[タロット劇場#22]ソード(10)小アルカナ物語
東水みのり
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タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード10。
★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。
タロット劇場、はじまりはじまり。★
前回までのあらすじ。
タロ子が勤務する会社にて、立ち上がった新商品開発。
プリンを企画するためにぎった一本のペン。
決意を胸に、アイデア出しや社内コンペでしのぎを削ったあの争い。
たまにお休みもして、進んできたプロジェクト。
これまでこうして知恵を武器に、困難を乗り越えてきました。
今回は、ーー10番目のカード、ソードシリーズ、ファイナルです。
* * *
カードをご覧ください。
湖のほとり、横たわる人物に、10本もの剣が突き立てられています。
説明なんて不要なほど、見るも無惨な姿です。
そのショッキングな絵柄に思わずギョッとして、顔を伏せてしまいそうなほどに。
そして、うつ伏せに倒れている人物に刺さる剣は、赤い布ごと突き刺しています。
この赤い布は「情熱」。それが貫通しています。つまり、情熱すら残っていないようです。
一方、タロ子さんも、自宅のベッドに横たわり、その背中にも剣のような言葉が突き刺さっています。
どうやら時すでに遅し。新商品プリン開発から外されてしまったようです。
どうにもこうにも。これまでやっとこさ重たい責任を負い、身を粉にして働いたきたのに。
でも、その背負ってきた背中に打たれたのは、“終止符“でした。無情にも、グサリと。
もう心も体もボロボロです。
人はときにこのような状況を
「失敗・不運・災難」と呼ぶのでしょう。
たしかにこのカードの意味は、「涙、悲しみ、寂しさ、苦悩」など図柄からストレートに連想されるそれらです。
ウェイト=スミス版タロットの作者であるアーサー・エドワード・ウェイトも、そのように述べています。
まるで救いようもないよう敗北に感じるでしょうか。
しかしこれは同時に、長期間の苦しみからの解放をも示すのです。
なぜなら、もうプリン開発から外され、プロジェクトは終わったのですから。
足掻いても、嘆いても、もう終わったのです。
プロジェクトに関わることもできないけれど、それに伴う苦しみを味わうこともありません。
もう、次に進んでいいのです。
ソードの10。
1桁の数字から、次のナンバーへ進めるのですから。
むしろ、
1つ前のソード9でも同じような悲しみを表すカードでしたが、
しかしそこではまだ、終わることも始めることもできないでいました。
なぜなら悲しい結末が出たものの、まだ処理しきれていないからです。
つまり、9では戻ることも進むこともできない宙ぶらりんな葛藤だったのです。それも苦しいですよね。
しかし今回のソード10では、限界の到達です。
どんなに厳しい状況であろうとも、ある意味これ以上失うものはありません。
だってプロジェクトメンバーとして、もう終わったことなんですから。
終わる、ということは、次へ進める、ということです。
悪くなることはありません。
今がもしどん底ならば、もうこれ以上、底はないのですから。
それはカードの絵でも示唆されています。
空の色にご注目ください。
「限界」を表す真っ黒な空。しかしその不穏な空には、うっすらと鮮やかな黄色の光がさしています。山から朝日がのぼり始めているのです。
夜は明けようとしています。
ピリオドを打たれ、深い悲しみに打ちひしがれた、タロ子さん。
たしかに残った痛みと疲労で動揺は隠せませんが。
タロ子さん、もうどうしようもありませんか?
取り返しのつかないことなのにって、ズタズタになったり。
突き刺さった剣のように、決定的なダメージで
まだ立ち上がれそうにもありませんか?
夜明け前の空は1番暗い。
だから今が1番 黒の暗さが際立つ。
だからソードのサイクルはここでおしまい。
戦いは終わったのです。
湖のその先、黒い空は終わり、黄色い空は希望が、いつかはやってくる。
今はまだ絶望的でも、必ず未来がやってくるように。
ソード1でにぎったペンの剣が、自らの背中に還ってきたソード10。
でもペンならまたにぎったらいい。また決める時が来たら、次のサイクルで1から始めればいいのだから。
よくがんばったね、タロ子!
★ソード物語のまとめ★
思考が限界まで増えると、かえって動けなくなることもある。
「考え抜く力」もほどほどがちょうどいいのかもしれません。
* * *
ということでこの小アルカナ物語。
主人公の『タロ子』は、“一人暮らし、彼氏募集中の会社員”です。
でも、会社の新商品開発でのタロ子さん。
プリン作れなくなっちゃいましたけど……。
いったいこれからどうなるの!?
そもそも これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける物語。
ではそのために次の1番では何を始めるんでしょうか?
別の開発に参加する?
プリンじゃなくて……それとも……?
あなたなら、何かを手に入れたい時、何を始めますか?
ということで、タロット劇場は新たに、シリーズ3・ペンタクル編が開幕です!
