[占星術コラム] 終わりと再生の星・冥王星〜ふみだせないあなたへ〜
突然ですが、ずいぶん前から、特にここ最近、
終わらせたいのにずるずる引きずっていることはありますか?
逆に始めたいのに、たじろいでいることは?
噴火しそうな轟きを感じても、動き出せないジレンマはないですか?
安心してください。本日は、『再生のチャンスがやってくる!』
占星術における、冥王星のお話をします。
たとえば
「離れたいのに、ここから去っていいんだろうか……」とか。
「一歩踏み出したいけど……」怖気付いている。
なのに、「じわりとプレッシャーがある」
そんなふうに長い間、なんとなしに追い詰められる感覚があったという方は、
変容のチャンスです!
というのも、いよいよ“終わりと再生の星・冥王星“が、本格的に水瓶座に入るからです。
*
この冥王星は、ひと昔前では、『太陽系から最も遠い惑星』と理科の教科書に載っていたでしょうか。
では現代における準惑星は影響がなくなるか?というと、占星術上ではそうはありません。
むしろ、教科書に載らないとて、星の新聞記者がペンを握らざるを得ない理由があります。
なぜなら遠い星は、個人だけでなく社会ーーひいては時代に大きな影響があるからです。
もしも新聞に載せるなら、見出しはこれです。
『この秋 冥王星がいよいよ、地の星座から風の星座へと変わります』
《冥王星の影響について》
さて、冥王星は“変容の星“です。
ゆっくりじっくり時間をかけ、社会に大きな変容を起こしていく、といわれています。
一方、個人に対してその遠大な星は、“心の深部“に影響を与えるとされています。それも地下部で、じわりと。
もしも、「走り出さなきゃいけない」ような。
でも、「さようなら」をしなくちゃいけないような。
それでいて、「はじめまして」の轟きのような。
強制ともいえるほど徹底したり、でも抗いたいくなる。そんな、ざわつきはありましたか?
もしもあったという方は、やっと長期にわたる影響が、
ここで実を結びそうなタイミングです。
というのも、冥王星は、隠された本質を掘り起こす作用があり、まだ表面化していない本質に迫るのです。
ですから、もし
「終わらせねば!」「始めなきゃ!」
と感じたなら、それは気がつけてよかったのです。なぜなら”表面化”しているからです。
あなたの地下部に隠されていた可能性を、掘り起こせたこと。
それは一見すると負の感情のように見えて、むしろ眠っていた『魅力や才能、底力になりうる宝』を掘り当てたのです。
実はもうずっと前から地下にあったけど、潜在に埋もれていた。その奥に隠されていたことに、やっと気がつけたのです。
*
なのにも関わらず、もしもそれを見て見ぬふりをするというのは、
せっかく掘り起こしたのに、もう一度 土に埋めてしまうようなものです。
もし離れたいのに去れないなら、そこに根っこは残っていますか?
走り出したいのに、留まる理由を探しますか?
それはずっと前からつながっている、あの想いの続きです。
その轟く感覚は奥深くにあって、今こうして表面に出てきたのではないでしょうか。
それはたとえば、
もう花を咲かせることのない、枯れた根っこなら、どうでしょう?
土に戻してみても、再びあの香りに出会うことはあるのでしょうか?
終わりと再生の星・冥王星が、地の星座から、風の星座へと変わります。
そんな星の新聞に載せたくなるトピックでした。
《金木犀のお話》
さてところで、
私は毎朝、新聞を読みながら、コーヒーをたしなむ習慣があります。コーヒーの芳醇な香り。それに加え、この季節ですと、窓から秋の香りも運ばれてきます。金木犀です。
庭と近所から、花の甘い香りと、秋の音が風で運ばれてくる。淹れたてコーヒーのフレグランスと混じって、この季節だけの香りを楽しんでいました、昨年までは。
それが変わったんです。昨年の秋、唐突に。
金木犀が、枯れたんです。
いっきに2箇所の金木犀が、なくなってしまいました。
日当たりのいい南の庭に咲いていた木も。土の上に残るのは、オレンジの花びらを咲かせることのない、枯れた幹のみになり。
そして、北の近所にある森みたいだった金木犀の群生も、伐採されたのです。
もう、ぜんぶ。土から、なくなったのです。
だから、窓からは秋の香りが運ばれなくなってしまいました。
コーヒーの香りも、金木犀のほのかな香りも、あってもさほど気がつかないくせに。だけど、失ってはじめて気づきました。
「あぁ、あの香りはもう終わったんだな」と、そう。
*
でも、もしかしたら、
金木犀は急にそうなったのではなく、もうずっと前から終わりの準備をしていたのかもしれません。
『終わりは始まり』なんだそうです。
というのも、森林の生態系を研究されている専門家によると、「枯れ木も山のにぎわい」なんだそう。
倒木にはキノコが生えたり、枯木には多種多様な生き物が棲み、新たな営みでにぎわうんだそうです。
それなら、木が枯れることは、終わりだけじゃなく、新たな森のはじまりでもある、ということなんですね。
*
それを聞いてまた思い出します。
冥王星も、終わりの星ではなく、
終わりと再生の星である。ということを。
リセット、であっても、ジ・エンドではない。
リベンジである、と。
またはじめることができるすごいパワーを秘めているのは、自分自身の再生力。それは衰退ではなく、むしろ前よりもっとよくなるため。
終わりではない、もう一度、いや前よりももっとよくなるため。
再生していくための、その始まりのためです。
*
そういえば今年、消えた香りがあるなら、新たに出会った香りもあります。
あの森のようなだった、金木犀の群生が伐採された北の近所。そこには、新たな家が建ちました。
そして、風が運ぶはそこに住むようになったご家族の音の便り。そのにぎやかな声が、我が家にも届くようになりました。
そうそう。そういえば今年の夏、南の庭に植物が育ったんです。ミョウガがほんのちょっとですが、収穫できました。
昨年はその場所で、金木犀が枯れた。でも、その土にはこうして新たな植物が育ちました。
ちなみに、ミョウガはそうめんで食べました。暑い夏を爽やかしてくれるいい香りでした。
確かにもう、あの時と同じようには戻れない。
南と北の窓からは、金木犀の香りが運ばれてくることはない。だけど。
消えた香りがあるように、新たに出会える香りや音もある。
なんて、そんな星のトピック、朝の新聞に載っているわけじゃないけれど、今日もコーヒーの香り片手に、窓からの音に心を傾けてみようとそう思う。
*
「さようなら」でもなく。
「はじめまして」でもなく。
また、ここから始めたい。
土に隠されていた根っこは、どこにつながっているのだろう?
風に運ばれてくるのは、どんなことでしょう?
隠されていたことに気がついたなら、あとはもう向かうだけです。
答えはきっともう知っているのかも。
なら、突き動かされたら、あとは動き出すだけ。大丈夫。きっとまた、始められそうだから。
この秋、
終わりと再生の星・冥王星が、地の星座から、風の星座へと変わります。
* * * * * *
『星のエンタメ☆』
あなたの星が実りますように。
東水みのり
(※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)
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