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経済サスペンスとして発表された本作は時代を経てSFとなった。マイクル・クライトン『ライジング・サン』を読んで



『ライジング・サン』
マイクル・クライトン

 日本企業ナカモトの超高層ビルの落成パーティーの最中、会場の真上の階で一人の女性モデルが殺害された。地元のピーター・スミス警部補は、日本通のセンパイ警部ジョン・コナーとともに捜査を開始するが、ナカモトの関係者による妨害工作に直面する。二人は現場を撮影したビデオテープを巡って次々と起こる悲惨な事件を追っているうち、半導体製造装置の供給源を巡る日米の経済戦争へと巻き込まれていく。

 他に読みたい本が多くて、後回しにするつもりだったけど、少し手に取ってみたらおもしろくて、予定より早く読み終わってしまった。
 過去の評価の中には、「日本への偏見が根強い」との批判も見られたのでどんなもんかと思いきや。当時の日米経済摩擦や半導体業界関係者の著作に少し目を通してからこれを読むと、当時のアメリカの日本に対する恐怖や畏怖の念が、案外リアルに伝わってくるからおもしろい。

 科学に対する独自の観念で知られる著者だけど、日本に対する見方も独自色が強く、深く同意できるものもあればそうでないものもある。おもしろいのは、著者がアメリカに鳴らしていた警鐘の幾つかは、いま読むとむしろ、日本に当てはまるようなものが

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