某所のアドベントカレンダー企画から、1年の百合を振り返る。
取り上げている作品は筆者が触れたことのあるもののみのため、取り上げられていない作品も多数ある。
なお、筆者の主観やカップリング要素が含まれている。
始めに
詳しくない方も多いと思われるので簡単に「百合」というジャンルについて説明する。
百合とは、女性同士の恋愛や友愛などの感情を主に表現したジャンルである。百合作品=恋愛ものではないことに注意されたい。また、女女と呼ばれることもある。
また、恋愛ものに限定した場合、GL(ガールズラブ)と表記されることもある。
より詳しいことが知りたい方には、下記のインタビューがオススメだ。
本記事では、2022年11月~2023年10月の期間で、主に以下に当てはまる作品について取り上げている。
・連載が開始された
・最終巻が発売された
・1巻が発売された
・アニメの放送があった
2022年11月
秋アニメもスタートとして約1か月が経ったこの時期に、急速に人気を高めている作品があった。
それが、『ぼっち・ざ・ろっく!』だ。
https://www.youtube.com/watch?v=nomJbjuQXAY
https://www.youtube.com/watch?v=kXNzx8qh2S8
『明日ちゃんのセーラー服』や『その着せ替え人形は恋をする』などの作品で注目されていた「CloverWorks」が製作を担当しており、本作でもその注目に応えている。
例として挙げられるのは、主人公・後藤ひとりの数々の奇行・妄想シーンだろう。原作のそれより発展させたものとして描いており、本作の大きな魅力だと言える。特に、#7『君の家まで』の体育祭に関する妄想シーンは必見だ。
そんな本作だが、カップリング(以下CP)において後藤ひとりの人気が非常に高い。
以下の銀糸鳥氏が行った調査でも、ランキングに掲載されている7つのCPのうち、5つに後藤ひとりが絡んでいる。
ぼ喜多、ぼ虹が圧倒的に多く、次いでリョウ虹といったイメージだったので、その間にぼリョウが入っているのは少々意外だった。
私が個人的に好きなCPは、陰キャと陽キャの対極のふたりであるぼ喜多、メインキャラ4人の中で唯一長い付き合いであるリョウ虹だ。
ぼ喜多の魅力として、作詞担当である後藤が喜多への巨大感情を歌詞として表現していることがあげられるだろう。特に『星座になれたら』は、後藤にとって憧れの存在である喜多を眩い星に、自分を暗い星として表し、実質プロポーズと言える曲として有名だ。
対してリョウ虹の魅力は他にはない独特な空気感だろう。他人に興味が薄い山田だが、虹夏にだけはかなり心を開いている。
虹夏も事あるごとに金をせびる山田に怒りながらも世話を焼いており、まんざらでもない様子だ。
4巻に収録されている話では、「これからもずっと 虹夏にスネかじらせてもらうから」と、こちらも実質的なプロポーズを行った。これに対して虹夏も「でっでも老老介護はやだからねー!」と了承の返事をしており、二人の相思相愛ぶりが伺える。特にこの回の単行本描き下ろしは必見だ。
2022年秋クールの他のアニメとしては、「萌えと暴力について」と題し、メイドたちが血で血を洗う抗争を繰り広げる架空の秋葉原を舞台にし、シリアスな笑いを繰り広げる『アキバ冥途戦争』、1話にして女性同士での結婚を示したことで話題となった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1クールなどがあった。
1巻が発売されたのは、『香原さんのふぇちのーと』など。
上記のあらすじの通り、主人公の香原(かぐはら)が女の子たちのフェチを観察し日記をつけるだけの話なのだが、圧倒的な画力とぶっとんだ表現が魅力的だ。
フェチのためなら人類の限界をも突破する香原の活躍(?)に今後も期待しよう。
小説としては『光のとこにいてね』、『死亡遊戯で飯を食う。』が発売。
過酷な運命に導かれながらも惹かれ合う、ふたりの少女たちの感動のヒューマンドラマは必見だ。
(試し読み。約3万字強)
本作は第18回MF文庫Jライトノベル新人賞《優秀賞》受賞作であり、二語十(『探偵はもう、死んでいる。』)と、竹町(『スパイ教室』)による解説も収録されている。
デスゲームの99連勝という途方もない目標に挑む主人公・幽鬼を描く本作。こう聞くと、99連勝するなら主人公に骨折や欠損といった大きな怪我を負わせることが出来ないのでは?という点が気になる方もいるだろう。
しかし、この作品は”防腐処理”という設定でこの構成の弱点を克服している。ゲームに参加するプレイヤーたちは、特殊な施術によって、血液が空気に触れるとすぐに白いもこもことした綿のようなものに変わる、というものだ。また、医療についても高度なものが提供されており、腕が飛ぶ程度なら簡単に復元できる。
