なぜこんなときにオリパラなのか
昨日の記事ではテレワーク・デイズキャンペーンがかぶっている働き方改革の仮面が小さすぎて、本当の目的がオリンピックのための交通抑制策であることがだだ漏れすぎることを発見しました。
で、ふと謎が解けてしまったのです。
このところずっと不思議だった謎。おそらく多くの方も頭を悩ませていただろう謎。
「なんで菅首相は、オリパラ開催にこだわるのか」
コロナ下でのオリパラ開催についての質問にはテープレコーダーのように(死語?)「安全・安心」を繰り返す首相ですが、他にも繰り返すフレーズがあるのに気づいていた方もいらっしゃるでしょう。長くなるのですが、6/17の記者会見からオリパラ関連の部分の発言を見てみましょう。
「東京オリンピック・パラリンピックについては、G7としての開催への支持が表明され、首脳宣言にも明記されました。世界のおよそ40億人がテレビなどを通じて大会を観戦すると言われています。東日本大震災から復興を遂げた姿を世界に発信し、子供たちに夢や感動を伝える機会になります。57年前の東京大会では、パラリンピックの名称が初めて使われ、障害者の方々が社会で活躍していこうという契機になったと思います。再びこの東京の地で、頑張ることによって壁を乗り越える、そのことができることの大切さや、障害のある方もない方も、お年寄りも若者も、みんなが助け合って共に生きるという共生社会の実現に向けた、心のバリアフリー精神を、しっかりと大会を通じて伝えたいと思います。人類が新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が団結し、人々の努力と英知でこの難局を乗り越えていくことを日本から世界に発信したいと考えています。そのためには、東京大会は安全・安心に開催すること、そして大会期間中、日本国内の感染拡大を抑え、大会終了後の感染拡大防止にもつなげていくことが不可欠であると考えています。皆様には、家でのテレビ観戦などを通じ、アスリートを応援していただきたいと思います。」首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0617kaiken.html
そうです。「世界のおよそ40億人」というフレーズは他でも使われており、違和感を感じられた方も多いと思います。また、オリパラ関連の発言はテレビ観戦を促す言葉で締めくくられています。一部会場での無観客開催が決められた7/8の3週間も前の発言です。
こうしてみると、発言中の「今だからこそ・・・発信したい」は
「テレワークで世界中の人が自宅のテレビの前にいて、視聴率を稼げる今だからこそ、オリンピック映像を放映したい」
というNBCを始めとするマスメディアの意見を代弁しているとしか、私には思えないのです。テレワーク・デイズも、交通混雑抑制と同時に家にこもってテレビを見させるという政策に思えてしまいます。
オリンピックの本体はテレビ放映権です。国民の大多数の意見を抑えようとしているのは誰なのか、彼らに対するどんな行動が自分たちの言葉を伝えることになるのか、もう一度考えてみませんか。