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骨董・・ガラクタ?

ケガをして右手が少し不自由だったこの10日ほどは文字の入力がしづらい、がマウスのクリックくらいは出来るのでおのずとネットサーフィン(今でもこんなこと言うのかな??)する時間が増えてしまった。
ついついオークションのガラクタを見てはあっ!とかおおっ!!とか一人で興奮しつつ別に入札もせずチェックだけして(笑)後でいくらで落札されたかなんて言うのを見てはまた!!!って。

以前商売やっていた時はよく使ったオークション。仕事で使う道具とかね、別に新品でなくてもいい物って意外と多い。業務用の鍋とか大きなものは新品は高額だしね、新品も一度使えば中古、売るときは二束三文だから中古のほうがリスクヘッジにもなる(笑)

ただ今回は完全に趣味(笑) 別に不要だけどあったらいいな、とかあ、これいいな、とかそういうふわっとした基準だけで眺めるのもまた楽しい。
食べ物商売のせいもあるだろうがヨーロッパの磁器、はやはり懐かしさも感じるしお茶道具など日本の古いものは子供のころによく見かけたものも多くてそれもまた何か思い出につながったりして、それもまた楽しいもので。
家の食器は山ほどあるから要るか?要らないか?だけで判断したら要らないのだけどね、なんかそれでも手元に置いておきたいものってたまにあるよね。

今回初めて「!!」って来たのがこの写真のオールドノリタケ。この写真ではわからないでしょうがこれ小さな湯飲み?というかショットグラス、というか? サイズ的には高さが6cm直径が5センチ、単一電池を少し太くした位、の大きさ。専用の革ケースがついているところからも持ち運びして使うモノなのは間違いない。このバックプリントは1912頃に使用されていたものなのでざっと110年前!! 只上のプリントのKSは何かよく分からない。当時から顧客からのオーダーメイドなどで作っていたものには別のネームを入れるのはよくあったようで要はWネーム的な品物なのだろう。
手元に届いて手に取って驚いたのはその薄さ、軽さ。湯飲み、と書いたが是は熱いものは入れられないから、ぐい飲み、マイグラス、というところだろうか?

母の実家は医者だったので当時としてはたいそう裕福な家で里帰りをした際に普通の家庭にはないような面白いものを見つけると時々もらってきていた。プラスティックのない時代である。田楽セット、なんて全部木と塗り物でできている要は野点の弁当箱の変形なのだけど田楽だから豆腐用の串がちゃんとあってこれだけは針金でできていて(笑)100年近く前の錆びた針金の串、これは使う気にはならなかったが当時の花見などで使うこういう道具の創意工夫には恐れ入ったのを子供心によく覚えている。昔の品物、特にある程度レベルの高い品物っていうのは本当に作りがいい。またそれが100年後の今でも使える、というのがまたすごい事だと思ったりする。

これを言うと経済的にはどうなんだ?ってことになるけど新しい物にどんどん買い替える、事でしか経済が回らない、というのはなんかとても貧しい社会のような気がするわけだ。よいものを直せるうちは直して使う、直せなくなったら、あるいは直して使いたくなくなったら新しい物を買う。多少高くても直して使える物を買う、なんかそういうサイクルが資源保護から考えると真っ当なんじゃないか?なんてやはり思うのね。

プラスティックの利便性はもちろん認める。でも食器に使う必要はないよね。病院とか養護施設とか、利便性が重要なところ、は分かるけどプラがない時代にそういう施設は普通に瀬戸物を使っていたわけで?結局は経営者運営者が楽をしたい、というのがすべての根底にある。
洗濯機を洗濯板にしろ、とは決して言わない。トイレをくみ取りにしろ、というのもね。でも樹脂の食器は本当に必要なのか?まあ今の日本みたいに持ち帰りの食べ物があふれかえっている国ではあまり意味のない議論だが(笑)
コンビニとかの弁当、レトルト、使い捨ての器・・衛生的(笑) 安い・・なんとも合理的?? 
それだけ合理化している我が国がどうしてこんなに景気が悪いんだろうなあ?? 世界中どこを探してもないような新しいビジネスをガンガン、見つけては起業しているのになぁ、どうして景気が上向かないんだろう??

先進国、特に欧米諸国ではいまだに古いものを直して使う事への敬意がちゃんと残っているから古い車程税金が高くなる、なんて「馬鹿な事」をやらない。この一事をとっても我が国の思想発想があちらと実はかけ離れているのがよくわかる。

しかしね、オークションも久しぶりに見ていて思ったこと。業者の質も随分下がったし説明が全然足りないのも多い。やたら長い説明は大体の場合免責についての注意やトラブル回避のための能書きで商品説明はほとんどなかったりする。最低限の情報すら載せていないとやはり知性を疑うな(笑)そういう業者はやたらたくさん出しているがほとんどの品に入札がない。当然だろうな。家具や洋服でサイズなどの記載がない、とか「訳アリ」なのにその説明がなくて「写真が全てです」とか(笑) もうね、ありとあらゆる、仕事が出来ない人のサンプル、みたいな状態で面白いの。

アンティークのジャンルは当然新品はあり得ないのになぜか新品ジャンルにも山ほど商品があるんだ(笑) また中古の枠に入っているが「未使用」をうたう、というパターンもある。つまりどちらの枠でも検索に引っかかるような、つまり検索されるであろうワードを出来る限り多く網羅しているわけね。あと最近増えたのが送料詐欺。商品はすごく安い。で送料が国内なのに3万円、とかね(笑) オークションは売買金額に所定の手数料がかかるが送料はその枠外だからこうすると業者は手数料節約できて美味しいのだ。
さらに言うと海外から送る、っていうパターンがものすごく増えた。これはまあ一長一短だが。欧米からだとアンティークなんかあちらの方が安いものはたくさんあるしね、送料を考えても悪くない選択、な物も多いだろうけどでもそれも程度問題。最近はある程度検索で条件を絞ったうえで商品を見て海外から出品の場合はその出品者を避けるよう設定するようにした。商品が1000円でも送料が6000円、とかはやはり嫌でしょう。骨董じゃなくて生活雑貨もなんもカンも海外から、ってなるともういいや!って(笑)

ただこういう生活必需品じゃない物、まあマニアはいるがオタクジャンルではない物はかなり安くても誰も手を出さないものが多くなった感が強い。そして分かりやすい物しか動いていない。例えばマイセンのカップ、これはリセールしやすいせいか高値を維持している。でも多少なりとも知識が必要なものになると途端に売れなくなってるね。アンティークの世界はまあ怖い世界だから(笑)それでいいのだろうけど、傷物を平気で出すのもどうなんだろう? カップだけソーサーだけ、はいいよ、探している人がいる可能性は十分ある。でもふちが欠けたものを探している人って? まあ安ければ、って安くないんだ、これが。それにちゃんと説明、写真を乗せているのはとても良心的でそのあたりがなんかね、適当なのも多い。だまされた方が悪い、というのは骨董業界では昔からあるけどあれはさ、一応同業者への話だよ。客をだましていい、なんて商売はないんだよ(笑)
ケガのおかげでまたなんか少しいろいろな事を考える時間が出来たので良しとしようと思います。調子乗ってチョコチョコ入札していたら相対が無くて!落札しちゃった!なんてのがいくつかあってさ。まあこの値段なら、って思いますが多分今はそれでもみんな手を出さない、か興味がないか?
もしかすると不景気の今、こういうジャンルに換金するのも悪くないかもしれないね。古い物って絶対に増えないから。

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