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プログラム考察「藤本竜希」選手公開【Rising Strength(日本記録プログラム)】
当記事は2021年7月現在、ベンチプレス日本最高重量380.5kgを誇る「藤本竜希」選手が公開している【Rising Strength(日本記録プログラム)】のプログラム考察記事となります。
※2021年7月9日、「4.プログラムを実施する上で必ず守ること」を追記
プログラム購入後すぐということで私自身はまだプログラムを試せていませんが、内容を確認させていただき非常に興味深いプログラムだったということで、当記事を投稿させていただきました。
あくまで私個人の主観によるプログラム考察ということで、プログラムの概要とその特徴についてまとめています。
「興味はあるけど購入するかどうか悩んでいる」という方に是非ともご覧いただきたいと思っています。
1.プログラム公開先
noteおよびSTORESからプログラムを購入できるようです。
STORESの方が価格が安くなっているのでSTORESでの購入がオススメです。
2.プログラム概要
①RPEペースのプログラムで強度とボリュームを管理
②『Conjugate Method』を取り入れている
③ベンチプレス主体のプログラム
④常識的なトレーニング強度&ボリューム
⑤通常プログラム比較で1レップスのトレーニング頻度が高い
⑥「頻度=4日/週」「4週間×4ブロック」構成の16週間のプログラム
⑦これまで日本国内で公開されていないプログラム構成
⑧万人が実施しやすい内容
3.プログラム概要説明
プログラム内容の詳細についてはここでは触れませんが、ある程度プログラム内容をイメージできるようプログラム概要について簡単にだけ説明させていただきます。
①RPEペースのプログラムで強度とボリュームを管理
トレーニングに関する多くの知識を有し、また海外のトップ選手とも交流のある藤本選手が公開しているプログラムということを考えるとある意味当然といったところですが、RPEを活用したトレーニング強度・ボリューム管理を行ったプログラムとなっています。
②『Conjugate Method』を取り入れている
『Conjugate Method』については、以前に藤本選手がプログラム考察ということでその概要をまとめていましたので、そちらをご確認ください。
③ベンチプレス主体のプログラム
『Conjugate Method』では1RM強化のための様々なトレーニングを実施することになるのですが、藤本選手のプログラムは通常のベンチプレスをベースにしつつ、ナローベンチや足上げベンチといった通常のベンチプレスにアレンジを加えた種目、比較的ベーシックな実施しやすいトレーニング種目で構成されています。
実施にあたり特別なマシン等の必要のない、ベンチプレスが出来る環境さえあれば誰でも実施できるプログラムとなっています。
④常識的なトレーニング強度&ボリューム
藤本選手はベンチプレッサーではありますが、いわゆるガチ系のベンチプレッサーが推奨?する、通常では考えられないトレーニング強度やトレーニングボリュームのプログラムではなく、至って常識的なトレーニング強度&ボリュームのプログラムのため、ベンチプレッサーはもちろんトータルでのトレーニング内容を考慮しないといけないパワーリフターでも実施しやすい内容になっていると思います。
⑤1RMの強化・試合形式の記録向上に繋がりやすいプログラム構成
国内外を問わず公開されているプログラムの大きな問題点となる「1レップス主体のトレーニングが不足または皆無」=「1RM(試合形式)の強化に直結するトレーニングが不足しがち」=「計算上の1RM(e1RM)が伸びても実際の1RMの向上につながらない」という問題を解決するため、あらかじめ1レップスのトレーニングの実施日が設定されたプログラムになっています。
また、1レップスのトレーニングを取り入れているものの、基本的には強度の高い無理な重量での1レップスではなく、実施しやすい強度での1レップスのトレーニングを主体にしているのが特徴といえます。
⑥「頻度=4日/週」「4週間×4ブロック」構成の16週間のプログラム
『Conjugate Method』+実施しやすい1レップスのトレーニングを取り入れたベンチプレス主体のトレーニングを基本的に1週間のうち4日行い、週単位で全体の強度を上げていく。そしてそのトレーニングの1ブロックを4週間で構成し、それを4ブロック実施する16週間のプログラムになっています。
⑦これまで日本国内で公開されていないプログラム構成