この設定によって、幽鬼を含めたプレイヤーたちは、大きな怪我を負うことがあっても即死することは少なく、”主人公に大きなダメージを与えられない”という欠点を克服しているのだ。
この”防腐処理”について、作中では「人間が見るものだから、生々しくなりすぎないようにしている」と説明されている。これは作中におけるゲームの観客というだけでなく、読者に対しての言葉のようにも取ることができる。
デスゲーム作品において、死は避けられないものである。しかし、死の持つグロテスクさを排除し、まさにゲームのように表現するによって、より多くの人間に受け入れられるようにしているのだ。(スプラッター要素が強いものも別に需要はあるが)
なお、2023年には『このライトノベルがすごい!2024』新作1位を受賞した。
25日からは舞台『やがて君になる』encoreが上演。
本作は2019年に既に舞台化されているが、こちらは原作の最終巻までのエピソードを加えてリメイクした完全版ともいえるものだ。
小糸侑を河内美里、七海燈子を小泉萌香、佐伯沙弥香を礒部花凛が担当している。
運よく観劇することができたが、河内美里の小糸のドライさを表現した演技が印象に残った。
(下記は2019年版の動画)
2022年12月
12月にはパデラポッロのりおによる吸血鬼百合漫画『ご主人様には吸わせません!』が連載開始。
百合の中でも王道のひとつとも言える吸血鬼モノだが、本作の魅力は主人公・マチルダとその主人となる吸血鬼・オーガストとの関係性だろう。
行動力の高いマチルダにインドアなオーガストが引っ張られる、という構図で、超常の存在である吸血鬼側が人間に振り回されるという関係性は本作独特のテンポのよさを生んでいる。
1巻が発売された漫画としては、merryhachiの『全部君のせいだ』、スーパー女女バトル4コマである西畑けいの『きもちわるいから君がすき』、コメディでありながらもヒトとマグロ、ふたつの種族の違いを克明に描き出す、はもの『マグロちゃんは食べられたい!』などがある。
2023年1月
年が明けた1月には、鴉ぴえろによるライトノベルが原作の『転生王女と天才令嬢の魔法革命』が放送開始。
この作品は専門誌の百合姫作品以外では珍しく、主人公・アニスフィアとヒロイン・ユフィリアが明確に恋愛関係となる。
本作を皮切りに、ライトなものだけでなくハッキリと恋愛にまで踏み込んだ百合作品のアニメ化も増えていくかもしれない。
やとさき はるの短編集『私の中でいちばんに光る、貴方』も1月に発売。Twitterに掲載された『私のエトワール』は2.5万いいねを記録している。
なお、単行本には描き下ろしもあるのでそちらも必見だ。
7日からは2022年7月から放送されていたアニメ『リコリス・リコイル』の部隊が上演された。
アニメ中盤までのエピソードを舞台化しているが、そのままだと出番が少ないキャラにもスポットが当てているのに構成の上手さを感じた。
2023年2月
2月には顔が良いことだけが取り柄の先輩と、漫画家の後輩の同居生活を描いた田口囁一の『ふたりエスケープ』が完結。百合姫コミックスでの展開は終了したが、作者の同人作品として展開は続いているのでチェックするとよいだろう。
また、ネコ太郎の『限界OLさんは悪役令嬢さまに仕えたい』1巻が発売。
主人公・名鳥と悪役令嬢のラピス、そしてゲームの主人公であるダイアナの三角関係は必見だ。
ちゃおコミックスからは『黒百合ミステリー』が発売。
低年齢向けのミステリでありながらも、百合ファンにも満足できる内容となっている。
2023年3月
3月はコミックヴァルキリーから棘尾どろしーの『見えてますよ! 愛沢さん』1巻が発売。
ホラー×百合×コメディとされている本作だが、3つのどの要素もハイレベルなのが魅力だ。
愛沢は幽霊のため、言葉を発して会話することはできない。しかし、身体の動きと表情の変化で感情を巧みに表現している。これは愛沢だけにとどまらず、コミカルからシリアスまで、多くのキャラが豊かな表情を見せ、イラストだけでも非常に面白い。
2巻以降では、女性同士で恋人関係となっているキャラクターが登場するなど、話が進むごとに要素がハイレベルになっている。
単行本のカバーを外した本体の描き下ろしは必見だ。
声優の鬼頭明里が声を担当するボイスコミックも公開されているので、そちらで雰囲気を掴んでみると良いだろう。
同じくヴァルキリーコミックスから『百合ラブスレイブ ふたりだけの放課後』の最終巻となる3巻が発売。
本作は二次元ドリーム文庫より出版されている成人向けの小説作品をコミカライズしたもので、2021年にはPC用にゲーム化もされている。
漫画版、ゲーム版ともにイラストを原作と同じ鈴音れなが務めており、原作のイメージのまま楽しめるのも良い点だろう。
