7 Sylvie Vartan / La plus belle pour aller danser  (シルヴィ・ヴァルタン / アイドルを探せ)

【MY FAVORITE SONGS 7(私は音楽でできている)】

 小学3年、新しいクラスになって、3人組の友達(U君とN君)ができて、よくつるんで遊びました。

 いまになって考えてみると、共通点があるようなないような、3人とも末っ子なのと、家庭がちょっぴり複雑だったりしました。その後2人は教員と地方公務員になったので、私以外はまあ、まともです。

 よくU君の家に行きました。U君の家は古くて広くはないのに中庭があって地下室もありました。何か謎めいたところが好きでした。もしかしたら、地下室は防空壕の跡だったのかもしれません。年の離れた兄ちゃんと姉ちゃんがいたので、いろいろ好奇心を刺激されるものがあったのだと思います。

 そこでU君がよくかけたレコードが、シルヴィ・ヴァルタンの「アイドルを探せ」でした。小3でも、胸の奥にズンズン響きました。好きになったら、何度でも聞きたくなるのですが、当時は聞くすべがありませんでした。たまにテレビの歌番組で弘田三枝子さんや中尾ミエさんが日本語の歌詞のものを歌ったりしましたが、それは別物でした。ただ、ラジオのポップス番組で流れるのを待つしかありませんでした。

 おそらく大ヒットだったと思いますが、だからといってラジオで毎日かかるわけでもありません。特に洋楽はそうでした。この曲に限らず、自分でレコードを買わなければ、自由に音楽を楽しむことはできない時代だったのです。

 ですから、尚更U君の家に行くのは、あこがれていくような感じだったと思います。そして、U君が姉ちゃんのまねをして、ツイストを踊ったりするのを眩しく眺めていました。

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ヒゲリン
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