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ポッドキャストをイベントマーケティングの観点からトランスフォーメーションしようとする企みはどのようにして生まれたのか-「ひげおぢとDXを考える」誕生編

みなさんはじめまして。10月からラジオNIKKEIさんで「ひげおぢと考えるDX-3ヶ月で1000人仲間が増えないと終わっちゃうコンテンツ」のパーソナリティを担当しているひげおぢと申します。

コミュニケーションデザイン会社で長年ビジネスイベントのプロデュースやディレクション、2021年からは社内オンラインDX情報番組の企画・構成・パーソナリティを担当しています。今回理由あって「ひげおぢ」という仮面をつけて活動しています。

※この記事はイベントマーケティング Advent Calendar 2024の18日目の記事として、そしてひげおぢと考えるDXの公式note1番目の記事として書かれたものです。


ポッドキャストについて

わたくし「ひげおぢ」とアシスタントの「Oさん」がナビゲートする、肩の力を抜いて聴けるDX情報番組です。DXといってもD=デジタルのサービス提供ではなく、X=トランスフォーメーションって何なのよ、というところにフォーカスしてやってます。初回以外はゲストとのクロストーク形式でお送りしており、毎回収録時間が超過し分割して配信しています。

どうして無名のおっさんが全国放送のラジオ局でポッドキャストやってるの?


ラジオNIKKEIさんのメインコンテンツは金融(マーケット)・ビジネス情報と競馬が中心なのですが、これ以外にビジネスパーソンが聴いてくれそうなコンテンツ、例えばDXをわかりやすく話してくれる人を探していたらしく、たまたまひげおぢをラジオNIKKEIさんに紹介してくださった方がいらっしゃったのです。決して1万人のおっさんを集めた番組オーディションを勝ち抜いたわけではありません。

7月のある日、ラジオNIKKEIでプロデューサーのSさん(以下、番組同様Sプロと呼びます)とお会いしました。Sプロは

・「Biz Podcast byラジオNIKKEI」というアプリをリリースしていて、ラジオNIKKEIのメイン視聴層以外のビジネスパーソンに向けたコンテンツを探していること
・「Biz Podcast byラジオNIKKEI」のユーザー数増加を図りたいと考えていること

という2つの課題があり、私にDX情報を配信するポッドキャストのパーソナリティをお願いできないか、と切り出してきました。

皆さんも考えてみてください。
もし、ラジオNIKKEIさんからポッドキャストのパーソナリティをやってもらえないか、と言われたら

タダでも良いからやらせてください!

と思うのではないでしょうか?

もちろん私も、そのように思いSプロに熱い気持ちを伝え、社内で配信していたDX情報番組のコンテンツを煮詰めたトピックを30分ほど一方的に喋り倒しました。よくわからないけどSプロは「僕のイメージ通りです」と評価してくれた記憶があります。

ポッドキャストをトランスフォームする

説明が遅れましたが、今回のポッドキャストは事前収録形式なのです。「ぜひポッドキャストをやらせていただきたい!」と熱い思いでSプロにアピールする一方で、ポッドキャストだけでやるのはつまらないな、とラジオNIKKEIの会議室で思ったことも事実です。

というのも、ポッドキャストはラジオから時間と場所の成約を取り除いた(これもDXですね)一方で、ラジオの持つリアルタイム性を失なったと考えています。なので、私はSプロに「番組にリアルタイム性を持たせるために、『目標のお気に入り登録数に達成しなかったら強制終了』させるという企画を入れましょう」と提案しました。
お気に入り登録数とは「Biz Podcast byラジオNIKKEI」の番組お気に入り登録者数のことです。

この提案は裏の意図があり、どこの馬の骨ともわからないおっさんがポッドキャスト配信するだけだとラジオNIKKEIで企画が通らない可能性があるため、「そのおっさんが社員の代わりに自社アプリ登録の営業活動をやってくれる」というアピールを入れれば断る理由がないだろう、というこちらも営業的な観点で提案をしたのです。

本当はやらなくてもよいアプリ登録の営業活動をする交換条件として、Sプロに「未経験の番組アシスタント(またの名を生贄)を身内か出してほしい」と依頼をしました。これは、「1人で話すと聞く方も話す方もつらくなる」という私のオンラインイベントの経験からのリクエストなのですが、もうひとつはラジオパーソナリティの経験のない社員をアシスタントにキャスティングすることで、その戸惑いや成長の過程もコンテンツになると考えたからです。

そしてこの「お気に入り登録数を達成する」というノルマをどのように達成するか、という試行錯誤の過程を裏コンテンツとしてYouTubeで配信したい、ということも提案しました。これはYouTube経由でのリスナー獲得効果も狙ってのことです。結果的にラジオNIKKEI公式YouTubeからの配信になり、再生リストも作っていただいています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLOF2LFYXCGpRm7ZLir9AEPIWxlSO5t9kU


