オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム
前段
オードリーANNとの出会い
私は中学2年生の時にTHE MANZAIを準優勝したHi-Hiがラジオを始めるのを知ったのをきっかけにラジオを本格的に聞くようになった。その後、iPod nanoを購入してからは、兄が持っていたラジカセでラジオを録音して、PC経由でiPod nanoに音源を入れて、勉強中に聞いていた。Hi-HiやJUNKのポッドキャストをメインで聞いていた。おそらくHi-Hi経由でオードリーANNの存在を知り、聴き始めた。
個人的な感覚として、その時の深夜の芸人ラジオは冴えない男達の味方をしていた。大学生のサークルやハロウィンで騒いでいるような陽キャを小馬鹿にするような内容が多かった印象。例に漏れず、私も陽キャいじりに影響され、人の嫌なところを探すことに心酔していた。オードリーANNでも陽キャいじりをしていた記憶がある。僕は完全にオードリーの若林さんの信者になっていた。
しかしある時、若林さんがラジオ内で「批判することに疲れた」とおっしゃった。その時のエピソードは、いつものようにビックスモールンのゴンさんを腐すのかと思っていたが、真逆の内容だった。私は「批判することに疲れた」という言葉に衝撃を受けた。正直、「あなたがディスりをしてたから真似してたのに!? やめんのかよ!?」と。でもそれと同時に「その考えって古いんだ…」と気づいた。その時から、意識的に人の嫌なところを探すのはやめた。考え方の転換をオードリーANNは与えてくれた。※もちろん、笑いもいただいていたが。
オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー in日本武道館
オードリーANNの武道館に応募し、見事当選。兄と二人で見に行った。武道館で、音楽ではなく笑いを届けようとするオードリーさんのお二人がめちゃくちゃカッコよかった。若林さん・春日さんのトークの両方から家族愛を感じました。ひろしのコーナーではオードリーさんの仲の良さ、お二人のコーナーでは若林さん・春日さんのスター性を浴びた。お二人の漫才はただただふざけていて、それが最強で最高の漫才だった。漫才を見ている間、私も含めて観客は本当にオードリーさんが好きで、オードリーさんがただ楽しそうにしてるのが好きなんだなと、関係者でもないのに感動した。
この時、私は大学3年生で就活を意識し始める時期。この武道館公演を見て、自分は仕事で笑いと感動も届けられるようなことをしたいと心に決めた。
『ナナメの夕暮れ』と『だが、情熱はある』
就活に失敗した私は一般的なIT企業に就職し、縁もゆかりもない仙台で法人営業の仕事をしていた。どんな仕事も3ヶ月もやれば向き不向きなんてすぐわかるもの。「この仕事向いてないな…。というか何のために働いているかわからないな…。」こういった考えはただの甘え。自分が仕事したくないから、その言い訳をモチベーションのせいにしてしまう、典型的なダメ人間だった。でもやっぱりどこかで「お笑い」に関わる仕事がしたかったと後悔していた。
平日は仕事をして休日は一人でダラダラ過ごす生活。インスタグラムを開くと大学の同期が友人たちと遊んでいる様子をストーリーに上げていて強く眩しく見えた。そのキラキラは私の胸に強く突き刺さった。無意識に自分と同期を比べてしまっていた。比べても意味がないのに。そんな中『日向坂で会いましょう』で小坂菜緒さんが若林さんの『ナナメの夕暮れ』を読んだというエピソードを話していて、私もAmazonで買って読み始めた。この本の中で若林さんはお父様が亡くなられた経緯を語りつつ「会いたい人に会う人生にしたい」という考えになったと。その考えに私はハッとさせられた。私はいつも自分の周りのことばかり考えて行動をしていた。もっとワガママに自分がやりたいことをして、それでもついてきてくれる人達と会って、生きていこうと決めた。
こういった考えの変化もあって「このままこの仕事をして死ぬのは嫌だ!!後悔したくない!!!!」と思い、私は思い切って仕事を辞めて、芸人を目指すことに決めた。2022年の年末に家族に宣言をして、2023年の年始に会社の上司に報告をして、退社までの引き継ぎ作業をしている中、『だが、情熱はある』の発表が行われた。「自身の人生がドラマ化されちゃうって、若林さんはどこまでいっちゃうんだよ…。夢を与えすぎだろ…。」と思ってしまった。
