電車を早くしたら、世界が変わった。 (140文字小説)
路面電車が揺れる。
振動に合わせて、僕のからだも揺れる。
気分を変え、今日は一本早い電車だ。
一本違えば、別世界に来たようだ。
ふと、はす向かいに座る女性が目に入った。
髪をまとめ、文庫本に目を落としている。
電車の揺れの速さを、胸の鼓動の速さが追いこした。
え?ひとめぼれ?
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