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「水滸伝」「八犬伝」「七人の侍」「アベンジャーズ」そして(G)I-DLE

題名は何かというと、いにしえからの物語類型として、「それぞれ違うバックボーンを持つ強者たちが運命の糸に導かれてチームになり、各々の個性を発揮しつつ戦う」というのがあり、僕はそれが好きだなあと。
他にも「アパッチ野球軍」「ワンピース」など、枚挙に暇がない。

キャプテンとしてのソヨンは才能はもちろん、責任感と野心と反骨精神とが溢れてるが、素顔は人からあまり褒められたことがない、自己肯定感低めの心優しい女性で、メンバーが絶賛し天才と言ってくれるのが嬉しくて力を発揮していくという、感情移入せざるを得ないリーダー。
長女のミヨンは、長い練習生生活の末、一度はアイドルを諦め、高卒資格を取ったりして社会人になろうとするが、やはり一念発起してヴォーカルスクールに通い、CUBEのオーディションに受かりここに来た。
リアリティ番組でみる限り、実はとんでもなく肝が座っており、どんな場面でも彼女が動揺するところを見たことがない。
怒りっぽいらしいが、どうやら(G)I-DLEチームの精神的支柱はミヨンではないかと思っている。
次女のミンニは、タイ王家の姻戚で、クラシックピアニストのおじ、銀行家の父と兄、もう一人の双子の兄は建築家、母はリゾート会社の社長と、とんでもない家庭に生まれたが、家族は彼女を甘やかさずに厳しく育てた。
家にいる時は両親と一緒に寝て、良家の子女が集まる寄宿制の女子校では何十人もの生徒が二段ベッドで寝る「イカゲーム」みたいな環境で過ごし、CUBEに入ってからは練習生用の寮暮らし、最近やっと一人暮らしを始めたという。
中国出身のウギは、一人っ子政策によって、韓国のCUBE練習生になって、(G)I-DLEのメンバーになって初めて「姉妹」ができたようなもので、せっかく頭脳に恵まれた一人娘の宋雨琦をよその国にやりたくない、できれば中国の要職についてほしいと願う教育熱心な両親と半ば喧嘩して韓国に渡った意地にかけて、韓国で(G)I-DLEを続けると固く決心したものの、正直寂しいけど友達ができたから後悔はしてないと涙ぐむウギ。
台湾から来た末っ子シュファは、しつけの厳しい家で育った三姉妹の真ん中で、気が強く常に率直で、一切忖度せず空気もしいて読まずに、バラエティにおいては突撃隊長的に切り込んでいく「豪傑」。
常にはっきりものを言うが、実はその分自分にも厳しい。
お姉さんたちから目の中に入れても痛くないほど可愛がられている、ボスベビー。

という風に、それぞれの物語がここに集まり、強い絆がうまれている。
一生みんなでやっていくって、そう公言してるアイドル、他にいる?

これからの(G)I-DLEの物語から目が離せない。

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