そのドラマ化の衝撃の後、『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』は発表された。心配性の私は「俺は絶対行くけど、埋まるのか…?」と正直思った。オードリーANNが聴取率1位であり不動の人気があることは知っているが、武道館が当たっていた身からすると、武道館とは比にならない規模の東京ドームはちゃんと埋まるのか、ただのリスナーとして不安だった。
話が逸れたが『だが、情熱はある』を最初観る気が全く起きなかった。これを見たら、NSC内の立ち振る舞いや活動がこのドラマに影響されてしまうと思ったから。しかしNSC内で『だが、情熱はある』のエキストラ募集があり、応募したら見事に当選。当選したからには自分が映る姿を見たいので、結局全話振り返り始めることに。見始めたら止まらない止まらない。ラジオで聴いていたシーンがたくさん出てきて感動した。個人的にはオードリーさんがおもしろ荘に初出演した様子も描いて欲しかったと、オードリー・ナインティナインファンとして思った(笑)オードリーさんがおもしろ荘に出てM-1敗者復活から勝ち上がるまでに8~9年かかってると思うと、私も8~9年は我慢するべきだろうと思えた。逆に10年を超えて売れてなかったらメンタルしんどいだろうなと、未来の自分が不安になった。
東京ドームチケット
友人とディズニーに行く時に、東京ドーム宣伝Tシャツと武道館公演の時に購入したトートバックを持っていき、徳を積んだ上でチケットの一次抽選に申し込み。
一次抽選、落選。
絶望オブ絶望。オードリーANNの大ファンの大学の先輩に連絡したところ、先輩も落選していたので、今回は人数把握するために多めに落としたんだと自己暗示して二次抽選に応募。
二次抽選、落選。
この時に既に「東京ドームちゃんと埋まっちゃうじゃん…」と気づいた。もうダメだろうなと思いつつ三次抽選も応募。
三次抽選、落選。
四次抽選も落選。
本当に終わったと思った。
長年オードリーさんを応援してるし、ラジオだけじゃなくテレビも見てるし。ただのミーハーじゃないし。「なんで落ちるんだよ!!」と一人で怒り、現場に行けないという虚しさから東京ドーム公演への熱が少しずつ冷めていった。冷めた気持ちと共に、オードリーANNは狭いコミュニティではなくなり大衆コンテンツになったんだと、誇らしい気持ちと寂しい気持ちが降ってきた。
もちろん先着チケットは重すぎて取れず。(先着チケットって、どうやったら取れるの!? 私が情弱なだけ!?)ほぼ心が折れかけている状況でライブビューイングに応募。見事、新宿のピカデリーが当選したのですが第一希望の池袋の映画館が外れているのに気づき「オードリーさんの人気は私の予想のはるか上をいってるな」と痛感した。
一縷の望みに賭けてリセールにチャレンジ。しかし何度も失敗。クレカの裏の番号を入力するまではうまくいくが、その後に「リセールに申込できませんでした」の表示。仕事終わりのリセールを狙って、平日の夜にサイトを更新しまくるも取れず、公演前日の土曜日になってしまった。その日はもう諦めていたが、前日の方がリセールが多いと踏んで、午前中からサイト更新祭り。するとスタンド席のリセール表示。小慣れた手つきでクレカ入力まで進み、完了ボタンを押して、あとは神頼み。すると「購入完了」の表示。つい「よっしゃい!」と声が出てしまいました。すぐにライブビューイングをリセールに出し、タンスに眠っていた東京ドーム宣伝Tシャツを取り出して明日の準備を進めた。
オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム
入場
2024年2月18日(日曜日)当日。
水道橋に着くとスゴい人の量。仕方なくついて行ってるちょい不機嫌な女性とめちゃウキウキしている男性のカップルも東京ドームに向かっており「オードリーANN」は一つのファッションでもあるなと思えた。(いい意味で)東京ドーム周辺に着くとたくさんののぼり!「こりゃ写真撮りたくなるわ…」と思い、私も例に漏れず激写。