この時点でコンテンツ企画が複線化しています。

【番組コンセプト】肩のこらないDX情報提供
【番組の目的】新規リスナー層の獲得
【番組プラットフォーム】ポッドキャスト

【番組コンセプト②】目標のお気に入り登録数を達成しないと番組強制終了
【番組の目的②】お気に入り登録達成のための試行錯誤の共有
【番組プラットフォーム②】YouTube

【番組コンセプト③】未経験の番組アシスタントの成長物語

ポッドキャストをさらにトランスフォームする

Sプロへの胃もたれしそうな提案が実を結び、9月には番組開始の内諾をいただきました。更にこの頃番組でやりたかったことがあります。

番組オリジナルステッカーを作りたい!
ラジオ局で番組をやっているからには作りたかったのがこの「番組オリジナルステッカー」です。

これが番組オリジナルステッカー。欲しい人いたら差し上げます。ご連絡ください。

本当は番組にメッセージを送っていただいた方にステッカーを送りたかったのですが、諸事情で今のところひげおぢにリアルで出会った人限定でお渡ししています。

番組コミュニティを作りたい!
この番組の企画が立ち上がった頃、「DXや新規事業コミュニティを作ったけど、盛り上がらない」という相談を複数いただきました。私の造語で「いわゆる『ハコ』問題」というものがありまして、これはもともとオンラインイベントプラットフォームで交流機能が実装されているけれど、実際にオンラインイベントをやってみて交流が生まれない。これはプラットフォームに問題があるのではないか、という話を聞いたときに、プラットフォームというのは機能にすぎず、実際はそこに集う人たちがそれを本当に必要としているのか、日々の活動としているのか、というところが問われている(のにもかかわらずプラットフォームのせいにされる)というのが「いわゆる『ハコ』問題」の原点です。これが今度はコミュニティプラットフォームで起きているということは、逆説的にコミュニティが求められているということでもある、と直感で思いました。

なので、このポッドキャストで番組コミュニティを構築し、そこでコミュニティを運営することができたら、番組に価値が生まれる、というかこんな素敵なことはない、という思いでSプロに「番組コミュニティを作る!」と宣言したのです。

SNSマーケティングをやりたい!
これはもう少し先の話になるのですが、私とアシスタントでそれぞれXのアカウントを立ち上げて「1ヶ月でどちらがフォロワーを多く獲得するかレース」をすることを構想していました。これはアシスタントが勝利することは火を見るより明らかで、むしろそれをきっかけに番組お気に入り登録者のテコ入れを図ることを目的とした施策として考えていました。

note(記事)を書きたい!
これも今書いているこのnoteが初記事ということで打ち手の遅れが存分にわかる体たらくとなっています。ただ、言い訳めいた話ですが、ポッドキャストがラジオ放送に勝っているのはその放送データーが資産になるということです。事実本日時点でEP9までのコンテンツがアップされているのですが、EP1の視聴数がじわじわとあがっているようなのです。同じようにこのnoteで番組で行った施策を振り返る記事をちまちまと書いていく、というのはいずれ資産になっていくと思っています。

公開録音番組をやりたい!
コミュニティ志向である、というのは複数ある番組テーマのうちのひとつなのですが、お気に入り登録者から抽選でゲストを呼んだ公開録音番組をやりたい、ということも番組開始直後からずっとあたためていた企画でした。これは諸事情により顔やプロフィールを公開できないパーソナリティとアシスタントの素顔が見れる機会、ということでお気に入り登録者にメリットを提供することと、一方的なコミュニケーションになりがちなポッドキャストに双方向性を持ち込みたい、というねらいで考えた企画でした。

走りながら考えるということ


実はこの番組の思想的背景にエフェクチュエーションが含まれています。新たな市場を特定し、分析、リサーチ、計画を作ってから動き出す従来のコーぜーション(因果論)とは逆の、自分ができることを試行錯誤しながら、協力者との相互作用で新たな手段や新たな出来ることを獲得するプロセスがエフェクチュエーション(実行理論)と呼ばれています。

DXについて気軽に聞けるポッドキャストをやってください、というクライアントの依頼に対してイベントマーケターの端くれとして企画とネタをこれでもかと突っ込んだ番組は、予言めいたことを言うのであればエフェクチュエーションとは名ばかりの「行き当たりばったり」の現実に直面することになります。そしてこれだけ書いても番組はまだ始まってもいません

この複数の意味あいを持つポッドキャストの行く先が気になる方は是非「Biz Podcast byラジオNIKKEI」のダウンロードと「ひげおぢと考えるDX」のお気に入り登録、そしてこのnoteのフォローをお願いします!


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