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ネット粘着者や中傷者の心の「ケア」に向けて


(以下のnote記事は、私が昨日投稿しましたXポストに加筆したものです)

自民党議員の松川るい先生が、以下のブログ記事を公開され、注目を集めています。

それについて私は、以下のポストを掲載しました。

https://x.com/AtsukoHigashino/status/1884052143117865010


これに対して多くのご反応をいただきましたので、言い足りなかったことを加筆しながら、note記事にもしておきたいと思います。

【「そろそろいい加減にしよう」とみんなが思っている】

この松川先生のポストには、厳しい反応が多く見られます。
たしかに、「中傷大国ニッポン」というタイトルは、衝撃的ではありました。

しかし、「もう中傷などやめましょう」という松川先生の中核的なご主張には、皆さんが同意なさるのではないでしょうか。
SNSでの誹謗中傷を何とかしなければ…という松川先生の思いは、広く共有されていると信じています。

松川先生はブログの中で、考えられる複数の対応策を提示しておられますが、私がここで実体験に基づいて申し上げたいことは、
「加害者の実態を知った上で、彼らのケアも含めて考えていく試みが、ネット中傷や粘着を少しでも減らすために必要」
ということです。

【「ネットワーク」と「共依存」】

私の過去の被害体験から申し上げると、「刑事告訴等の法的手段も大切ですが、それだけでは根本的な解決にはならない」というのが率直な実感です。

「ネット上で敵視した相手を朝昼晩と常時監視し、粘着や嫌がらせを常習化させた人々が、その行動を変えるのはとても難しい」ことは、やられる側として日々痛感しています。

幸いなことに、昨年は複数の裁判で、相手方の刑事罪が確定したり、相手方に賠償金を命じる判決が下されたりしましたが、それでは解決にはほど遠いと痛感しました。

ネット粘着者や中傷者の多くは「ネットワーク」を構築しています。
誰かが監視を中断しても、「ネットワーク」のメンバーの誰かが、監視を継続することが出来ます。
そして「ネットワーク」の誰かが中傷を投稿すると、それにかぶせるように他のメンバーが中傷をリポストしていく。

こうした「ネットワーク」の存在により、粘着者や中傷者らは、息の長い監視と粘着を続けることが出来る一方で、その「ネットワーク」から抜けることも出来ず、「やめる」という意志を一旦持ったとしても、周囲に流される形でズルズルと続けてしまう。
「共依存」ともいうべき関係を結んでしまうようです。

【ネット粘着・中傷が生活を支配】

中傷を続けている方の投稿は、深夜、明け方、盆暮れ正月ほとんど関係なく、延々と毎日続いています。
私を中傷する方であっても、さすがに心配になることも少なくありません。

私は日々色々なことを発信しますが、私に粘着している人たちにとっては、全て自分たちへの当てつけだと錯覚されるようです。

「なぜこの人はここまで私の中傷を書き続けるのだろうか…」と疑問を持ち、その方々の他の投稿(私とは関係のない投稿)を見ると、
常に世の中への不満や他人への悪口を書き続けておられるのを目にします。
あらゆる不満の蓄積をネガティブな書き込みで解消しようとする行為が、ルーティン化しているようです。

【中傷者の家族も苦しんでいる】

私を攻撃していた人の中には、家族からの反対を押し切って続けていた人もいました。それによって家庭内不和の状態にまで陥っていたようですが、それでもやめられないことに、この問題の闇深さを感じます。

中傷者のご家族の方々から、謝罪のお手紙をいただいたこともありました。
お手紙を読み、心を打たれたのは事実ですが、私の出来る範囲で中傷と闘いたいという気持ちは消えませんでしたので、法的手段を取り下げることはありませんでした。
むしろ、一時の情に流されて有耶無耶にするのではなく、しっかりと法的な決着を付けなければ、中傷者はまた同じことを繰り返すかもしれません。私以外の誰かが攻撃されるかもしれません。
そんなことでは、ネット中傷を繰り返す人の家族も、また同じ苦しみを味わうことになるのではと考えました。

【求められる「心のケア」】

身も蓋もない結論ですが、ネット粘着や中傷問題は、容易なことでは解決しないように思われます。

しかし、どんな小さな一歩でも、なにかしら糸口を見つけ、社会全体で考えていくことが大事であると思います。

たとえば、ネット中傷をやめられなくなった人々の心理的メカニズムを分析し、彼らをケアしたり、そのような人々がこれ以上増えないような仕組みを作っていくことが、これからの社会に求められるのではないでしょうか。

そのために出来ることを考え、私なりのささやかな提言を続けていくつもりです。


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