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日本酒~花酵母~
1969年、竹田正久・同科講師(当時)と塚原寅次・農学部非常勤講師(同)は麹汁培地中における清酒酵母以外の酵母の生育阻害物質を見出し、そこから東京農大短期大学部醸造学科酒類学研究室の中田久保教授が世界で初めて花の蜜から酵母を分離して誕生させたものです。
現在一般的な清酒醸造は、日本醸造協会が清酒もろみ等から分離培養したものを使用しますが、この清酒酵母の集まりやすい環境に適した花を採取し、特殊な技法で抽出分離・培養したところ、発酵能力に優れ、味・香りとも華やかでしっかりとした旨みを持った個性的な清酒を作り出す花酵母が誕生したのです。
ナデシコ、カーネーション、ヒマワリ、マリーゴールド、サクラ等の酵母がメジャーで、40種類を越える酵母が農大の研究室で保存され、そのうち16種類が実用化されています。
花酵母はイチゴやリンゴの花のように果実が実るものは、その香りが伝わることもありますが、基本的に、花酵母のもととなった花自体の香りを全面に感じることはあまりないようです。
花酵母は、その日本酒の香りや味わい、口当たりなどの個性を際立たせるための存在なので、原材料や製造方法によって、日本酒の香りや味わいは変化します。
今回いただいたのは来福酒造の純米吟醸筑西です。
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来福酒造は、筑波山麓の良水を活かして地元米を中心に作っており、東南アジアを中心に、ヨーロッパやアメリカなどにも輸出しています。
ナデシコ・ベゴニア・アベリア・シャクナゲ・月下美人・ひまわり・ツルバラ・オシロイ花の花酵母を取り入れており、上のボトルはひまわりの花酵母で作ったものです。
色々な花の酵母があって面白いので、花酵母を軸に日本酒を探してみるのも楽しいかもしれません。