53 憂歌団 ☆ パチンコ

【MY FAVORITE SONGS 53(私は音楽でできている)】 

 40代の頃、夜、酔っ払った後輩から、よく電話がかかってきました。

 「ゆうじさん、みんなと飲んでるんすけど、いまから来んですか!」

 だいたい、お酒もすすんで、みんなできあがっていて、しばらく代わる代わる電話で相手をしないと切れませんでした。

 彼らが高校生の頃、私は毎日のようにグランドに行って、いじめていました。鬼のようにスクラム組ませて、走ってはタックルさせていました。よく憂歌団の「パチンコ」を歌いながら、現れたらしく、後輩からは、「パチンコのゆうじさん」と呼ばれたらしいです。本当に嫌がられていました。

 ある時、部室(2部屋つながっている)の隣の部屋から1年生がやってきて、恐る恐るという感じで尋ねました。

「ゆうじさん、ちょっと聞いていいですか?」
「おう、なんや」
「あ、あのう、ゆうじさんって、なんか悩んだりすることって、あるんですか?」
「あ、悩み、なんでそんなこと聞くとや!う~ん、ないね、あるわけないやないや!」
 そういった瞬間、となりの部屋でこちらの様子をうかがっていた3年生が、どっと沸いた声が聞こえてきました。
「ああ、やっぱりね~」
「あいつ、やっぱ、な~んも考えてないっつぇ、ばかやん!」
「毎日現れて、後輩いじめて何が面白いとかいな、やっぱ頭おかしいよ~!」

 先輩として、実に光栄に思いました。(笑)

応援よろしくお願い致します。