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紫の蜃気楼・田中摩美々のG.R.A.Dシナリオ解読

遂にアンティーカにもG.R.A.Dシナリオが追加されましたね。個人的に摩美々のシナリオがとても刺さりました。
しかし読み返している内にこれはある限定pSSRのTRUEを見ていないと本質には迫れないのではないかと気づきました
なのでそのカードの紹介をして、それを軸に摩美々のG.R.A.Dシナリオを追いながら紐解いていこうと思います。

田中摩美々という少女

摩美々のプロフィールは以下の通り。紫の髪が特徴的な18歳です。趣味が放浪と人をからかうなのも印象的ですね。

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W.I.N.G編〜その隠された心〜

摩美々は街中でスカウトをしているプロデューサー(以下P)の前に現れます。夜の繁華街を出歩く女子高生、一見すると不良のような彼女にPは臆せずスカウトしそして早く帰るよう注意を促します。その熱意のおかげか摩美々は事務所に姿を現しアイドルとしての道をスタートします。
最初こそ意識の低かった彼女ですが、仕事をこなすうちに次第にアイドルについてしっかり考えるようになります。
そして最終的にPに心を開き新たな一歩を踏み出します。

【パープル・ミラージュ】

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この限定pSSRカード巷では「必修」とまで呼ばれています。その理由はTRUEコミュに摩美々が髪を染めたいきさつが描かれているからです。
前半のMMMirage,MISTY GIRLの2つのコミュでは雑誌の撮影にのぞむストーリーが展開されます。Pからその話を聞いている時に摩美々がつけているネイルの名前がパープル・ミラージュ。
後半のサムシング・レッド・ホット、ウ・ラ・ハ・ラ・ブルーではPと摩美々の関係性が深掘りされます。
そしてTRUEコミュがPURPLE。自分のことを透明だと思った中学生時代の摩美々は髪を染めます。「赤よりも青く、青よりも赤く誰にも捕まらない複雑なパープル」へ。しかし彼女の母親はそれを意に介しません。それを受けて自分は何色なのかと自問自答するのです。それからのPとの出会いが摩美々を変えます。

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G.R.A.D編〜変わりゆくその心〜

1.ミス・ミスティー・ガール
チョコレートケーキが好き、人ごみが嫌い、ファッションが好き きっと誰かに見つけてもらうための目印になるから、めんどーなことが嫌い 目的地には最短距離で行きたい、アイドルの仕事がー
題名のMISTYは【パープル・ミラージュ】のコミュ名でも出てきた摩美々を象徴する言葉です。棚を漁って収穫が無くその後アイドルのCDを見つけたのはこれから先に新しいものを見つけられない状況の中でアイドルの答えを見つける比喩、つまり今回のストーリーのあらましをなぞったコミュといえるでしょう。

2.What's going on?
What's going on?は状況確認や問いかけの意味で使われます。今回は雑誌社からのオファー、ファンからの反響、そしてPから摩美々へ確認の意味で使われます。摩美々の返答は「望むところ」です。これを受けて奮起するPの姿も摩美々からのWhat's going on?の返答と言えるのではないでしょうか。
ここで出てくる雑誌はおそらく【パープル・ミラージュ】の時の雑誌でしょう。

3.化けの皮 3,2,1
アイドルはキャッチコピーを言うことでその属性を自分に付与してるといえるのではないでしょうか。そんな化けの皮についてのコミュ。摩美々は自分のアイドルとしての行動を思い起こします。「……ダンス、バラエティ、モデル、歌……」そしてPから言われた3つのことを思い出します。
・他のアイドルとの比較。
・摩美々のアイドルに対する思い。
・摩美々がどうしたいか。
そして出た結論が「そんなの…………わかんないですよ」
3,2,1で摩美々の化けの皮は剥がれてしまいました。

4.透明色だった、みたいに
雑誌社に持ち込んだ1週間コーデだったが想定の範囲内、前回とは違ったものを作りたいと再検討をお願いされてしまう。帰りにショップに寄った摩美々だが収穫はなく、頑張るとは自分にとってアイドルとはといった問題に直面してしまいめんどくさいと思ってしまう。不穏なモノローグで幕を閉じる。
このコミュでは摩美々は否定はされていない。しかしきっと誰かに見つけてもらうための目印になるはずと信じたファッションがスタッフとショップ店員に変わってないと言われてしまう。そう、髪を染めた時に母親に気づかれなかった時の様に。それは摩美々にとってとてもショックな出来事でしょう。結果摩美々はめんどくさいと投げ出しくなってしまう。Pと出会う以前の彼女の様に。

5.ザ・グレイテスト・エスケイプ
街中でサボっている摩美々を見つけたPに彼女は散歩を提案する。その途中で摩美々はアイドルの仕事が面白いという気持ちと目の前に色んなことが積み重なってめんどくさいという気持ちを天秤にかけたが答えはわからなくて足が止まっていると吐露する。
一見するともう投げ出しているように思える摩美々にPは問いかける。「摩美々はどうしたい?」と。それに摩美々は初めてのブランドで買ったブルゾンでコーディネートを組んでみたいと答える。そしてまた新しく2人は踏み出します。
コミュ名はおそらく映画The Great Escape(邦題:大脱走)のもじりでしょう。グレイテストなのはこの脱走が幸せな終わり方をするからかな。
いつものメロンソーダの代わりに飲んだコーヒーが苦いのは仕事をサボった罪悪感の比喩でしょう。いつものとこで買った新商品ではなく初めてのブランドなのは髪を染めた時の様に新しいことに挑戦したことを表す。
アイドルが立ち止まった時に背中を押すのがPの役目だがそれが如実に出ているコミュ。

6.SUKI・YAKI
チョコレートケーキが好き、人ごみが嫌い、ファッションが好き きっと誰かに見つけてもらうための目印になるから、めんどーなことが嫌い……まぁ、めんどーを超えた先で何かを得られることもあるケド、アイドルの仕事がー
『スキヤキ』
寄り道を悪くないと思える様になった摩美々。この先どこかの打ち上げですき焼きを食べたい、つまりアイドルを続けるつもりがある摩美々。成長が感じられるエンディングですね。

最後に

摩美々は今まで無気力、いたずらっ子などどこか掴めないキャラクターとして演出されてきたが今回のG.R.A.D編ではその内面にしっかり切り込んだストーリーが展開されました。
自分が特に刺さったのは色々なことが積み重なってめんどくさくなって足が止まってしまう箇所。自分もそういうところがあって投げ出してしまいたくなる時がよくあるのですが、今回の摩美々のように「どうしたい?」と立ち返ればいいんだと気づきを得ました。
アイドルとして成長した摩美々が次に壁にぶつかるとしたら家族との付き合いでしょう。そこにフォーカスが当たった新しいシナリオを読んでみたいですね。
これからさらに前に進んでいく彼女の行き先が楽しみです。
最後に一言、
ーなんでパープル・ミラージュ限定なんだ。

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