113 Bud Powell ☆ Cleopatra's Dream
ジャズピアニストのバド・パウエルさんは、以前にも書いた喫茶「シャローム」のマスターから教えてもらって聞き始めました。聞いたのはLPアルバム3~4枚でしたが、好きでしたね。
バド・パウエルさんの演奏には、独特の空気感があってグッと惹きこまれるものがあります。主に1950~1960年代に活躍されたので、当然同時代に生やテレビなんかで演奏にふれるチャンスはなかったのですが、きっと演奏会場にいたら、お腹の中から痺れるような感覚になったのではないかと想像します。
彼の演奏はよく「鬼気迫る」と評されたりします。薬物やアルコールの中毒、精神疾患を抱えながらの彼の孤独な魂は、もしかしたらピアノを演奏をしている瞬間だけ解放されたのかもしれません。10代終わりから20代にかけての私のヘロヘロの根性は、バド・パウエルさんの演奏にずいぶん助けられました。
もう余程のジャズ好きくらいにしか聞かない存在になってしまったバド・パウエルさんですが、きっといまの若い人にも惹かれる人、助けられる人がいるんじゃないかと思います。
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