予告はこちら「クールに思考のソードですって?けっきょく言葉や考えだけじゃ、何も手に入れられなかったじゃない!手にしたいものがあるなら、形にしてこそナンボでしょ!」です。
どうぞお楽しみに。
* * * * * *
『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜
(また次回、お耳にかかります)
あなたの星が実りますように。
東水みのり
(※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)
・東水みのりstand.fmリンク
https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933
(「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)
★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。
タロット劇場、はじまりはじまり。★
前回までのあらすじ。
タロ子が勤務する会社にて、立ち上がった新商品開発。
プリンを企画するためにぎった一本のペン。
決意を胸に、アイデア出しや社内コンペでしのぎを削ったあの争い。
たまにお休みもして、進んできたプロジェクト。
これまでこうして知恵を武器に、困難を乗り越えてきました。
今回は、ーー10番目のカード、ソードシリーズ、ファイナルです。
* * *
カードをご覧ください。
湖のほとり、横たわる人物に、10本もの剣が突き立てられています。
説明なんて不要なほど、見るも無惨な姿です。
そのショッキングな絵柄に思わずギョッとして、顔を伏せてしまいそうなほどに。
そして、うつ伏せに倒れている人物に刺さる剣は、赤い布ごと突き刺しています。
この赤い布は「情熱」。それが貫通しています。つまり、情熱すら残っていないようです。
一方、タロ子さんも、自宅のベッドに横たわり、その背中にも剣のような言葉が突き刺さっています。
どうやら時すでに遅し。新商品プリン開発から外されてしまったようです。
どうにもこうにも。これまでやっとこさ重たい責任を負い、身を粉にして働いたきたのに。
でも、その背負ってきた背中に打たれたのは、“終止符“でした。無情にも、グサリと。
もう心も体もボロボロです。
人はときにこのような状況を
「失敗・不運・災難」と呼ぶのでしょう。
たしかにこのカードの意味は、「涙、悲しみ、寂しさ、苦悩」など図柄からストレートに連想されるそれらです。
ウェイト=スミス版タロットの作者であるアーサー・エドワード・ウェイトも、そのように述べています。
まるで救いようもないよう敗北に感じるでしょうか。
しかしこれは同時に、長期間の苦しみからの解放をも示すのです。
なぜなら、もうプリン開発から外され、プロジェクトは終わったのですから。
足掻いても、嘆いても、もう終わったのです。
プロジェクトに関わることもできないけれど、それに伴う苦しみを味わうこともありません。
もう、次に進んでいいのです。
ソードの10。
1桁の数字から、次のナンバーへ進めるのですから。
むしろ、
1つ前のソード9でも同じような悲しみを表すカードでしたが、
しかしそこではまだ、終わることも始めることもできないでいました。
なぜなら悲しい結末が出たものの、まだ処理しきれていないからです。
つまり、9では戻ることも進むこともできない宙ぶらりんな葛藤だったのです。それも苦しいですよね。
しかし今回のソード10では、限界の到達です。
どんなに厳しい状況であろうとも、ある意味これ以上失うものはありません。
だってプロジェクトメンバーとして、もう終わったことなんですから。
終わる、ということは、次へ進める、ということです。
悪くなることはありません。
今がもしどん底ならば、もうこれ以上、底はないのですから。
それはカードの絵でも示唆されています。
空の色にご注目ください。
「限界」を表す真っ黒な空。しかしその不穏な空には、うっすらと鮮やかな黄色の光がさしています。山から朝日がのぼり始めているのです。
夜は明けようとしています。
ピリオドを打たれ、深い悲しみに打ちひしがれた、タロ子さん。
たしかに残った痛みと疲労で動揺は隠せませんが。
タロ子さん、もうどうしようもありませんか?
取り返しのつかないことなのにって、ズタズタになったり。
突き刺さった剣のように、決定的なダメージで
まだ立ち上がれそうにもありませんか?
夜明け前の空は1番暗い。
だから今が1番 黒の暗さが際立つ。
だからソードのサイクルはここでおしまい。
戦いは終わったのです。
湖のその先、黒い空は終わり、黄色い空は希望が、いつかはやってくる。
今はまだ絶望的でも、必ず未来がやってくるように。
ソード1でにぎったペンの剣が、自らの背中に還ってきたソード10。
でもペンならまたにぎったらいい。また決める時が来たら、次のサイクルで1から始めればいいのだから。
よくがんばったね、タロ子!
★ソード物語のまとめ★
思考が限界まで増えると、かえって動けなくなることもある。
「考え抜く力」もほどほどがちょうどいいのかもしれません。
* * *
ということでこの小アルカナ物語。
主人公の『タロ子』は、“一人暮らし、彼氏募集中の会社員”です。
でも、会社の新商品開発でのタロ子さん。
プリン作れなくなっちゃいましたけど……。
いったいこれからどうなるの!?
そもそも これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける物語。
ではそのために次の1番では何を始めるんでしょうか?
別の開発に参加する?
プリンじゃなくて……それとも……?
あなたなら、何かを手に入れたい時、何を始めますか?
ということで、タロット劇場は新たに、シリーズ3・ペンタクル編が開幕です!
予告はこちら「クールに思考のソードですって?けっきょく言葉や考えだけじゃ、何も手に入れられなかったじゃない!手にしたいものがあるなら、形にしてこそナンボでしょ!」です。
どうぞお楽しみに。
* * * * * *
『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜
(また次回、お耳にかかります)
あなたの星が実りますように。
東水みのり
(※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)
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(「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)