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元作詞家の「青春映画を観たらこんな曲が流れてた」Theater ⑤
Less Than Zero(1987 米)
Hazy Shade of Winter / Bangles
まさに当時、私と同世代のアメリカの学生たちを描写した作品でした。
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『レス・ザン・ゼロ』(Less Than Zero)は、1985年に出版されたブレット・イーストン・エリスの処女小説。ロサンゼルスを舞台に、上流社会に属する若者たちの退廃的な生活を衝撃的に描き、当時たいへんな話題となった。1987年に映画化されているが、結末などは原作と異なっている。
ストーリーには決して複雑さを感じませんが、ドラッグに手を染めた友人を助けるべく主人公が注力する中でのリアルな描写には結構な迫力がありました。
そこに流れるサウンド・トラック「♬ Hazy Shade of Winter(冬の散歩道)」は元来1966年に “ サイモン&ガーファンクル ” によって発表された楽曲で、それを時のガールズ・バンド “ バングルス ” がカヴァーしております。“ サイモン&ガーファンクル ” によるオリジナル・タイトルは「♬ A Hazy Shade of Winter(冬の散歩道)」と定冠詞が付いておりますが、このカヴァーの段階でそれが変更され取られたようです(真意は不明ですが…)。
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オリジナル作については
12弦ギターのリフをフィーチャーした、ロック色の強い楽曲。全米チャートのトップ10には入らなかったが、allmusic.comの評論家Richie Unterbergerは、「サイモン&ガーファンクルの楽曲の中でも最も優れたものの一つで、優しさと気品でよく知られるデュオによる、最も力強く、ロック指向の強い楽曲」と評している。
とあり、そのロック色をバンド・サウンドへと踏襲した “ バングルス ” はシングル楽曲としてオリジナルを上回る全米2位・全英11位のヒットを叩き出しています。
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幻想的なイントロからスタートし、パワフルなスネアドラムと共にヒートアップするスピード感が若者の暴走を表現したかの如く…メンバーのスザンナ・ホフスは後に、バングルスを代表する一曲にこの「♬ Hazy Shade of Winter(冬の散歩道)」を挙げております。
ご覧頂き有難う御座います🙇♂️