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イ・ハイさんの今後に幸多かれと願う
2021年に、フルアルバム「4ONLY」をリリースしてから、シングルを4曲しかリリースしてないので心配してたが、まあ彼女の場合リリースに間が空くのはデフォルトなので、そうかなとも思っていた。
ところが、2020年に所属したレーベル「AOMG」を、2024年3月末にやめていたらしい。
あまり芸能ゴシップ方面に関心がないのでよく知らないのだが、どうやらお家騒動的なゴタゴタがあり参加した時と経営陣が変わってしまったので、ヌケたらしい。
結局、よく一緒に色々創作・フューチャリングなどしてたCODE KUNSTもやめて、GLAYやウ・ウォンジェらと立ち上げた新事務所に合流したらしい。
で、自分のYouTubeチャンネルで新曲を発表するなどして、ゆっくり活動し始めてるので、一安心。YG時代からあるチャンネルには、その時所属してた会社の動画などもあり、権利を取り上げられずに今も見られるので、まあ韓国の芸能界も捨てたもんじゃないなと。
考えたら、彼女の歌手人生は波乱万丈である。
若干16歳でデビュー、ファーストアルバム「ファーストラブ」を翌年出すも、YG(というかヤンサ)がピンクパンクなどのプロジェクトにかかりっきり3年間ほったらかされてしまう。10代最後の3年間である。会社側は、アイドルなら練習生の期間だからと思ってたのかもしれないが、ファーストアルバムを出してこれからと言う時のこの放置はむごすぎた。
結局TABLO代表の社内レーベル「バイクラウンド」に丸投げされ、セカンドフルアルバム「SEOULITE」を出す。
ところが直後に、YGが長いこと準備してたプロジェクトによりBLACKPINKがデビューする。
社運をかけたのと、もちろんBLACKPINKのメンバー本人の力で、世界的なアイドルグループへと成長していく。そのこと自体になんの文句もない。誤解なきように。
でもその陰で、イ・ハイやAKMUなど優れたミュージシャン達があまり会社に推されないという結果になってしまう。
AKMUはお兄ちゃんイ・チャンヒョクの良くも悪くもの天才性でやっていけたが、妹の歌姫スヒョンはかなりメンタルがやられてしまっていたと聞く。
イ・ハイもこの兄妹と宿舎の部屋が隣というのもあり仲良くなるが、後にウェブ番組で子供に「お姉さんの望みわかる? 一度でいいからぐっすり寝たいの」と、子供にそんなこと言ってどうする、しかもウェブ番組で、というぐらいの状況になっていた。
他にもYGのスタジオに籠って機材でトラックメイキングにのめり込み、6時間を過ぎた頃一緒にいたスヒョンが音を上げ「オンニそろそろ帰ろうよ」と訴えたとか、テレビ番組「ON & OFF」で、テレビ見ながらスマホで動画見ながら食事しながら足の裏のマッサージをするさまが流れ、マルチタスカーというよりちょっとかなりヤバめの感じになってた。きっと脳の温度をサーモグラフィーで見るとまっかだったのではないか。
かつてのイ・ハイのちょっとぽっちゃりした可愛い感じを憶えてる人は、近年のシュッとした彼女の姿に感銘を受けたかもしれないが、この番組では、朝から水と野菜ジュース、野菜と果物しか食べてない厳しいダイエット生活が垣間見え、新しく出すミニアルバムのためのYouTube動画で、MV撮了後のケータリングをつい食べ過ぎる姿も面白おかしく晒されるという、今考えると気の毒としか言いようがない扱いだった。
その後所属事務所をヒップホップ系のAOMGに移り、のびのびと作詞作曲編曲などもするミュージシャンへと成長し、傑作シングル「HORO」とサードフルアルバム「4ONLY」を発表する。
「4ONLY」に至ってはデビューから9年後である。
オンラインライブでアルバム曲全曲歌ったり、ロンドン公演で現地のファンが一緒にシンガロングしたり、さあこれからイ・ハイの黄金期の始まりだ!と喜んでいたが、その後沈黙してしまう。
たまにぽつりぽつりとレーベルのオンラインライブしたり、シングルを出したり、リミックス曲を出したりしていたが、思うに2021年からという時期を考えると新型コロナに出鼻をくじかれたという、(G)I-DLEと同じ憂き目にあっていたのではないか。
で、その後こんな経緯である。
でも僕は思うのである。
もしYGやAOMGで猛烈なプロモーションでプッシュされていたら、今の落ちついた深みや情感はなかったかもしれないし、何より逆に本人が辛すぎたかもなと。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」である。状況に潰されていたかもしれない。
アメリカのソウルシンガーのように、この経験やもちろん恋愛などを経て、熟成された素晴らしい歌手になってほしいし、幸福な安らぎを得てほしい。
何せまだ28歳(!)なのである。
今後のイ・ハイさんに幸多かれと祈っている。
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というわけで、この後、彼女のディスコグラフィの紹介と感想を書いていくことにする。