地方暮らし

田舎とは少し違う?地方暮らし雑感。当然ですが私見です。

いま仕事で高知県に住んでます。仕事先には良くしていただいて
快適な生活です。住んでいるのは典型的な地方都市、それも小都市です。
人口2万程度、一通りは何でもありますが本当に欲しいものがない、事は
日常になりつつあります。高知市まで行けばある程度は手に入りますがそれでも難しい場合はネットです。東京首都圏で長年暮していると普通に手に入るもの、が実は普通じゃない、という事を忘れてしまうんですよねぇ。

数年前の石垣島、あるいは最近までいたニセコ、どちらも買い物には苦労した訳で。そういう意味では選択の余地が少ないにしろいまはまだまし、と言えるかもしれません。ただやはり不自由さを感じるのも事実なのです。
まあ 無ければない、でいいや、と思えるものはいいんですが嗜好品の類はそうもいかないし。職業柄、美味しくない物は妥協しても結局ストレスになってしまいダメですね。

自然環境は素晴らしいし、水道の水も飲めるし! 人口密度も低いので渋滞とか人ごみ、とはほぼ無縁の生活です。農業の盛んなエリアですからJAのマーケットに行けば朝採れの野菜、魚屋は朝獲れの地魚、とても贅沢な環境です。

でもね、勿論すべてがうまくいく訳でもありません。
例えば醤油。高知は昔から甘醤油が伝統的らしいですが要は濃口醤油に甘味がつけてあるものが一般的なんです。ただその甘味が砂糖じゃなく人工甘味料で。これ不思議なんですがソルビトールがない時代は何で甘くしていたんだろう? 多分砂糖ですよね?? でも今は砂糖は使っていないんです。それなりに醬油メーカーはありますが砂糖で甘くする会社は今のところ知りません。全て甘味料です。コスト考えれば理解できますが、美味しくないんですよね。刺身醤油なんかも魚がすべて同じ味になりかねない、んですがこちらの方はこの醤油で食べるから美味しい、と言います。食文化は地方文化だから是非は問えません、がでもこいつは困る(笑)

高知に来てあちこちで色々食べて、家庭の味、的な物も分かってきて感じたのは
「高知は甘い」だったんです。 関東ではここまで甘くしないなぁ、という加減で甘くなります。例えばハンバーグにケチャップとソースでなんちゃってのデミソースもどき、ご家庭でもよくやると思うんですが。これに砂糖が入って甘くなる。おかずとしては「甘っ!」という感じなんです、よそ者としては。でもこれが普通らしい・・

味噌もやはり少し甘い。麦みそも多いしこれは九州と近いからまあ理解できるんですが。ただ飽きるのも事実です。仙台みそのシャキッした塩気が恋しくなります。醤油も普通の濃口に自分で必要な甘みを足して味付けした方がやはり美味しいんです。お料理屋はそれでもまだいいんですがご家庭の味、はやはり甘め。安い店程甘くなる傾向があるようです。
それと柑橘類を絞る、という食べ方。お刺身に例の「刺身醤油」と柑橘を絞って食べる。いや、確かにこれはこれで美味しいんです。ただこれだと魚がブリでも鰺でもまぐろでも、あまり関係なく「おいしい」んですよね。

否定するのとは少し違うんですが魚の質がいいのでどうやって食べても美味しいんですけどこの味付けだと魚の風味、みたいなものはあまり感じません。なんか不思議なんですよね、魚がいい状態なのにこの味付けオンリーって。

高知はトンネルの多い土地です。隣町に行くにしてもトンネル、みたいなことが本当に多いんです。過疎も多いのも納得です。交通の便はとにかく悪い。下水の普及率も非常に低いです。水洗トイレがまだ当たり前ではないエリア、というか下水がない土地も珍しくないんです。中山間部、というかインフラ整備をするには人口が少なすぎる土地が多い、という事です。人口が日々減少している訳ですから今より良くなることはあり得ないし。

だから昔は隣村に行くにも苦労だった場所は沢山あると思います。山を越えないと行けない、不便な生活。そういう暮らしだと自然と出かけなくなりますね。交流が減るのは当然で、だから隣町だけど色々な文化が変わってきます。平均的に、ならないんですよね。
海沿いから山のほう、で距離にして20km程度でも住んでいる方の意識はずいぶん違うわけです。違う文化圏だと、互いに認識しているんですね。
他県、ではなく同じエリアでもこんな感じがあるんですよね。

ところがですね、先日高知は大雪が降りました。観測史上最高の降雪、なんてニュースになりました。南国土佐、と言われる高知県ですから普通の車は冬でも夏タイヤのままです。雪降りませんからね(笑)
であんなに降るとどうするか? そのまま走るんです。恐ろしい事ですがみんな夏タイヤで雪道走るんです。北海道で暮らした自分にはとても怖くて出来ない事ですがみんながやるから多分誰も気にしないんですよね。
それに夏タイヤで立ち往生して大渋滞になっても誰も責めません。
お互い様、らしいんですよ(笑) 東京だと相当に非難ごうごうですがこちらではあまりそういう事にはなりません。なんせ「みんな夏タイヤだからいつ自分が渋滞の原因になるか?わからないし」って事なのかものすごく寛大なんですよ・・・

あえて言えばみんな大丈夫かしら?とは思いますがこれもある意味
大いなる「田舎者」の感覚なのかもしれません。
これが良くも悪くもこの土地が伸び悩む原因、でもありましょうね。
勿論魅力にもなりますが・・・

まあタイヤの件は個人的にはまったく笑えないんですけどね。それで事故して人が死んだら・・いや夏タイヤで雪道はホント、ダメです。絶対ダメです。そこには選択の余地ありません。なあなあで済ましてよい事ではない、はずなんですけどね・・・でも誰も何とも思ってないんですよ。
「何もなかったからええじゃろ」と(笑) 
これに慣れることできるかなぁ・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?