36 Bob Dylan and The Band ☆ I Shall Be Released (The Last Waltz)

【MY FAVORITE SONGS 36(私は音楽でできている)】
 
「いいよ~、このアルバムいいよ~、いっぺん聞いてみてん!しびれるけん」

 とO君が貸してくれたのが、ボブ・ディラン&ザ・バンドの『偉大なる復活』でした。O君は友達の友達で、同じ学校になったことはありませんでしたが、よく下宿に遊びに行っていました。高校の時から下宿していたというその部屋は、いつも小ぎれいにしていて、「彼女がおる奴はいいよな」といつも友達が言っていました。

 そのO君に誘われたのが、1978年、ボブ・ディランの初来日公演です。フォーク、ロック等の音楽関係者に限らず、日本の若い文化人に多大な影響を与えたボブ・ディランの初来日とあって、テレビ、新聞、雑誌などが大盛り上がりの社会現象にまでなりました。東京(武道館)で8公演、大阪(松下電器体育館)で3公演、実施されています。

 私たち貧乏学生一行は、地元シティ情報ふくおかが企画した大阪空港往復1万円というツアーもあって、枚方市の松下電機体育館(現パナソニックアリーナ)に行きました。やっぱり1番安い席で、豆粒のように小さくしかボブ・ディランは拝めませんでした。音までかなた遠くでしか聞こえない状況で、ちょっと寂しい思いをしました。

 私がちょっとでもかじったアルバムは『偉大なる復活』と『The Free wheelin'』『Blonde on Blonde』『Self Portrait』くらいで、強く影響を受けた上の世代ほどの傾倒はありませんでしたが、2001年(福岡サンパレス)にもう一度行った公演と合わせて、行ったことにちょっぴり自慢があるのがボブ・ディランのバリューだという気がします。

 映像は、ザ・バンドの解散コンサートを記録した映画『The Last Waltz』のものです。全然そのあたりの事情を知らないままに見に行って、ただただ何で解散するんだろう、と悲しくなって、でも音楽はすばらしくて、複雑な気持ちをしばらく抱えていなければなりませんでした。

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ヒゲリン
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