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Ep12 リチャードと農耕祭

ユットチョイチョイ。イギリス人のリチャードにタイ語を教わるのも妙な気分だが、今日は「農耕祭」という祝日。それをユットチョイチョイと言うんだよと御大。

直訳すると、stop so so ということだそうで、和訳すれば、ぼちぼち止まる、という感じの意味になるが、いわく今日の祝日とは「止まりたい人だけが止まる日」なのだそうだ。うーん、よく分からないけど?と僕が聞くと、そうだな、optional holidayだとどうだ?とリチャード、別の説明を試みる。

「農耕祭」。元々は農民が豊作を祈るためのお祭りの日のことだそうで、農民にとってはとても大切な一日。そうした伝統を背景に祝日となったものの、時代の移り変わりとともに農業に携わる人が少なくなった。だから、真の意味でこの日を祝いたい人なんて、この大都会のバンコクにひと握りいるかいないか。もはや時代に合わない「アナクロな日」となってしまっているのだ。

でも、祝日にしちゃったのだから、しょうがないから、農民とか、農民の気持ちが分かる人とか、ただただ休みたい人とか、まぁなんでもいいから任意で休んでいいよ、そんな感じの扱いの日になっているのだそうで、ゆえに、optional holiday、選択肢のある祝日、ということだそうだ。

なんか適当だねぇーと少し呆れて見せると、でもな、タイ人の勤労意欲も昔に比べて格段に上がったしな。「農耕祭」を真に受けて休んでるやつなんて、この現代、官公庁ぐらいしかいないぞ!・・・ん?いまなんて言った?官公庁だけがお休み?!

ちょっと考えて我に返った僕は、リチャードとの談笑を失礼!とさえぎって、慌てて会社に走った!この「農耕祭」。僕は、祝うつもり満々でいたのだから。なんたるオッチョコチョイチョイだ!

画:久保雅子 www.masakokubo.com/


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