板垣恵介『餓狼伝』は追加ダウンロードが必要なアダルト恋愛ゲームだった 乙女の聖典~女子こそ読みたい「刃牙」シリーズ その21(餓狼伝その3)
<いきなり宣伝>『グラップラー刃牙』と『餓狼伝』の世界に共通点を見つけたので、ぜひ読んでね!(無料記事)
『グラップラー刃牙』と『餓狼伝』に同一人物が登場している件ッッッ!!
https://www.kanejun.net/entry/2019/06/09/214625
皆さんは、現在、公式が「刃牙」のクラウドファンディングをやっていることをご存じでしょうか(2019年6月15日まで)。
同時に開始した『弱虫ペダル』と『吸血鬼すぐ死ぬ』のクラファンは、開始日に三桁の支援者を集め、目標達成。しかし「刃牙の家をリアルなジオラマにしたい」というこのクラファン、6月9日現在、まだ支援者数が40人に満たず、目標金額に達していないのです。
いいから!! 企画が地味とか、読者層とクラファンがマッチしてないとか、そういうの全部ワカってるからッッ!! 悪いのは私だから、みんな支援しようッッッ!!
https://camp-fire.jp/projects/view/151207
「公式に子供を人質にとられてるのか」ぐらいの必死さを見せてしまったが、子供いないから、心配しないでほしい。そういうわけで、今日は板垣恵介『餓狼伝』14~26巻の感想戦を開始(はじ)める。いよいよ「ドキッ! オトコだらけの全日本空手道トーナメント 寝技もあるよ♥」の開催だ。
昨年『グラップラー刃牙』を履修した私は、トーナメントと聞いてがぜん盛り上がるわけだが、期待と股間を膨らませつつ14巻の控え室の光景を見て、「アッ」と思った。
乙女ゲームのオープニングかってぐらい、知らん男がワサワサいる。
知らん男に対して興味が持てず、顔と名前が覚えられない。
この感じ、そういえば初めてあの伝説の「全選手入場!!」シーンや、海王入場のシーンを見たときもそうだった。デントラニー・シットパイカー(※注1)とか、かなり長い間、存在自体を見落としていた。
案の定、既出のキャラ以外は、一人も覚えられないまま第一回戦が終了した。読者の皆さんはお気づきかと思うが、全選手32人中16人いた北辰会館のメンツ(※注2)が、ここで早くも5人に減った。他の流派がいずれも精鋭中の精鋭を出してきているとはいえ、「やべえ」感がある。北辰会館の「伝説」こと姫川勉の強キャラ感、人妻感だけは、確かにただならぬものがあったが、それ以外の北辰会館4人の戦いがほとんど思い出せない。
それはそれとして、トーナメントなどの公式試合では、男たちの身長体重がワカるのがとてもありがたい。私ぐらいになると、キャラクターの身長体重(あと年齢)がはっきりしない作品を読んでいると地味に落ち着かず、初夏だというのに足先から冷え、暖房をつけてしまう。人助けと思って、マンガとか小説では、キャラの身長体重(あと年齢)を早い段階で書いておいてほしい。
そういうわけでこのトーナメント、第一回戦で全選手の身長体重を知ることができただけでも、収穫があったといえる。刃牙さんありがとう(定期感謝)。話の流れ的には、長田弘と梶原年男と藤巻十三の、恋の中年トライアングルが見どころだと思われる。
しかしここは個人的に、鞍馬彦一(185㎝、105㎏)の戦いに焦点を当てていきたい。というのも、読者の皆さんはすでに見抜いていると思うが、小生、克巳み(愚地克巳っぽさ)が随所に見受けられる鞍馬に、かなり目をかけており申す。特に、先輩格の梶原や長田に対して堂々と失礼なことを言うエピソードに、人としてアカン感じがあり、初期の克巳みがみなぎっている。若さとは傲慢なもの、強さとは傲慢なもの(※注3)。女子(複数)に対してマメな動きをする部分も「格闘技以外にも興味があるんだな」という意味で好感が持てる。ちなみに当連載「その20」の末尾イラストで、普通に鞍馬の年齢を間違えていました。20歳でなく23歳でした、お詫びして訂正します。
そういうわけで、一回戦では、鞍馬が前大会の覇者を軽く撃破するところを、しっかり見届けた私だった。
続けて始まった二回戦第一試合は、長田弘vs井野康生(柔道・金メダリスト)という好カード。「受け身のエリート」長田のタフネスに井野が圧倒されてしまい、「試合中だというのに 憧れてしまいました」と告白する。
BL的にとてもいい試合なのだが、なぜかこの試合の「後」に、勝ち残り15人に対して松尾象山がインタビューしたり、15人が勢ぞろいして見開きを飾ったりする。井野康生が可哀相だし、16人でなく15人でなければいけない何らかの理由があるのかと、三度見してしまった。物語の枝葉の部分にこのようなミステリーが惜しみなくちりばめられているのが、板垣恵介『餓狼伝』の遊び心と言える(ポジティブシンキング)。
※2019年6月9日23時50分追記:この「井野康生が可哀相」「突然はじまるインタビュー」事件について、我乱堂@SagamiNoriaki さんから、2004年10月当時、『餓狼伝』の掲載紙のアッパーズが休刊するタイミングにあたり、アッパーズでの掲載最終号にあたるため、このような表現になったと思われるということを教えていただきました。ありがとうございます!!
★お知らせッッ★
このシリーズを加筆修正し、『「グラップラー刃牙」はBLではないかと1日30時間300日考え続けた乙女の記録ッッ』として、河出書房新社から2019年11月に書籍が発売されました! 電子書籍もあるよ! もちろん秋田書店さんの許可をバッチリと取っております!!
書籍に収録されている範囲は、その1〜その16まで(『グラップラー刃牙』『バキ』までの感想全部)です! ぜひ一家に一冊、いや百冊!!
さらにこの奇書を原案として、松本穂香さん主演の実写ドラマ『「グラップラー刃牙」はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ』が制作されました!!(WOWOWさんが制作幹事) 2020年8月20日〜10月1日まで、全7回放映! 現在、いろんなサブスクで配信中ッッ! お一人で、またご家族で、そしてご友人とぜひお楽しみください!!
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サポートして頂いたお金は、今後の「刃牙」研究や、その他の文献購入に使わせていただきます! もし「これを読んでレビューしろ」というもの(刃牙に限らず)があれば教えてください。