非常にセンシティブな作品なので、視聴には注意が必要だ。
小説からは、『海鳥東月の『でたらめ』な事情』の最終巻が発売された。
話す言葉は全て嘘という、でたらめちゃんの「自己言及のパラドックス」に隠された秘密がついに明らかになる第4巻。
1巻は2021年に発売されており、独特な文章とネジが外れたキャラクターたちで話題となった。
2023年4月
4月7日には『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第3章が劇場公開された。本作は2017年放送のTVアニメの続編で、全6章の構成となっている。
(上が劇場版OP、下がTV版OP)
本作はキャラクター原案を『キノの旅』の黒星紅白が担当しており、そのかわいらしいキャラクターデザインから日常系めいた作風と思われることがあるが、そのようなことは決してなく、むしろ真
逆である。
物語の舞台である革命により東西に分裂したロンドンは、貧富の差が激しく、明日を凌ぐ食料にも困る人々も多い。
そんな世界で主人公・アンジェはスパイとして活躍するのだが、彼女は目的のためなら実力行使も躊躇しない。
アンジェにはそうまでしてでも叶えたい願いがあるからだ。
その理由には、アンジェとまさに運命とも言える縁を持つ少女・プリンセスが関わってくるのだが、真相はぜひ本編をご覧いただきたい。
なお、他のスタッフとしてはTV版シリーズ構成を『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大河内一楼、音楽を『魔法少女まどか☆マギカ』『空の境界』の梶浦由記などがある。
梶浦の製作する楽曲は重厚かつ耳に残るサウンドで、物語の世界により深みを与えている。
また、『蝶と帝国』が連載開始。南木義隆による同名小説のコミカライズで、南木はソ連百合として話題になった『月と怪物』の著者だ。
一般小説からのコミカライズとしては他に『ピエタとトランジ』などがあるが、明確に女性同士の恋愛関係を描いているという点では珍しいといえる。
本作を皮切りに、多くの作品がメディア化していくことに期待している。
2021年の映画『ベイビーわるきゅーれ』の続編、『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』が公開。
新たな敵・神村兄弟役として丞威と濱田龍臣が参加し、スクリーンを盛り上げた。
相変わらずのコンビネーションを見せるちさととまひろにも注目だ。
このクールのアニメとしては、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2期、『江戸前エルフ』『私の百合はお仕事です!』などがあった。
上記のPVやイントロダクションを見て、少女たちのゆるふわな日常を描く作品だと思われる方もいるかもしれない。
しかし、その認識は完全に間違っている。確かに序盤の数話は朗らかな雰囲気なのだが、回が進むにつれ、キャラたちの隠していた気持ちが明らかになり、恋愛感情を巡って物語は混沌とした雰囲気に包まれていく。
余談ではあるが、筆者は2022年12月に行われた第1話最速プレミアム試写会に参加することができた。あくまで筆者の体感だが、上映会の参加者は原作ファンよりも声優を務める小倉唯のファンが多いように感じた。
上映会後にSNSに投稿された原作未読の参加者の感想を見ると、まさかドロドロの展開になるとは露知らずに日常系作品として楽しみにしているものがあり、愉悦を感じたものである。
1巻が発売されたのは、『気になってる人が男じゃなかった』『IDOL×IDOL STORY!』など。
『気になってる人が男じゃなかった』は恋愛関係に進むことが示唆されているが、『IDOL×IDOL STORY!』にも意味深な描写があり、今後の展開に期待が持てる。(実際、得能正太郎の前作『NEW GAME!』には結婚したカップルが存在している)
4月15日にプレ配信されていたスマートフォン向けアプ『Link!Like!ラブライブ!』が20日に正式サービス開始。
シリーズ初の『バーチャルスクールアイドル』として活動を開始した。
以前から百合好きに注目されていたラブライブ!シリーズだが、本作では『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』などで知られるみかみてれんがメインストーリーの執筆に関わっていることでさらに注目を集めた。
大きな特徴として、キャラクターが生配信を行うということが挙げられる。
この生配信を見ると、ストーリーだけではわからないキャラクターの好みなどを知ることができたり、ストーリーの裏話を聞くこともできる。