席に着いたらめちゃくちゃ当たりの席だった。ステージ全体が見下ろせる。興奮しすぎて右隣の知らない人に「めっちゃいい席ですね!」と声をかけてしまった。軽く返事をいただいたが、絶対引かれてた。それ以降一切声かけれなかったし。
開演
開演直前に流れていたのがオードリーANN in 武道館のテーマソング『よふかしのうた』エモさを感じて鳥肌が立った。「Creepy Nutsも忘れてないぞ!」と勝手にメッセージを受け取った気になった。
OP映像と共に星野源さんの『おともだち』が流れた。正直、反響のせいか、音ズレ?していて音が聞こえにくかったが、スタンド席だからしょうがないと思えた。しばらくしたら直ったのでよかった。ぜひ円盤化してもらって振り返りたいところ。
『フィールドオブドリームス』のパロディ映像で若林さん『メジャーリーグ』のパロディ映像で春日さんがそれぞれ登場。映画を見たことなかったが何故だが知っていた。映画見ないと。
若林さんが自転車で東京ドームを爆走して一周する姿。かっこよすぎた。やめてほしい。自転車欲しくなっちゃうよ。YouTubeでも散々やってたし。
二人が揃った後に若林さんの「ラジオやります」の宣言。5万超の人数を前にして堂々と言い放ったのはカッコよかった。というかそれを見たくて5万人が集まったわけだし。武道館と変わらないスタイルだったので、オードリーANNチームへの信頼感が増した。
https://open.spotify.com/intl-ja/track/1j6Agt1Sn2DjQ0NA33J3r2?si=bab5b6b2cc6245bf
若林さんのトーク
東京ドームでどんな話をするのか気になっていた。家族の話とか、規模のデカい話をするのか。ワクワクしていたら、トーク内容はUberEatsを始めて色々葛藤しているという話だった。最高かよ。東京ドームで5万超の人を集めて、Uberの話。その度胸がすごいし、本当にいつも通りのラジオだった。カッコいいな。ちゃんと内容も面白いし。若林さん自身が悩んで行動する話ってなんで面白く聞こえるんだろう。若林さんが試行錯誤してチップを貰えた時に観客から拍手をもらっていた。いつのまにかリスナーが若林さん自身となって気持ちがのっていくのだろう。ちゃんと若林さんのトークを研究すべきだな。15年喋り続けてるわけだし…。
春日さんのトーク
春日さんもクミさんとかお子さんといった家族に話かと思ったら、若林さんと昔食べた長楽(中華屋)のポークライスの話。長期間かけて長楽のポークライスを再現しようとしていたようなので、春日さんがトークのために色々準備してくるんだと思い、なんだか感動してしまった。もちろんトーク内容も面白いんだが、二人が楽しそうに話してるだけで最高なんだよな。※痛ファンの自覚はちょっとあります。
ひろしのコーナー
春日さんが自分が購入したゲレンデを縄で引っ張って駐車させるのを若林さんが邪魔するコーナー。これから行われることも結末も予想できたが、めちゃくちゃ面白かったし楽しかった。若林さんが車にモノを投げつけて春日さんがどうにか防ぐ。春日さんがゲレンデを高値で売るために土足厳禁にしているエピソードがフリにもなってる。今の時代だったら春日さんが可哀想に見えるんだろうけど、全くそんな風には見えなかった。あの空間がリスナーしかいなかったからなのだろうか。
最後に若林さんが自転車で助走をつけて車に当たるかと思いきや、春日さんにちょっとしたゲンコツをするオチ。春日さんのツッコミの言葉は忘れてしまったが、春日さんの強いツッコミがめっちゃ好きだったな。安心感と同時に、春日さんの感情の昂りに対して笑いが止まらなかった。コーナー終わりでドーム内が真っ暗になるも、撤収中のゲレンデのライトだけ点灯してる様をリスナーで見守る時間もなんだかよかった。みんな優しく見守ってる感じが(笑)
春日さんのコーナー
春日さんの「煮卵は嗜好品」発言から、春日さんvsフワちゃん(クミさんの代理)のプロレス。春日さんは言うまでもないが、フワちゃんのスター性がエグかった。めっちゃ可愛く見えたし。発作が出てるフワちゃんも好きだけど、真剣な眼差しの時のフワちゃんも好きだなと思えた。フワちゃんRemixも良い!
