髭鯨の第3期Σリーグ参加記録 その2(ファイナルを終えて)
2024年5月から始まった第3期Σリーグは、激闘に次ぐ激闘を経て、9月22日に最終節を迎えた。ファイナルに残った4チームのpt差は200ほど。どのチームにも優勝の可能性は残っていたが、最終的には『RIDECAT』が見事逆転優勝を決めた。
僕が所属する『Mkingdom』もファイナル進出を果たしたチームのひとつだった。レギュラーシーズンこそギリギリの戦いだった。浮き沈みを何度も繰り返し、最終的にはカットライン寸前の10位でプレーオフへ進出した。(奇しくも昨シーズン僕の在籍チームであるAPBと同じ順位!)
プレーオフでは溜まったうっ憤を晴らすかのように快進撃が続いた。なんと10戦で8連対。ファイナル進出は8チーム中上位2チームという狭き門で、最後の最後まで全く分からない状況だったのだけれど、最後はまろちょふリーダーが辛くも条件を満たす4着確定の和了を決め、僕らはその狭き門へと滑り込んだ。
この勢いならファイナルもひょっとしてひょっとしちゃったりするんじゃないかって思ったりもしたけれど、そうは甘くはないのが麻雀であり、このΣリーグという舞台だった。そもそも勢いという意味なら相手はレギュラーシーズンの1位2位、加えてプレーオフを僕らより上位で勝ち抜いたチームである。みんな勢いがある。優勝した『RIDECAT』のメンバーは総じて強かった。隙が無かった。僕も何度も同卓しては、思うように打たせてもらえんなぁ、とジタバタするなどしていた。
『RIDECAT』のみなさん、改めて、優勝おめでとうございます。
と、こんな風に今シーズンをコンパクトにまとめてしまったのだけれど、この間いろんなことがあった。いろんなことがあったのに僕のnoteがこれでわずか2回目の更新でしかないのは、言い訳のしようがないくらいにシーズン中の筆の進みが遅かったからで、それでも僕に言い訳を許してくれるのなら、今シーズンは広報のお手伝いとしてレギュラーシーズンの観戦記の一端を担うなどしていた。これはこれで得難い経験だった。他チーム選手の切れ味鋭い打牌を目の当たりにし、その意図を拾えるようチームの控室配信等々を見漁った。それによって僕の打牌はまた少しばかり向上してくれたものだと思いたいし、また僕の書いた観戦記が誰かにとってプラスの思い出になってくれれば嬉しいなぁと思う。
『Mkingdom』はいいチームだった、と振り返ってみて思う。少なくとも僕個人にとっては居心地の良い空間だった。周りからも、いいチームだね、と声を掛けられることは何回かあった。
ドラフトが終わって並んだ名前を見て、コンテンツに寄った人選だな、というのが僕の第一印象だった。Σリーグの各チームのメンバー構成にはかなり、リーダーの意気込み、狙い、思想みたいなものが表れる。がっちがちに魂天クラスの強者で固めた人選がある意味風物詩になっているようなチームもある。『Mkingdom』はリーグ戦をひとつのコンテンツとして、応援してくれるみんなを楽しませる方へ軸を寄せた、そんな風に思った。
杵月のあさん(以下『のあさん』)はリーグ応募者の中でもとびきり明るくて、配信者としてキラキラと輝いていて、舞台のど真ん中に立つことが誰よりも似合うような人だった。だけでなく、ドラフトを終えた直後にチームの名を冠する大会を開催するほど、企画力&実行力を持つ人だった。リーグ中の控室配信でも、自分のしゃべるタイミングというか、全体のバランスというか、そういうものにずっと気を配っているような雰囲気を感じた。
白石太陽さん(以下『太陽さん』)は多才だった。チームのオープニングムービーを曲も含めて制作してくれた。毎節の試合前には登板メンバーの予告Short動画をアップし、控室配信内では対戦相手の選手含めて入場アナウンスを読み上げてくれた。ファイナルの最後まで、1試合とて欠かすことなくだ。(自身が登板の際はのあさんが代わりに読み上げた。)「ネット麻雀界の日吉辰哉(※Mリーグ公式実況者、敬称略)を目指す」という目標を何かの折に話してくれたのを覚えている。このまま経験を積めば、そういう未来も確かにあるんじゃないだろうか。
あやねさまだぅちゃん(以下『だぅちゃん』)は昨シーズンから続いてどこまでも天真爛漫で、どこまでも自由なJKだった。キャラクターとしてすでに最強で、彼女がいるだけで控室配信の雰囲気が一段階明るくなる。彼女の性格よろしく、麻雀の打牌にも物怖じがなく、土壇場のきわっきわで迷いなく勝負に踏み込めるところは間違いなく彼女の長所で、格好良かった。それは控室配信に応援に来てくれた多くの人を惹きつけるものだったと思う。
各々の長所は、第3期Σリーグにおいて随所に発揮されていた。その点だけをとっても、Mkingdomのシーズンはとても充実していた。そのうえで僕らはレギュラーシーズンをギリギリで耐えて、プレーオフを破竹の勢いで勝ち抜いて、ファイナルまで駒を進めることができたのだから。優勝には手が届かなかったけれど、麻雀の戦いでも結果がついてきたのだから。僕らは二重の意味で、充実したシーズンを送ることができた、と言えるはずだ。
まろちょふリーダーが作るチームの空気が、きっとその土台にあったのだと思う。
「僕が勝てれば、優勝できると思うんですよね」
ドラフトが終わってすぐの頃、まろちょふさんはこういう話を何度かしていたのを覚えている。確かチームのお披露目配信でも言っていたはずだ。正直なことを言うと、僕は内心、ほんとにぃ? と訝しく思うなどしていた。他チームは11チームもあって、そこには僕らよりも段位や大会実績で上を行く選手がごろごろ在籍している。その差はたぶんリーダーひとりの成績で埋め切れるものではないよな、と。