また、毎月1回のペースでライブ配信もしており、新曲が追加されるペースがかなり早いことも特徴だ。これはストーリーを現実の時間とあわせているため、活動期間が限られているといった点からの展開なのだろう。(現時点の最上級生は2年生だが、それでも2025年の3月には卒業してしまう)
メインストーリーは1話がおよそ1時間と、かなりボリュームがあるが、セリフごとにスキップできたり、時間が惜しいという人は下記のユニットごとにまとめられた動画を見るとよいだろう。
27日には、『エヴァーメイデン ~堕落の園の乙女たち~』がPlayStation 4とNintendo Switchの2機種で発売された。
本作は、Liar-softが2022年に発売したPC向けアドベンチャーゲームの全年齢版にあたるタイトルだ。
ジャンルは”百合ミスティックホラーADV”となっており、作中では女性同士の明確な恋愛関係が描かれる。
全年齢版では、書き下ろし新シナリオや新規CGが追加されている。
ホラーとジャンルにはあるが、ジャンプスケア(大きな音や恐ろしい画像で驚かせる演出)は多くなく、そこまでホラー要素は強くない。
体験版も配信されているので、ホラーが苦手な方はそちらをプレイしてみてから購入を検討するのがオススメだ。
28日には、読み切りが好評を博した『恋より青く』が連載開始。
淡いタッチで描かれる、繊細な感情表現に注目の作品だ。
特に9話は、普段の話と見比べてみると発見があるかもしれない。
2023年5月
5月に1巻が発売されたのは『平良深姉妹はどっちもヤんでる』『おかしなエルフと女子高生』『おかしなエルフと女子高生』『エリオと電気人形』『保健室はふたりきり』『百合にはさまる男は死ねばいい!?』など。(『百合にはさまる男は死ねばいい!?』は2巻と同時発売)
ここで『百合にはさまる男は死ねばいい!?』について少し触れる。タイトルの印象から、過激な作風だと思われる方が多い事だろう。だが、実際はそこまで刺激の強い作品ではない。タイトルについては作者の蓬餅と担当編集も相当悩んだようで、LINE漫画内で読めるおまけ漫画で語られている。
ただし、過激ではないとはいえタイトルの通り男性キャラもしっかりとストーリーに関わってくるので、苦手な方は注意が必要だ。
最終巻が発売されたのは、『狼の皮をかぶった羊姫』など。
作者の同人作品として続編やスピンオフが頒布されているので、そちらもチェックしてみるとよいだろう。
2023年6月
6月には、『ヴァンピアーズ』の最終巻となる9巻が発売された。
唇の官能的な描写が魅力的な作品だが、シリアスな中にもギャグを挟む空気感も心地よい。マンガワン、サンデーうぇぶりなどのアプリで読むことができる。
また、『同級生の推し作家に百合妄想がバレた結果』も最終巻が発売。
この作品は対話、つまりコミュニケーションを非常に重視しており、キャラクターたちが会話を通じてお互いへの理解を深めていく様子が特徴的だ。
作者の同人作品として続編、スピンオフが頒布されているのでチェックしてみるとよいだろう。
新連載としては、『フツーの恋って何?』がスタート。
1巻が発売されたのは、『ギャルとネクラの吸血関係』『シルフの花嫁』など。
23日、新作OVA『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』が劇場で公開された。
約30分という尺ながら、新曲2曲を披露し、ファンを盛り上げた。
また、同日に劇場上映シリーズが3部作として製作されることが発表。バトルアニメめいたポーズのミア・テイラーや、仁王立ちで構える天王寺璃奈が話題となった。
小説からは、絶版となっていた『幽霊列車とこんぺい糖』が新装版として発売された。
2023年7月
7月に連載が始まったのは『三角形の壊し方』『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』など。
『三角形の壊し方』はU-NEXTコミックの他、ピッコマ、LINE漫画などで読むことが出来る。単行本も発売されているが、電子書籍限定なのには注意。
『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』は小川一水による小説のコミカライズで、原作小説は現在3巻まで発売されている。
2023年夏クールは、渇きのクールであった。数多くの百合アニメが放送される秋クールに向けて、百合ファンたちは過酷な夏をわずかな供給で生き抜くことを余儀なくされたのだが、そこに恵みの雫を落とす作品が現れた。
それが、『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』だ。
本作は決して明るいストーリーではない。1話冒頭、いきなりCRYCHIC(クライシック)というバンドが崩壊同然に解散する様子を見せつけられるのだ。この出来事、およびCRYCHICというバンドが、『MyGO!!!!!』のストーリーの重要なファクターとなっている。
