち砕かれ個性を出せば叩かれ、世間体というプライドこそ最強だと教育された挙句、自分を見失っているような人たちこそ、昭和レトロが好きなのかも。

昭和時代 イコール 自由で豊かな時代。

案外、間違ってないでしょ?
どうかな?

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