ミヨンはツッコミ待ちのお姫様
ミヨンってちょっとアレなんじゃないかと思って、僕が好感を抱いたのは、「NXDE」を出した直後に(G)I-DLE全員で出演した「知ってるお兄さん」の時だった。
シュファが全員の紹介をする流れになって、ミヨンの事を「お姫様病」と言ったら、真顔で「まあね、でも私の考えは違う」と返して、「お姫様病って、お姫様でもない人が勘違いして自分をお姫様だと思い込むことでしょ? 私は本当にお姫様だから」と。
それにジャンフンが「お父さんは王様でいらっしゃる?」とツッコんだ時、なんとも言えず嬉しそうな顔をしてたのだ。ホッとしたような。
ああ、これは自分をお姫様だと思い込んでるというボケだったんだ。だから、「そうだね、キレイだし、品があるしね」という返しは、ボケを殺す、芸人用語で言うところの「ダイコンくわす」ってやつで、先輩芸人にこれやってしまったら激怒されるほどヒドイのだ。
その点、メンバーや「知ってるお兄さん」の面々はよく分かってて、ミヨンが「正直私ってキレイでしょ。でもそう言って褒められると、前は心の中で謙遜してた。他のメンバーも可愛いしね。私が一番だけど」と言うと、ウギはイラッとした顔で、ミンニはまた始まったという表情でピコピコハンマーを持ち、お兄さんのスーパージュニア ヒチョルは「そうだよね、実際美人だしね」と一度ノってから他のお兄さんに「昔オレもこうだった?」とそのナルシストぶりをツッコんで、ミニコントの完成。
重ねて他のお兄さんが、「君は歌番組の司会を続けてて多くの美人に会ったと思うけど、誰が一番きれいだった?」と訊かれ、「……」と考えた後「私も入れて?」と答え、ソヨンはお口あんぐりのびっくり顔、ヒチョルは「…昔のオレよりヒドイな」と呆れて、テンドン成立という、お笑いの教科書をやってのけてた。
あれだけの美貌と歌唱力、上品さがあれば女優のように謙虚で好感度高い感じをやってても誰も文句を言わないのに、ネットライブや(G)I-DLE YouTubeチャンネルのI-TALKなどでの普段の姿は一切気取らず、シュファを一方的に可愛がりすぎて逃げられたり、テンション高く暴れ回ったり、変なダンスをやってメンバーに呆れられたり、トゥワーキングが下手すぎてブラックピンクのリサに「もうやるな」と叱られたり。
TWICEのサナの番組で
だからタイプは自分みたいな人だと豪語したり。
これら全ては「ボケ」なのだから、ツッコんであげるのが正しいというか、上のような発言を真面目に受け取られたら、サイアクである。
そんな中、YouTube番組で、タレントが無人島で、一泊二日のサバイバルを体験するというヤツに、ミヨンが参加した。2024年春である。
着ている物以外全部没収というルールで、だから作業用ゴム手袋、ヒートテック2枚他、色々身につけて臨んだロケ。
三つだけ何か持って行けるルール(水とかライターとか)、無人島には木とビニールでできた粗末なテントもどき、前の出演タレントが残した物、必要最小限の調味料など、ほとんど黄金伝説・イッテQ仕事であった。
ミヨンは初めからテンション高めでしゃべり続け、色んなことに新鮮にリアクションし、前任者が植えておいたネギには「申し訳なくて取れなーい。でもとるけどね」。
仕掛け網にかかっていたカニに「心が痛む」と言ってたのに指を挟まれたとたん「食べてやるぞこの」的に毒づき、お米を洗う水がもったいないと「洗わなくても死なないよ」とそのまま炊き、拾ったテナガダコの足とナマコを生で酢コチュジャンにつけて食べ、テナガダコを炒めて食べようとするが、
落として半分こぼすも、落ちたのはご飯の上だからと拾って食べ、粗末なテントで平気でお昼寝&一夜過ごす豪胆さ。
考えてみてください。
初めて行った無人島の海岸、スタッフも去って海鳴り響くビニールテントの寝袋でスヤスヤ眠る肝の太さ。おおらかというテロップが流れてたが、そんなもんじゃないよね。
しかも次の日は雨風。そんな中落ちたカニの足を、もったいないとチュウチュウ吸うアイドル。というか、アイドルにしとくのもったいないよね。
制作側からすれば、ずっと喋り続けて間を空けず、セッティングされた全てを拾ってレポート・リアクションし、次から次にアクションを起こし、アクシデントを生み出し続け、最後の最後まで面白くし続けて、しかも少しも気取らず可愛いという、ありがたい出演者だったはずだ。
下手な女性タレント、女性芸人、新人女子アナよりソートー使える存在だったのではないか。
そんなミヨンの体を張った二日がかりのボケに、ツッコむとしたら、「(G)I-DLEが何しとんねん!そんな事せんでええねん!!」であろう。
だから今度の「Sky Walking」のMV公開で、ヒゲのミヨンに「こんな感じのイケメンがミヨンの理想の彼氏」などとマジレスするより、僕ならこうツッコむ。
「だから、何しとんねん!!」