本作のキャラクターは、過去に失敗やトラウマを抱えていたり、コミュニケーション能力が高くないことが多い。
彼女たちは、傷つけ合いながらも、お互いを認め、迷いながらでも進もうともがく。
”迷子でもいい、迷子でも進め” ──迷うことに迷わない彼女たちの叫びをぜひ見ていただきたい。
なお、続編も製作中と発表されている。
1巻が発売されたのは『ないしょのおふたりさま。』、最終巻が発売されたのは『気をつけなよ、お姉さん。』など。
31日には『隣の席が好きな人だった 学生百合アンソロジー』が発売された。カバーイラストをネコ太郎、コミックをネコ太郎、樫風、深海紺、毒田ペパ子、甘崎水菓、とこのま、結川カズノ、宮原都が担当している。
また、主題からは少々外れるが、一般財団法人出版文化産業振興財団が主催する「マンガ感想文コンクール2023」にて、『きたない君がいちばんかわいい』が一迅社の「おすすめマンガ」として選ばれ、話題となった。
全5巻で既に完結している作品だが、作者の同人作品として作品が製作されている。センシティブな表現を含むので視聴には注意が必要だ。
2023年8月
最終巻が発売されたのは『推しVが教え子で私がママで!?』など。
1巻が発売されたのは『ぜんぶ壊して地獄で愛して』、『偽りのマリィゴールド』など。
『響け!ユーフォニアム』の新作となる特別編が公開。
2024年4月の久美子3年生編へ向けて、部長となった久美子の新たな一歩が描かれた。
主役となるのは久美子や麗奈をはじめとした2年生たちだが、優子や夏紀など、3年生たちも登場する。
余談だが、2週目・3週目の入場者特典がくみれい、なかよし川、のぞみぞといったメジャーCPが別の週に分けられており話題となった。
小説作品としては、『十戒』『獄門撫子此処ニ有リ』などが発売。
『十戒』は主人公と探偵役となる女性のシスターフッドめいた関係を楽しめるミステリーだ。
ただし、夕木春央の作品には少し癖があるので、先に同作者の『方舟』を読んで雰囲気が合うか確認することをオススメする。
本作は伝奇ものに分類される作品だが、同じく伝奇ものの『月姫』『空の境界』などで知られるTYPE-MOONの武内崇も大賞にふさわしい作品と述べており、そのクオリティの高さがうかがえる。
続刊とコミカライズも決定しているので、チェックしてみるとよいだろう。
2023年9月
最終巻が発売されたのは『はなにあらし』『君としらない夏になる』など。
本作はマンガワン、サンデーうぇぶりのアプリなどで読むこ
とが出来る。
1巻が発売されたのは『友達が私を理解らせにくるので勝利の女神の力を借りてこっちも理解らせにいきます。』など。
小説作品としては、新版として復刊した『ウは宇宙ヤバイのウ!』、『デスループ令嬢は生き残る為に両手を血に染めるようです』などが発売。
また、ツイシリで『妹・サブスクリプション』が連載開始。毎日21時にツイシリのTwitterアカウントで連載されている。
6月に読み切りが掲載された『オタクに優しいギャルに私はなる!』が連載開始。ツイ4のアカウントの他、公式サイトでまとめて読むこともできる。
2023年10月
2023年秋クールは、非常に多くの百合アニメが放送されるクールであった。
『ウマ娘』の3期、『ひきこまり吸血姫の悶々』『星屑テレパス』などが放送された。
本作の公式Twitterでは、メインキャラの一人であるヴィルヘイズが度々登場しているため、ファンは必見だ。
1巻が発売されたのは、『おしえごと 同人教師と天才ギャル』『陰キャギャルでもイキがりたい!』『妄想アカデミズム』など。
小説作品としては、『『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる』『ときときチャンネル 宇宙飲んでみた』などが発売。
『『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる』は、カクヨムなどのサイトでも更新されている。
連載が始まったのは、『清田さんは汚されたい!?』など。
8月に読み切りが掲載された『ヤンキーと双子の作り方』が連載開始。ツイ4のアカウントの他、公式サイトでまとめて読むこともできる。
終わりに
いかがだっただろうか。初めに述べたように、ここで取り上げた作品はほんの一部である。未知の百合は、読者諸氏の手で見つけていってほしい。
では、このあたりで。
12/15追記
現在、kindleにてKADOKAWA作品のセールが行われている。
『やがて君になる』や『安達としまむら』といった初心者にも読みやすい作品もセールしているので、購入してみてはいかがだろうか?
なお、下記の2作品は両方ともアニメ化されている。
参考にしたサイト