『Conjugate Method』を取り入れたプログラムということである程度想像が付く人もいるかもしれませんが、先に書いた内容とあえてここでは具体的に書かないプログラムの肝となる部分が融合し、これまで日本国内で公開されているプログラムにはない特徴的なプログラム構成となっています。
半分ネタばらしになっていますが、端的に言うと「刺激の変化に重点を置いたこれまでにないプログラム」といったところでしょうか。
⑧万人が実施しやすい内容
非常によく考えられたこれまでにない特徴的なプログラムであると同時に、先に書いたようなことからトータルでみて良い意味でベンチプレッサーらしからぬ万人が実施しやすいプログラムになっていると思います。
4.プログラムを実施する上で必ず守ること
プログラム購入時に付属するテキストに注意事項が記載されていますが、その注意事項をよく読まずにプログラムを実施したり、またRPEに馴染みのない方であればその注意事項の意味自体がよく分からないということもあると思います。
これは藤本選手のプログラムに限ったことではありませんが、注意事項を守らずプログラムを実施するとなるとほぼ確実に適切な効果が得られないため、プログラムを実施する際は必ず以下のことを守る必要があります。
・今現在の1RMを入力する
プログラム・ファイルに1RMを入力することで実施する各トレーニングごとの重量が表示されるようになっていますが、ここで入力するのは「今現在の1RM」となります。間違って「過去最高の1RM」を入力すると現在の実力に適さない重すぎる重量が表示されるため、必ず「今現在の1RM」を入力する必要があります。
また、プログラムで設定されたトレーニングフォームでこれまでトレーニングを実施したことがない場合などは「今現在の1RM」自体が分からないこともあると思います。その場合は推定で確実に挙上できる1RMかそれよりも若干だけ少なく見積もった1RM(5~10kgマイナス)を入力した方がプログラムを上手く進めやすくなります。
・表示された重量のまま実施しない
プログラム・ファイルに1RMを入力することで実施する各トレーニングごとの重量が表示されるわけですが、ここで表示される重量はあくまで『参考重量』になります。
この『参考重量』は「入力した1RM」「レップ数」「RPE」+藤本選手が設定した伸び率から算出されているため『参考重量』通りの重量でトレーニングを実施すると、うまく行かないという人も多いと思います。
表示された『参考重量』でトレーニングを行うのではなく、必ず自身に適した重量でトレーニングを行う必要があります。※自身に適した重量は次項で説明
・設定RPEで実施できる重量でトレーニングを行う
藤本選手のプログラムは一般的に広まっている1RMに対する%から算出される重量設定でトレーニングを行うプログラムではなく、RPEベースで算出される重量設定でトレーニングを行うプログラムとなっています。
1RMに対する%から算出される重量設定でトレーニングを行うプログラムであれば基本的には設定された重量でトレーニングを行うことになるのですが、RPEベースで算出される重量設定でトレーニングを行うプログラムではその時々の調子に合わせた重量でトレーニングを行うことになります。
例えば、参考重量150kg×5レップス×3セット×@RPE8.0といったトレーニング内容の場合に今現在の調子(実力)で150kg×5レップスをRPE8.0で挙上することができないのであれば5レップスをRPE8.0以下で挙上できる重量に変更する、例えば145kg等に重量を下げてトレーニングを行う必要があります。
また、全セットを1セット目に設定した重量でレーニングを行うわけではなく、セット毎の疲労を考えながら出来る限り設定されたRPE8.0に収まるように重量を下げながらトレーニングを行うことになります。
【トレーニング参考例】
参考重量=150kg セット数=5セット レップ数=5レップス RPE=8.0
1セット目・・・145kg×5レップス×@RPE7.5
2セット目・・・145kg×5レップス×@RPE8.5
3セット目・・・142.5kg×5レップス×@RPE8.0
4セット目・・・137.5kg×5レップス×@RPE7.5
5セット目・・・137.5kg×5レップス×@RPE8.0
5.もしプログラムをアレンジするなら
前項をしっかりと守ったとしても、個々人の状況(個人差)からそのままのプログラム内容だとどうしても実施が難しい場合があると思います。
そういった実施が難しい場合にプログラムを実施しやすくするためのアレンジと、プログラムを別途活用するためのアレンジを以下に記載させていただきます。私個人が考えるアレンジになりますので、あくまで参考程度に見ていただければと思います。
