僕にとっての(極私的)メロディメーカー達

いわゆるメロディメーカーとは、僕にとっては、一つだけ良いメロディを作った人ではない。常に良いメロディを作ってくれる人であり、そこで言う良いメロディとは、耳に残る美メロというだけではなく、ただの音の並びである以上に魂にぶっ刺さったり心に感情がわきあがったりするし、その曲を聴く度にある感覚が決まって蘇る、「メロディ以上のもの」なのだ。
というわけで、僕が中学高校の頃音楽を意識して聴き始め、心にくい込んだメロディを作ったメロディメーカー達を紹介していく。
基本的に複数曲。メロディメーカーだからね。

スコーピオンズ  ルドルフ・シェンカー

当時西ドイツのハードロックバンド、スコーピオンズのリーダーでサイドギターの名手、ギターリフを作らせたら天下一品のルドルフ・シェンカーは、作曲者としても素晴らしくて、このバンドに中学生の僕は夢中だった。
まずは「幻の肖像」。

そして「We'll Burn The Sky」。


クイーン ジョン・ディーコン

それから、リアルタイムでクイーンのファンになった。
当時の大親友が、今考えると天才で、後に東大→大企業のIT関係の研究所に入ったやつなのだが、(当時AMラジオ地方局で毎日曜日、今週の歌謡曲チャートを50曲発表する番組があったのだが、彼はそれを毎週午後いっぱい聞いてノートに記録していた。なんのためにそうしていたかわからない)彼がクイーンの大ファンであってスッゲー布教されたのだ。
何しろ、持ってるアルバムをカセットにコピーして僕にくれるのだが、自作のライナーノーツ付き、丁寧に曲説明を書き込んでいた。
クイーンについては、リアルタイムで経験してた僕らにしかもう分からないだろう感覚があるので、いつか語りたい。
フレディ・マーキュリーがフューチャーされがちだが、メンバー4人全て優れた曲を書いており、僕は最も地味なベースのジョン・ディーコンが好きだった。
後に「地獄へ道づれ」などをヒットさせて、僕は思わず だろ?!ほら見ろ!と思ったがそれはともかく。
彼の曲から二つ紹介する。「マイ・ベスト・フレンド」。

そしてこれ。「永遠の翼」。わが青春の、と言ってもいいくらい。

ムーンライダーズ 鈴木慶一とその弟鈴木博文

それから、ラジオを聴いてて日本のロックバンドの魁のひとつ、ムーンライダーズに出会う。すっかりやられた僕。
とりあえずこれを聴いてくれ。「火の玉ボーイ」。

鈴木慶一の実弟、鈴木博文も主に良い詞を書き、曲も書く。
「くれない埠頭」。

ひとつ言いたいことがある。
この曲が入った「青空百景」、当時その音の聴いたことがないクリアさ、透明感と空気感に衝撃を受けたのだが、僕の耳は経年劣化により聴こえない周波数が増え、中学生当時のあの音は二度と聴こえなくなった。あの衝撃も二度と味わえないのである。
だから、いい音を聴くなら今のうちだよ、と訴えたいのだ。

細野晴臣

ムーンライダーズから派生して細野晴臣を聴き始めた。だから、僕は細野さんが始めた新バンドとしてYMOを認識したのである。
音楽評論家の中にはそれを、裏切りと捉えた人も多かった。ソロ当時の音楽性とあまりにもかけ離れていたので、保守的な評論家にはついていけなかったのだ。
今となっては何言ってんだかという感じだが。
それはともかく。
細野さんの「HOSONO HOUSE」とトロピカル三部作が大好きなので、各アルバムから一曲づつ紹介する。
「HOSONO HOUSE」から「終りの季節」。

「トロピカル・ダンディー」から「三時の子守唄」。

「泰安洋行」から「Exotica Lullaby」。なぜか細野さんの子守唄が刺さりがちな気が。

今聴くと、これレゲエだった。関係ないけど、ピーターパンがモチーフという事で、ネバーランドの僕はなんか感慨深い。

「はらいそ」からタイトル曲「はらいそ」。

大貫妙子

結構この時期は日本の音楽を聴いてた。
当時maxellのカセットテープのCMで、大貫妙子の「黒のクレール」を聴いて、なんと美しい曲かと、雷に打たれたように衝撃を受けたのを憶えている。

「雨の夜明け」。

「最後の日付」。

もちろん他にも良い曲がたくさんあって、ここでは紹介しきれない。
近年、「シティポップ」とやらのブームで、初期のアルバムが突然評価されたりしてるが、そんな狭い聴き方でしか語られないのを見て、片腹痛いというかちゃんちゃらおかしくてたまらない😏

という流れで、ずっとこれまで、単なる良いメロディと言うだけではなく心に深く刺さる曲というのが時折あり、この人が作る曲はなんか深いところに届くなという「信頼できるメロディメーカー」という存在があった。

(G)I-DLE ウギ

最近では(G)I-DLEのウギがそうで、だから僕はウギを推しにした面もある。
特にアルバム「I NEVER DIE」所収の「POLAROID」。
この曲は今のところ僕の(G)I-DLE曲ベストワンであり続けている。

あと初めてのソロシングルの「A Page」の「Giant」。

ミニアルバムの「YUQ1」の「Everytime」。

ウギの曲には、僕にはハズレがないのである。
こんなことは珍しい。
だからこれから楽しみでしかたないのだ。

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