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元作詞家の経験則 ②「東京湾アクアライン~海ほたるPA編 side B」

続・新名所を目指すと…

神奈川県警察本部高速道路交通警察隊大黒分駐所

 大黒PAの高速隊分駐所に到着し、メモにあるお二人の隊員名を告げると奥へと案内されました。すると
「いやぁ、お疲れ様でした。ご面倒をお掛けして済みませんでしたね」
と寧ろ労いとも思える言葉を掛けられ、困惑しながらも早速に免許証を提示しました。所内は如何にも警察署といった雰囲気で、無線の音やら隊員の出入りも多かったような記憶があります。
 何よりも処分の内容が気になり、どう言われても仕方がない覚悟はありましたが、それでもまだドキドキしながら手続き作業が終わるのを待っておりました。

こんなことってあるんですか?

 一通りの調書も作成され、さあどうなるかと構えると担当隊員がこう切り出したのです。
「斎藤さん、誠意を持って免許証も届けて下さいましたし、折角の日曜日のドライブってことでもありましたから、今回については追い越し車線を走行し続けた車両通行帯違反、それで切符を切らせて頂くことにします。違反点数が一点、罰金が… …」
確か金額は五~六千円だったと思いますが、それよりも何より驚きの余りに
「それだけですか? スピードは?」
しらばっくれるのも流石に図々しいと思いましたし、何故そこが免除されるのか理由も知りたく質問した訳です。
「スピードねぇ…これを機に今後安全運転して頂くっていうことで今回は結構です」
神のご加護か?将又悪戯か? マラドーナの如く聖なる手の力を拝借した覚えもなく、安堵の半分矛盾したわだかまり、それとほんの少しの罪悪感を感じながらも先ずは丁重に御礼申し上げました。理由については解らぬままですが…。

大当たり!

 ズバリ元嫁の予感が的中したのです。本来ならホッとして気分も晴れる筈が、何故か混乱した複雑な心境でした。横に立つ元嫁はニンマリ“してやったり”といった表情だったでしょうか。
 帰り道に食事をしながらその予感について諸々尋ねても、本人は「ただ何となく」としか言わず。彼女がツキを運んでくれたのかは??ですが、少なくとも彼女の予知・予見について言えば、共にした期間に於いてはこれが最初で最後でした。

 この時期、神奈川県警やらその他警察不祥事報道が諸々世間を賑わせており、その罪滅ぼしとしての還元サービス・キャンペーン中だったことも可能性としては少なくありません。これはあくまで個人の想像ですが、それ以外には考えられません。

もう新名所には車で行かない

 ここに「新名所を目指す時、何らか車に関するトラブルが起きその目的は達成されない!」という私なりの経験則が立ち上がった訳です。しかし今件については、これ迄の人生でも数少ない意外な驚きを伴うちょっとしたプレゼントを受け取った様な気分でした。一応めでたしめでたし…です。

 先程述べたしっくり来ない罪悪感と、無論あのお二人への感謝の思いより、後日スペシャル?な交通安全のお守りを一つずつ分駐所にお届けに上がりました。

つまらない話にお付き合い頂き誠に有難う御座います🙇‍♂️

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