・セット数を減らす
プログラム構成として特別にセット数が多いわけでなく、また導入がスムーズに進むようなプログラム構成になっています。ただ、普段からセット数が少なめの人や、強度を抑えても(RPE値が低くても)フォームの形状や遺伝的に多セットの実施が難しい人もいますので、そういった個人差を考慮して例えばあらかじめ5セットのところを3セットに、3セットを2セットにするといったセット数を減らすアレンジはありだと思います。
・トレーニング頻度を変更する
トレーニング頻度は4日/週となっていますが、様々な要因から4日/週のトレーニングの実施が難しい人も多いと思います。
そういった人は4日分のトレーニングを1週間で終わらせず、例えば3日分のトレーニングを1週目に実施して4日目のトレーニングを2週目の最初のトレーニング日で実施するといったような、3日/週のトレーニング頻度でプログラムを実施するのもありだと思います。
反対に、元々のトレーニング頻度が5日以上/週の人などであれば、プログラムの意図を完全に理解しているのであれば頻度を増やしながらも同じ意図を持ったプログラム構成に変更するのも可能だと思います。
ただ、実情としてそれは難しいと思いますので、あくまで私個人がトレーニング頻度を増やして藤本選手のプログラムを実施するのであれば、低RPE値でのフォームチェックやアクティブ・レスト的な意味合いでのトレーニング日を曜日固定で追加してトレーニング頻度を増やすというアレンジを行うと思います。(例として、5レップス×3セット@RPE5.0など)
・トレーニング期間を8週~12週に変更する
プログラム構成としてはプログラム概要説明で書いたように「頻度=4日/週」「4週間×4ブロック」構成の16週間のプログラムになっているわけですが、1ブロック=4週間で1つの区切りとなり、またその1ブロックだけでも1つのプログラムとして十分に完成された内容になっています。
本人に確認を取ったわけではありませんが、最終ブロック(13~16週目)は試合に向けたピーキングの意味合いが強いようにも見えるため、16週間という長期間のブログラムが様々な要因から実施が難しい場合は3ブロック(12週間)または場合によっては2ブロック(8週間)で実施するのもありかもしれません。
・1~2ブロックを他のプログラムと組み合わせて実施する
先に述べたように藤本選手のプログラムは、1ブロックだけでも1つの完成されたプログラムとなり、またプログラム概要説明で述べたように「刺激の変化に重点を置いたプログラム」となっています。
その「刺激の変化」という効果を切り取って得るため、例えば普段実施しているプログラムと次のプログラム実施までの間に1~2ブロック実施するというのもおもしろいかもしれません。
また、プログラムを決めずにトレーニングを実施している人も多いと思いますが、通常のトレーニングが一区切りついたときなどに(調子が落ちたときも含め)1~2ブロックだけ実施するだけでも何かしらのプラスの効果を得られる可能性が高いと思っています。
6.最後に
以上、他人が作ったプログラムについてダラダラと好き勝手に書かせていただきました。プログラムとしては先に述べたように「これまでにないプログラムではあるものの万人が実施しやすいプログラム」という非常に興味深い内容になっています。
また、プログラム自体は16週間という長期間のプログラムになっているわけですが、16週間実施するのではなくブロックを切り取り他のプログラムと組み合わせることもできる柔軟性の高いプログラムになっていると思います。
なお、藤本選手のプログラムはRPEを活用することや週毎の記録の伸び率を計算に入れて参考重量を算出していることから、わたしが公開している有料ツール【ウエイト・トレーニング徹底管理ツール ~Ultimate RPE TRAINING Support Tool~】との相性が非常に良くなっており、実際に藤本選手にもツールをご利用いただいているようです。
藤本選手のプログラムに限ったわけではありませんが、ほとんどのRPEを活用したプログラムでは設定されたRPEで実施できるトレーニング重量の選択が非常に重要となってくるのですが、上記有料ツールは個々人のその時々の調子や記録の伸びに合わせた最適なトレーニング重量の自動提案機能だけでなく、トレーニング結果の分析機能やプログラム作成機能等を備えたツールとなっています。
ツールを利用することでプログラムの効果を得られやすくなるのは間違いないと思いますので、ご興味がありましたら藤本選手のプログラムと合わせてこちらの有料ツールの購入もご検討いただければ幸いです。