124 穐吉敏子 ☆ HOPE 2 ヒゲリン 2024年9月14日 15:49 【MY FAVORITE SONGS 124(私は音楽でできている)】 兄の音楽嗜好がロックやポップからジャズやクラシックに移行したのは、兄が20代半ばだったと思います。その影響で私もジャズを聴くようになりました。その存在を、秋吉敏子&ルー・タバキンバンドとして知りました。あまりジャズの知識がありませんでしたけれど、私がジャズにふれた70~80年代は、トリオやカルテットが活動の主流だったように感じていました。そんな中で、ビッグバンドを率いて、それも日本人の女性ということで、穐吉敏子さんは異彩を放っていたと思います。 彼女がライブで必ず演奏する「Long yellow road」を聞くと、どこか遠くから郷愁がやってくる感じがします。「Long yellow road」について彼女は「故郷・満州(現中国東北部)の土けむりの道の思い出と、黄色人種の私がこれから遠く険しいジャズの道を歩む決意を重ねて作曲しました。自分のジャズ人生を象徴する曲だと思っています。演奏するたびに、『今も長く黄色い道を歩んでいるんだ』と、初心に引き戻してくれます」と語っています。ずっと厳しい差別が続く米国で戦い続けてきた彼女の原点であり立ち返る作品は、私たちの根っこのところから勇気づけてくれるように思います。 そして「HOPE」は、「ヒロシマ ー そして終焉から」の第4楽章を、2001年の911同時多発テロを受けて、世界から争いがなくなることを願って、彼女が演奏し続けている曲だそうです。私は「HOPE」を聞くことで、癒しが起こって何か違う世界へ誘ってくれるような気持になります。 女バド・パウエルと呼ばれた穐吉敏子さんのビバップが私の胸を掴んで揺らします。この曲はバラードなのですが、背景に強く激しいタッチ(平和を希求する思い)を感じながらの静のバラードなのです。 いいなと思ったら応援しよう! 応援よろしくお願い致します。 チップで応援する #ジャズ #hope #ヒゲリン #秋吉敏子 2