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ごめんなさいで済めばいいのにな
何もやる気も出ない、どうしようもない気分になったときは、必ずこの本を読む。
僕の大好きなバンド「銀杏BOYZ」のボーカルを務める峯田和伸が書いたエッセイ。
峯田はエッセイの中で赤裸々に自分の感情を語る。
そのまっすぐで、バカで、変態で、笑っちゃうくらい変な奴だけどあったかい人間性に僕は支えられてきた。
そして僕自身の性格もかなり峯田に影響を受けている。
(仲のいい人はうんうんと頷いてくれるはず)
このエッセイのほんの一節にこんなエピソードがある。
峯田はライブ終わりに出待ちの女性ファン2人と出くわした。
女性ファンはこう話しかける。
「一緒に写真撮ってくれませんか?」
その言葉とともに受け取ったカメラを峯田は地面に叩きつけ、そそくさと打ち上げ会場に戻る。
ふと歩いているときに、峯田は思い出す。
「なんて馬鹿なことをしたんだろう」
そして峯田は女の子のところに戻り、頭を下げた。
ごめんなさいごめんなさいと何度も謝った。
そして一緒にカメラを買いに行き、一番高いカメラをプレゼントした。
そして彼女たちはこう言う。
「またライブ行ってもいいですか?」
これを読んでどう思うだろうか。
僕はこう思う。
なんてすばらしい世界だ!
峯田はどうしようもないバカである。
でも、バカであることを自覚し、反省して、ごめんなさいと言えることの素晴らしさたるや!
人なんていつでもミスするし、しくじるんだから、それを反省して謝ったときには温かく迎え入れてあげたい。
だからこの謝ったときにピュアな心で許した女性ファンもすばらしい。
峯田のイカれ具合と、さすが銀杏ファンとも思える懐の深さと、
いろんなものが混じり合ったいい話だと僕は思った。
これが現実での上手くいかないことのなんたるや。
最近割と仲のいい友達と起こしたvaundy事件たるものがある。
この記事で紹介した通り僕はあの人のことがあまり好きではない。
しかし、それを友達に喋ってしまったのだ。
仲のいい奴だからこそ信頼して、俺の偏屈さをイジってくれるだろうと期待した上でその話をした。
しかし運がとても悪かった。
そいつが大のvaundyファンだった。
上手くネタにしようと思って、
オブラートに包んだ悪口で柔らかく展開しようとしたのだけど、そこそこ嫌いが故にちゃんとアンチ語りがヒートアップしてしまった。
僕がvaundyを嫌いで、彼がvaundyを好き。
それはどちらも尊重されるべき感情で、どちらかがどちらかを否定されることはあってはならない。
上の行動は僕の信念に大きく反している。
完全にやってしまった。
それ以来、今も時々会うけどちょっと気まずい。
またこんなしくじりをしたこともある。
大学で仲のいい後輩を、たまたま実習のTAとして教える機会があった。
久しぶりに話せて楽しいもんだからいろいろ話しかけてみた。最近のサークルのことやら、恋愛事情やらいろいろ。
でもあとになって人づてで伝わってきたのだが、
実習はグループでやっていて、他の人に知られたくない話とかあったり、俺が話しすぎたりして大分気まずかったらしい。
完全にやってしまった。
こういうときに僕はすぐ謝りたい。
ごめんなさいごめんなさいってすぐに伝えたい。
でも会う頻度が月ごとだったり、気づくのが遅かったりすると微妙に伝えられない。
あのときはごめんなさいというには月日が経ちすぎているときもある。
こういうとき、僕は思うんだ。
ごめんなさいで済めばいいのになぁ。
P.S.サムネでごめんね青春の話を期待した方、すみません。
でも許してください。シナリオブック持ってるくらいには大好きなドラマです。