プロレスオマージュネタが多かったがわからないものが多かった…。有田プロレスで復習しないと…!
https://x.com/fuwa_chan_ann0/status/1759941760422126010?s=20
若林さんのコーナー
DJブースがせり上がってきた時にCreepy Nutsが出てくると思った。「でも東京ドームに初めて出るのは自分たちの公演がいいよな…」とふと思ったら、まさかの若林さんがブースに立った。とにかく楽しそうだった(笑)その場でやっていることだからタイミングとかは難しそうだったけど、取り上げられていたワードはリスナー向けだったし、十分楽しめた。
星野源さんと共作?した『Orange (feat. MC. waka)』が流れ始めた時に「もしや…」と思ったら、星野源さんが登場。ドームに来るゲストとしたら星野源さんと思っていたけど、実際登場するとスゴく心が打たれた。Orangeを歌った後に二人のトークが始まった。春日さんがトークしていた長楽に星野源さんも行っていたとのこと。二人が出会うべくして出会った感じが感動的だし羨ましいと感じた。今後二人が忙しくて会うのが難しくなっても、どこか繋がっているような感じがすると思えた。LIGHT HOUSEでもそうだったが若林さんが星野源さんに相談する感じ、めちゃくちゃ羨ましいな。星野源さんはきちんと話を最後まで聞いて、星野源さんなりの解釈・答えを出してくれる。いつか私も星野源さんとランチに行っていろんな話を聞いてもらいたい…!でも、それは「好きの搾取」か…。
言わずもがなトークの後のPop Virusは最高だった。星野源さんの「立とう!」とか、やはりドーム規模での観客の盛り上げ方を知っている…!かっちょ良いぜ!
死んでもやめんじゃねえぞ
カラテカ矢部さんが宙に浮いてくネタ、最高でした。
クソくだらないコーナーなのに、あの音楽が流れると感傷的になるのは不思議だな。「死んやめ」の最終回があったら、絶対泣いちゃうだろうな。
漫才
武道館の時も思ったが、38マイクがせり上がってきて出囃子のAnalogfishの『SHOWがはじまるよ』が流れ始め、曲に合わせて照明が変わるのが、最高にカッコよくて、鳥肌が立つ。痺れた演出をカマした後に、究極に馬鹿げたことをするっていうのも最高。
最初は「コナンのOPをやってみる」ラジオでもやっていたくだりだったため、一部リスナーがフリの段階でクスクスしていた。それに若林さんが「○すぞ!」と叫ぶ。東京ドーム公演の中で一番の内輪ネタの瞬間だったと思う。ラジオを聴いていた自分に感謝した。その後は「感謝の気持ちを尻から出す」というファンタジーな流れに。このふざけた設定に真剣に望もうとするも途中で笑ってしまったり、ミスったりしてる様が、「この二人は何をしてるんだ?笑」という馬鹿馬鹿しさに繋がり、めちゃくちゃ面白かった。千鳥さんの漫才みたいに二人が戯れてる・ふざけ合ってるだけで面白く感じるのは最強だよなと思えた。そこまで観客がオードリーの関係性を理解して入り込めるということなんだろうなと。
https://open.spotify.com/intl-ja/track/7MxEqYd268ELFhwX5yk1bZ?si=78bc1f400eb64827
帰り道
エンディングで写真が撮れてよかった。現地に行けた証拠を掴めた。
帰り道、水道橋駅から帰れたのだが、上がったテンションを落ち着かせるためにも水道橋から高田馬場まで歩いた。歩いている間にオードリーさんにまつわる曲をSpotifyで聞いていたら、逆にテンションが上がってしまった。早稲田に着いた時に、オードリーさんのグッズを着ている人を見かけた時もテンションが上がった。その日中にオールナイトニッポンJAMを再契約してオードリーANNの過去回を振り返っている。
終わりに
東京ドーム公演の内容より前段の内容が多くなってしまったのは反省…。でも自分の思い出とリンクさせるとなるとそうなってしまう。オードリーANNをきっかけに『Creepy Nuts』も『日向坂46』も『星野源』も好きになった。逆にCreepy Nutsファンも日向坂46ファンも星野源ファンも巻き込めたことが東京ドーム公演の成功の一因だと思う。5周年の時はショーパブ芸人、10周年はCreepy Nuts、15周年は星野源。20周年の時までにどういったモノに出会わせてくれるのかとても楽しみです。もちろん毎週のトークも楽しみです。
※ナインティナインANNも東京ドームじゃなくても武道館とかでラジオ主体のイベントやってくれ〜
最近ハマったモノ
星野源『おともだち』
https://open.spotify.com/intl-ja/track/68BmFo8k9wtaAXgQjRt51s?si=64434eae76474916