(G)I-DLE ミンニは、あふれてる
(G)I-DLEの二人のオンニラインの一人、ミンニ(MINNIE)、本名ニチャ・ヨンタララクはタイ出身である。
出身というだけではない。タイ王室の姻戚で、ミンニの叔母が、タイにあったランナー王国の最後の王の曽孫だそうな。
あと、かなりな大富豪の一家で祖父、父、母、双子の兄も実業家だそうで、「ミンニの家にはプールとかあるんじゃないですか?」とテレビで訊かれて、「プールはなかったけど、湖がありました」と答えたという、レベチなお金持ち。
関係ないみたいだけど、彼女の人柄を語る上で外せない大事なことなので......。
あと重要な事は、叔父さんはタイ人初のクラシック・ピアニストNat Yontararak、母親が弾くピアノを聴いて育ち、5歳からピアノ、7歳から歌を習っていたらしい。
グラミーボーカルスタジオで音楽を学んだ。学校ではチアリーダー、ドラマー、舞台劇の女優として活動していた。(出典・Wikipedia)
何が言いたいかというと、誰しもワガママな金持ち令嬢、スクールカーストでは1軍で、みたいなマンガやドラマみたいなステレオタイプを思い浮かべがちだが、結構イイ歳の僕の乏しい経験からすると、本物の令嬢は、育ちが良くて、しっかり躾られて、愛されて育った、性格の良い人が多く、「愛と感謝を知る人」の方が多かった。
何となく、あまり心の中に、人に対する黒い感情があるようには感じない。
ただ、納得出来ないのに、無理に自分を抑えるのは、あまり好きではない気がする。
17歳で韓国に、韓国語も分からないままアイドルになるために来て、まわりとコミュニケーションもとれなくて、心を閉ざして、ウギ曰く「怖いお姉さんだと思った」。
自己抑制があまり得意じゃない彼女には、こんなに大きいストレスは初めてだったのではないか。
だから多分、「思春期のなり損ね」が起こったのではないかと思われる。
でもすぐに韓国語を習得し、個性的な髪飾りを見ないと韓国人と区別がつかなかったらしい。
その後は(G)I-DLEとしての活躍、特にあの口の中で声を膨らませる「セイレーンヴォイス」を(G)I-DLEのシグニチャーにしようと、ソヨンは初めから考えていたらしい。
あの「OH,OH~」ってやつね。
いろんな動画を見ると、ステージやMVでの目を半眼にした神秘的でセクシーなパフォーマンスと違い、普段はふにゃふにゃニコニコしてて、妹気質の甘えんぼ、特にミヨンオンニに対しては「遅れてきた思春期」と言われるくらい甘えるわ拗ねるわ、反抗するわ粘着するわ、ほぼ手に負えない感じになる。
翻ってシュファはとても可愛がっていて、タイ旅行では辛抱強く付き合っていた。
ウギとは「ビジネス不仲」として、仲の悪いノリでミニコントを繰り広げる。
楽しいノリを我慢できないし、何事にも本気で一生懸命。
ミンニは、セカンドミニアルバムから作曲を手がけ、おそらく楽譜も読めクラシックにも堪能で、ピアノで作曲してるんだろうから、器楽的でクラシカルな、「ゆめ美しい」メロディアスな曲を生み出す。
2つの異なるメロディが不協和音を鳴らすことなく流れる定位法というバロック音楽の手法を使ったり、なかなか複雑で高度なコードをさりげなく合わせたりしてて。
僕の考えでは、「Paradise」が(G)I-DLEのミンニ曲では最高傑作、ソロ曲では「Like a Dream」が1番いい曲だと思う。多分ピアノの鍵盤で作ったような感じがする。他の曲はいいから「Like a Dream」だけは聴いてほしい。
シンガーとしてはただ技巧派、テクニシャンというよりは、憑依型、女優タイプだと思われる。
と言うのも、「NXDE」歌入れバッグラウンド動画で、「可愛く」という指示にちょっとお腹を前に出して子供っぽく歌い、同じ箇所を「わざとセクシーを演じて」と言われると、左足を少し上げ腰をひねってセクシーな歌手を召喚してた。
学生時代に舞台劇をやってたというのが大きいのではないだろうか。
まずその歌を歌う人を憑依させ、ステージやMVでは「(G)I-DLEのミンニ」というキャラを演じるのではなく、中にいる「MINNIE」を呼び出して身体を使わせてるようだし。歌ごとに歌の主人公になりきって歌う、そんなタイプの歌手だと思う。
ミンニの中には、様々な感情、音楽、興味、情熱、愛情などが、かれることのない豊かな泉のように溢れ続けていて、誰も抑えたり止めたりできない巨大な流れとなって、まわりを巻き込み、そして僕らの元に届いているんだと思う。
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