再び、張子をつくる
新年に張子づくりセットを手にしてから早10ヶ月。
のろのろながらに張子をつくる。
歳を重ねて思うのは、
新しいことに挑戦するのは面倒ということ。
近頃は必勝法が分かってることにしか
手を出さなくなっているな、
という自戒も込めて、集中的に張子をつくる。
ざっくり作り方を説明すると
まず型を作り(伝統的なものは木彫りであるが、油粘土で代用する)、
そこに土台となる紙を、デンプンのりを溶いたもので貼り付け、仕上げに表面に和紙を貼る。
乾いたら、カッターで切れ目を入れて土台を取り出し、つなぎ目を再び和紙で貼り合わせる。
乾いたら膠と胡粉を溶いて作った専用の塗料を
5、6重と塗り重ね、乾いたらヤスリをあて表面を整える。最後に、一度アクリル絵具の白を塗り、乾いた後に色付けをして完成。
・・・が、ネットやYouTube、本などから集めた情報。
だが、やればやるほど、
ここはどう処理しているのか、
という疑問が数珠つなぎで溢れてくる。
新聞紙を貼り重ねる人もいるし、
張子紙という専用の用紙を使う人もいる。
膠はとても腐りやすいため「胡粉ジェッソ」という
出来合いの塗料を使う人、筆で塗る人、ドブ漬けにする人、日本画の顔料で絵付する人、アクリル絵具を使用する人・・・。
うーん、結局は自分で見つけるしかないのか。
と思いつつ、職人の背中を見て学びたかったな、
という気持ちもムクムク。
そんな矢先、なかよし「ひばりブックス」にて
郷土玩具の展示があるとのことで、のこのこ出向く。そこで展示されていた、「静岡張子」のなんと愛らしいこと・・・!
丁寧な貼り作業、筆捌き。そして描かれる表情がとにかく優しい。この静岡張子、現在は残念ながら廃絶してしまい作られていないのだそうだ。
もう誰も作っていないのか・・・
と残念な気持ちで調べていると、静岡張子を作っていた場所が店からかなり近いことが判明。
そういうことで、すぐに「運命」認定してしまうので、その日からますますギアを上げて技術習得に勤しむ。
お試しで丸くなっているネコチャン。
なぜネコチャンを作っているのか、というのも
自分なりに道筋があってのことなのだが
それはまた別の機会に。
そんなわけで
現在のヒガクレ荘(雇われ)店長は
選書と、ハンコと、張子をやっています。
共通項は、紙です。
引き続きよろしくお願いします。