道営POG指名馬⑧クラグローリー
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主な指名理由
(1)母が牝馬として史上初の道営三冠馬であり重賞8勝、倉見牧場の至宝クラキンコです。57秒5で合格という伝説の能検からデビューし、2歳の時点でもエーデルワイス賞2着など活躍し、JRA東京競馬場にも遠征して赤松賞でアパパネと対戦しています。
(2)父ベルシャザールは、当時オープン特別だったホープフルS勝ち、日本ダービー3着など芝でも早くから活躍しましたが、ダートに矛先を向けた5歳秋には3連勝でジャパンCダート(当時は阪神競馬場で施行)を制しました。種牡馬としては、2020年の地方2歳ランキングで10位も出走回数は288回とトップで、タフでコンスタントに出走できる馬が多いのではないかと思われます。
(3)厩舎は母と同じ堂山芳則厩舎です。道営三冠馬3頭を輩出した名伯楽であり、今年の京浜盃を勝ったチサットも昨年所属していました。
(4)生産者は、わが国生産界孤高の存在である倉見牧場。母クラキンコはもちろん、北海優駿の勝ち馬である母父クラキングオー、母母クラシャトルもこちらの生産馬です。
(5)オーナーは倉見牧場の代表倉見利弘氏です。ホッカイドウ競馬が誇るクラ軍団を率いておられるので、門別デビューも間違いないと思われます。
(6)能検では母の主戦宮崎光行騎手を背に、やや立ち上がり気味のスタートも2~3番手につけ、直線軽くムチが入ったものの最後は流した感じで51秒3の4位入線でした。あまり目立たない能検でしたが、前につける脚を見せてくれたことに加え、この地味な結果はいかにも堂山厩舎らしく、ここからフレッシュチャレンジまでにどう変わってくるかが楽しみです。
(7)懸念材料として、母の実績に比して兄姉の競走成績がやや残念、というか晩成気味なところが挙げられ、POGという点で、本馬に過大な期待するのもどうかとも考えることができます。これは、500kg前後の馬体を誇ったクラキンコに比べてその仔たちは400kgあるかないかの小柄な馬たちが多く、パワー不足であったことも理由ではないかと思われます。現役時代のライバルで何度も激突したショウリダバンザイがマカベウスを出し、晩年にノースクイーンCで下したシャイニングサヤカがソイカウボーイを出したのを見ると、クラキンコの仔にも頑張ってほしいと思います。
(8)とはいえ、本馬は前年にもベルシャザールを種付けしたものの、不受胎だったので1年空胎となった翌年の仔であり4番仔でして、クラキンコもようやく繁殖牝馬としての身体ができてきているのではとも考えられます。クラキンコの引退式に届いた祝電に「これからは母として次のレースで夢を見せてほしい」とありましたが、母としてのレースのゲートインの態勢が整いつつあるのではと感じます。
(9)加えて、これまで種付けされてきた種牡馬たちと比べ、父ベルシャザールは種牡馬としての実績が他馬より期待できそうです(門別競馬場のダートを主戦場にするという意味で)。現役時代540kg前後の雄大な馬体を誇った点から、馬格の足りないクラキンコの仔の欠点を補うことが期待できそうです。
(10)で、能検時の馬体重は476kgと同じ組の中でもっとも重いということになりました。クラキンコの仔でこれだけの馬格の馬は初めてですので、期待が膨らみます。
(11)以上のことから、クラキンコの仔として初めて道営POGで指名することにしました。