けれど、このチームは本当にその言葉の通りだった、と今になって思う。まろちょふリーダーが控えているから、僕らは安心できた。チームのDiscordサーバーに招待されて、そこにはすでにいろんなチャンネルが用意されていた。スケジュールとか、素材とか、そういう必須のものだけでなく、手組みとか、ドラ字牌の扱いとか、点数状況判断とか、そういう情報を集めたチャンネルがたくさんあった。そういうものをどう使うかはほとんどみんなの自由だった。まろちょふさんはとっても大人で、環境を整えた後はただひたすら選手のみんなを信じてくれて、各々の裁量に任せてくれていたから、僕らは存分に長所を発揮することができた。
麻雀にしても同じだった。僕さえ勝てれば優勝できるから、みんな自由に打っておいで。あの言葉の本当の意味は、きっとそういうことだ。まろちょふリーダーはプレーオフの最終戦、ファイナルの最終戦、どちらもそうするのが自然であるかのように登板を引き受けていた。まろちょふさんが勝てれば優勝できる、必然的にそういう状況になった。
けれど実際のファイナル最終戦は20万点くらいのトップが優勝には必須な状況だった。その直前の第1戦でラスをとってしまったのは僕だった。今シーズンの僕は総じて好調だった。通算成績は5-4-2-2、7割近い連対率をマークしていた。チームの雰囲気が後押ししてくれた部分は間違いなくあった。だからこそ、もっと現実的な条件でまろちょふさんにバトンを渡したかった。そういう恩の返し方をしたかった。一番大事な試合でラスをとってしまったことが、今シーズン一番の大きな後悔として残っている。
とはいえ今シーズンが楽しい経験だったというのは、同時に胸を張って言える。自身としては初のファイナルの舞台も経験することができた。大事な試合を任される緊張感も味わった。自身の雀力向上につながる学びもたくさんあった。チームメンバーのみんなにとっても、そうであったらいいな、と思う。
のあさんは、これは僕には意外だったのだけれど、こういうチームのリーグ戦自体が初めての参加だったらしい。僕が初めてチームのリーグ戦を経験した時、僕の勝敗を一緒に一喜一憂してくれる仲間がいることが、僕の打牌を一緒に考えてくれることが、とても新鮮で世界が開けたような感覚があったから。のあさんにとってもこのシーズンがそういう経験であってくれたらいいな。のあさんの配信と、そこに集まる仲間たちの世界はとても一体感があっていいなぁと思うから、また折を見てお邪魔にならない程度に遊びに行きます。
太陽さんは、かくきりこさんのミラクル三倍満でまくられたりと、ひょっとしたら悔しい経験が多かったかもしれない。ああしておけばよかった、次はこうしよう、みたいに思うことが多いシーズンだったかもしれない。でもそういう経験が多ければ多いほど、もしそれが誰よりも多かったんだとしたら、それは今シーズンで一番の勝者かもしれないから。学習意欲がとても高い太陽さんだからこそ、今シーズンの経験が後々の実りにつながるはずだと信じてます。また打牌に迷ったところ等あればラボだったりDMだったりで雑に質問しちゃってください。
だぅちゃんが最終節の配信終わりに涙をこぼしたことで、ちょっとほっとした僕がいたりします。約半年のシーズン、僕みたいな暇人にとっての半年と、青春真っただ中のJKの半年は持つ意味がまるで違うはずだから。いつもひょうひょうとおどける姿を見せるけれど、最終節僕が打牌を終えて控室へ戻るとき、まだディレイでオーラスが続いている中、「頼む頼む頼む頼む」って必死に祈ってる声を聴いて、きゅうと締め付けられたような感じがしました。また一緒に戦う機会があれば、次はそれに応えられるように頑張ります。
まろちょふリーダーへの感謝は、先に綴った通りです。このチームが二重の意味で充実していたのは、まろちょふリーダーの存在があったからこそだと思っています。コンテンツ方面では僕は結構便乗する寄りになってしまっていたと思うので、その意味でも麻雀で、やっぱりファイナルの最後の最後で、いい条件でバトンを渡したかった。また一緒させてもらえる機会があれば、それを果たしにいきたいと思います。
今シーズン、みんなと一緒に戦うことができて本当によかったです。ありがとうございました。
チームメンバーだけでなく、Σリーグでの戦いはいろんな方々に支えられていました。リーグ運営の方々、ライバルチームのみんな、そして応援の声を寄せてくれたみなさん。みなさんあってのリーグ戦でした。たくさんの声援がパワーになりました。御礼をもって本稿を締めくくりたいと思います。
ちなみに、半分余談になるかもしれないが、まだMkingdomは終わっていない。なぜなら第2回Mkingdom杯があるからである。
企画はまたも杵月のあさん(さすがすぎる)。予選期間①と②があって、それぞれの上位8名ずつが10月13日(日)の本戦に出場できる。これを書いている時点で予選期間①は終了となってしまったがまだ予選期間②(2024/10/4金~10/6日)が残っている。
すでにMkingdomメンバーが予選①で大暴れしてひょっとしたらこの大会は身内が気持ちよくなるための大会だったのでは説がささやかれつつあるが、予選期間②ではまたランキングがリセットされてまだまだ本戦出場、上位入賞のチャンスがある。ぜひ僕らと対戦するために、あるいは倒すために、気軽に参加してみてほしい。成績上位者や最多打数のプレーヤーには賞品も用意されている。ルールや賞品等詳細は以下杵月のあさんの開会式の配信等参照されたし。待ってるぞ!
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