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[タロット劇場#13]ソード(1)小アルカナ物語

東水みのり
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タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード編。


タロットの小アルカナを構成する4つのスート、
ワンド、カップ、ソード、ペンタクル。

このタロット劇場では、スートの物語を入り口に、
あなたを小アルカナの世界観へと誘います。


タロット劇場・シリーズ第2段、ソード編の開幕です。

タロットにおけるソードとは剣として描かれ、
「情報や知恵」といった、風の要素を象徴しています。

それでは、物語の登場人物を紹介しましょう。
主人公の名前は、『タロ子』。
“一人暮らし、彼氏募集中の会社員” という設定です。

★これはタロ子が日常のなか幸せ見つける、小アルカナ物語。
タロット劇場、はじまりはじまり。★



……おや?
タロ子さん、勤めている会社にいるようですね。
お仕事、頑張っている様子です。

現場では何やら、“新企画“ が始まったようですね。

タロ子さんの声を聞いてみましょう。

タロ子:「なんとしても成功させなくっちゃ!」

強い信念と力強さが感じられます。

どうやら社内で「プリンの新商品・開発企画」
が、立ち上がったようです。

タロ子:「新しいアイデアをつくらなくっちゃ!」

と、そう決意し、ペンをにぎった瞬間のタロ子さん。


というのも、
ソード・エースのキーワードは、
「決断・意思を定める・未来を切り開く」
なのです。


それでは、
カードの絵をご覧ください。
雲から伸びる手が剣を掴んでいます。

ーー“剣を掴む“……?

うん…?
“なにかを掴んで、始まりそうな状況……“といえば、
あれれ…。
これってどこかで似たパターンがあったような……?

“自ら棒を掴みにいって、始まるカード“ーー

なるほど!
それは1つ前のシリーズ、
ワンド・1番目のカードでもそうだったのですね。


確かワンドシリーズ・第1話のタロ子さんも、憧れの部屋にしようと、
“自ら“ ホウキを掴んでいましたよね?

それはタロットの小アルカナでも同じです。

つまり、ワンド・1番目のカード、そのものの絵柄も、
まさに雲から伸びた手が、ワンドの棒を掴みにいっています。


手に “乗せて“ いるわけではありませんよ。
手で “掴んで“ いるのです。

つかむ? のせる?
渡す? 受け取る?




では、ここで質問です。
能動か受動か、そんなとき、
あなたならどんな手の形をしていますか?


・例えば、前者はこうです。

水道の蛇口をひねったり、
コンビニでお茶を買おうと商品を手にしたり、
誰かに物をあげようとする瞬間、

つまり「主体的なとき」、あなたの手はどんな形をしていますか?


・一方、後者はこうです。
反対に、小銭のお釣りをもらったり、
渡された物を受け取ろうとする瞬間、

いわば「受動的なとき」、
その手はどんな形状をしていますか?
手のひらは、天と地どちらを向いているのでしょうか?


ーーそう。
きっと、
前者は、掴む手の形。
後者は、手のひらが上向きになるではないでしょうか?


人は主体性をもって行動するとき、
手は掴んだり、つまんだり、自ら動く形をしていることが多いでしょう。

一方で、受け取るときはどうですか?
手のひらをまぁるくさせ、器のようにこぼさぬよう、
乗っける形をしています。


ワンドとソードのエースは、前者である、主体性。
そのカードの絵柄も、
棒や剣を “掴んで“ いる手の形のです。

そりゃそうです。
棒状や長さのある物は、手に乗っけられますか?
傘回しの芸達者でない限り、基本はできませんよね。


ワンドの棒は、情熱。
ソードの長い剣は、意志。

『ワンド』
ーーそれは、自らの“情熱“で、“棒“を取ること。

『ソード』
ーーそれは、自らの“意志“で、“剣“を取ること。

情熱も意志も、
“自発的“で“主体的”な性質なのです。

だから、これら2枚のエースは、
物事が「始まる」カードではありません。

「始まる」のではなく、「始める」カードなのです。





ところで……。
小アルカナ物語といえば、4つのシリーズですね。

『ワンド、カップ、ソード、ペンタクル』
このタロットにおける4つのスートをシリーズ化にしています。

では、
『ワンドとソード』の1番目が“掴んでいる手の形“ をしているのなら、


それならば、あと2つ、
『カップとペンタクル』の1番目はどうなんでしょうか……?

手で『ガツッ』っと、がむしゃらに掴みにいっている?
それとも、『そっと』手のひらに乗っけて、やさしく受け取っている?


ソードとワンドが
“強さと積極性“を掴むのであれば、

対する、カップやペンタクルは
“受け身とやさしさ“をあらわすのでしょうか……?

と…その解説はまた、いずれ今度に。


もし、すぐさま確認したい方は、
小アルカナ・1番目のカードを4枚を並べて、
ぜひご自身で絵を見比べてみてください。
“手がどう表現し、描かれている“か?

(※カードをお持ちでない方も、
ネット検索で「小アルカナ・エース」などと検索すると、画像が出てきますよ)






さてさて。閑話休題。
タロ子の物語へと、話を戻します。


剣を自ら掴みにいく、ソード1番目のストーリーです。

今はタロ子さんの商品開発が成功するかどうか、
この会社で見届けたいところです。

なぜって……。

ここだけの話…。
この新企画は、タロ子さんの昇進がかかっているとか、なんとか……。

え?なぜ社内のことを知っているか、ですって?

それは、カードの絵柄にも記されているからです。

改めてソード・エースの絵柄をご覧ください。

剣を握りしめる手は、“左“から伸びています。
カード・左側は過去をあらわします。


過去から積み重ねてきた
ーーつまり、これまでの仕事で得た経験値による、
知恵や判断材料があるということ。

その伸びてきた意思で剣を自ら掴んでいる、というわけですね。

では、
その剣の先は、いったいなにを貫いているでしょうか?
貫いた剣先、
それは“権力や権威を象徴する王冠“です。

まさに、強い信念の証です。

そんなわけで、ソードのエース。
掴んだペン。
それで、アイデア作りを始めたタロ子さん、でした。

そういえば、“ペン“ と聞いて、
印象的な格言に、私はこんな言葉を思い出すのです。


ーー「ペンは剣よりも強し」ーー
という言葉。

タロットでいうソードーーつまり剣は、
言葉や意志を表しています。

そうですよね〜…。
まさに、この剣というペンを握りしめたタロ子!


快挙を遂げるため、決まった覚悟です。
逆境さえも跳ね返すその強い意思で
はたして、未来を切り開き、
見事、新商品 開発は成功になるのでしょうか!?


次回、
ソード2「只今、合間でジレンマ」
です!お楽しみに。




* * * * * * 


『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜
あなたの星が実りますように。
東水みのり

(※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)
(「音楽:BGMer」http://bgmer.net

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