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保護者とつながることをめざす
「おせっかいワーカーになろう⑧」
子どもの安全を確認し、様々な情報を集めながら、私たちが民間の訪問員だからこそめざすのは、少しでも保護者とつながることです。また対人的なサービスに携わる者として常に意識しているのは、孤独感を和らげたい、ということです。孤独は人のパワーやエネルギーを奪い、前向きな気持ちをなくさせ、合理的な判断を鈍らせます。転居してきて土地勘がない、知り合いがいない、必要な情報がない、情報を得られる手段がない、等その保護者が孤立感や不安を抱えながら一人ぼっちで子育てしていないか、と想像します
そして、できるだけたくさん話してもらうように努め、それをしっかり受けとめることを目標にします。初めは訪問に対する不満や苦情から話が始まるかもしれません。ネガティブなもの、特に気持ちや感情を出してもらいたいです。地域住民やマンションの管理組合への不満、学校や子育て機関への苦情、夫や実家に対するイライラなど、出てきたネガティブな感情を、否定しないで受けとめたいです。関心を持ち続け、できるだけ横に立って、
丁寧に、粘り強く聴くことに努めます。保護者の中には、日頃感じたり考えていることを話す相手がいない方もいます。たとえ10分でも、熱心に話を聴いてもらえることは、孤独感を和らげ、つながりを感じてもらえると思うからです。
特にひとり親家庭の保護者の孤立感には気を配ります。多忙で、地域とつながりがもてないままに暮らしている方も少なくありません。専業主婦のように平日昼間地域にいないので、隣近所と立ち話することもなく、周囲がその家に誰が住んでいるか知らないことも珍しくないのです。そうすると、子どもの泣き声がすると、疑心暗鬼になって通報されたりします。必死で頑張っているのに、周囲に理解しもらえないやるせない気持ちに寄りそい、応援したいです。
常にお話の背後に想像を働かせます。経済的に困っていないか。転居してきた理由も、失業も離婚もあれば、地震などの災害の影響もあります。夫の単身赴任の理由が、放射能から赤ん坊を守るため、ということもありました。様々なしんどい気持ちを共有したいです。
たくさん話しているうちに、スッキリ笑顔になられたり、心が緩むのか、涙をボロボロこぼされる方もあります。思わず、もらい泣きすることもあります。
【労協新聞2017年 「おせっかいワーカーになろう⑧」】
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