元作詞家の「Diva☆ 魂の叫び」No.2
Tina Turner
♬ Private Dancer
一度は終わったと本人も諦めかけた音楽キャリア、しかしながら不死鳥の如くそこに奇跡の復活を果たした、波乱万丈を絵に描いた様なソウル・シンガー…それがティナ・ターナーであります。
彼女のキャリア・スタートは1950年代半ば、後に夫となるアイク・ターナーに見出され70年代半ば迄「アイク&ティナ・ターナー」としてデュオ活動を続けました。
アイクの薬物中毒と度重なる虐待行為に苦しんだ彼女は75年のツアー中、所持金たったの36セントだけでアイクを残しダラスのホテルから逃げ出しています。その後は友人を頼りながら清掃の仕事で家賃を賄うギリギリの生活を強いられたのです。この頃の彼女には音楽の世界に戻れるビジョンなど微塵も持てなかったとのこと。何より夫との決別が最優先でありました。
78年に離婚が正式に成立し、キャバレー・スタイルのステージに立ちながら彼女は徐々にソロとしての活動復帰を目指します。すると「ロッド・スチュワート」や「ザ・ローリング・ストーンズ」をサポートする機会に恵まれ、83年には晴れてキャピトル・レコードとシングル発売の契約を結ぶこととなったのです。そして当該レーベルから初のアルバムをリリース、84年に発表されたのがアルバム「Private Dancer」でありました。
それまでのソウルフルなイメージからサウンドは白人系にシフトされ新たなステージに立ったティナ・ターナー。大復活劇の象徴となるこのアルバムからは多くのシングル・ヒットが出ておりますが、その中より今回取り挙げたのはアルバム・タイトル楽曲「♬ Private Dancer」です。実際のセールス記録を見ますと最高位には「♬ What's Love Got to Do with It(愛の魔力)」という楽曲が存在しますが、この度私的に「♬ Private Dancer」を選曲した根拠は、あくまでも私の感じたなりに、彼女の “魂の叫び=悲壮感” を何より強く発しているのがこの楽曲でありました。過去辛い出来事に見舞われながらも、尚健気に立ち振る舞う彼女の強いエネルギーを其処に聴く気が致します。
併せての根拠として作曲者が私の愛するギタリスト、ダイアー・ストレイツの「マーク・ノップラー」であること。更に
「ジェフ・ベック」… 皆様ご存知の超有名ギタリスト
「メル・コリンズ」… 皆様ご存知の超有名サクソフォーン奏者
もレコーディングに参加しております。
ピアノとサックスの妖艶な雰囲気漂うイントロから、超!唄上手な酒ヤケ声のスナック・ママの如くティナのヴォーカル。最後は炸裂する金切り声のシャウトをどうぞご堪能下さい。重ねて演奏クウォリティーは必聴です。
ご覧頂き有難う御座います🙇♂️