タクシーの勤務体系
タクシー会社で仕事をしようと思った時、その勤務体系について選択肢が示され、困惑した経験をお持ちの方も中にはおられるかもしれません。多くの方はタクシーと言えば隔日勤務(一昼夜勤務)とお考えかもしれませんがこの隔日勤務にも早番や遅番と呼ばれる勤務体系の別があります。ご自身のライフスタイルによって選択可能としている会社がある一方で、タクシー会社側意向で全員同一シフトとしている会社もあります。今回は各勤務シフトとそのメリット、デメリットを紹介いたします。(東京23区・武蔵野市・三鷹市エリアの1タクシー会社採用担当者の考えですので違ったご意見の方はおられるかと思います)
昼日勤
通常は早朝帯に出庫し、夕方までの勤務で月間22〜24回ほど乗務をする正社員等フルタイムと16回ほどの乗務を行う定時制乗務員に分かれる会社が多くなっています。一般的な会社勤めと同様の勤務シフトになるため他業種からの転職の際に移行しやすいこと、他時間帯と比較して酔客に当たりづらいのがメリットと言えるでしょう。一方で割り増し時間帯の勤務がないため、営業収入づくりが他時間帯と比較して少し難易度が高くなっています。どちらかと言えばすでにタクシー経験がある方に向いている勤務シフトと言えるでしょう。
夜日勤
夕方から夜9時頃までに出庫し、翌朝に帰庫する夜勤シフトです。出庫時間にもよりますが夜間の割り増し時間帯を全部営業に充てることができるため他時間帯と比較した時に効率は良いと言えるでしょう。一方で酔客対応に苦慮することもありますしライバルとなる他タクシーも多いです。(同じような夜日勤シフトで稼働している個人タクシーが多いため)勤務日数は昼日勤と同様、というところが多いと思います。弊社毎日タクシーでも日数、勤務時間数は昼日勤、夜日勤ともに同じです。昔から、一番稼げるのはナイト、と言われていますし営業効率、営業成績をとことん追求していくとしたら一番の選択肢になろうかと思います。
隔日勤務(早番)
朝に出庫し、そのまま一昼夜、翌日の午前2時〜4時頃に帰庫する勤務体系です。隔日勤務という語が示す通り、出番→明け番→出番→明け番と繰り返していき、多くの会社が2出番〜3出番こなした後に公休が挟まります。日曜日も含めた週七日稼働日の会社の場合は出番→明け番→公休→出番、のようにして曜日をずらしながら公平に勤務を行います。弊社毎日タクシーのように日曜日を公休としている会社の場合は全体の出番を変更するタイミングまで公休を挟んでのずらしを行わないため、出番→明け番→出番→明け番→出番→明け番→公休→出番の繰り返しです。勤務日数は月12出番〜13出番(公休出勤を含む)であり、単純に倍にすれば月間24〜26日と少し働きすぎのように見えますが、出番と明け番を繰り返す勤務体系から、なんだかものすごく休んでいる気になる不思議な勤務シフトです。私は隔日勤務での乗務しか経験していませんが、当時は独身であったこともあって、明け番日はイメージ「おやすみ」でしたので負担感はあまりなかったと記憶しています。
隔日勤務(遅番)
夕方に出庫し、夜を目一杯勤務して、翌朝9時頃〜11時頃に帰庫をするスタイルです。隔日勤務なので日数は早番と同じですが、夜の割り増し時間帯を目一杯営業に充てることができ、また同時に早朝から朝帯の通勤時間にも対応できるので大手を中心に「稼ぎやすいシフト」として導入している会社が多くなっています。メリットとしてはやはり稼ぎやすいシフトというところですが個人的には隔日遅番にはかなり懐疑的です。まず就労時間が相当に特殊であるため、世間様とずれまくった時間帯での生活になる点。夕方15時前後の出庫に対して、帰庫が午前10時前後ですから帰庫→場内作業から帰宅するのがおそらくお昼頃になります。そこから翌日の夕方までがインターバルになりますがお昼に帰宅してからそのまま眠ってしまうと夜に眠りづらくなってしまうため、次の入眠が深夜〜翌日朝となります。当然ながら夜中は病院や役所、銀行などの日常生活での用事が発生する場所が閉まっているため用事をこなすこともできません。もしくは帰宅後に眠らずその日夕方まで粘って早めに休む・・・・・・経験された方はお分かりかもしれませんが、隔日勤務の後に帰宅して眠らないのって、結構きついです。その方の体力にもよるかもしれませんが。このような時間帯シフトのため「仕事に全生活を捧げるのだったら稼げるシフトだが個人的には極めて否定的」というのが隔日勤務遅番の紹介でございます。隔日遅番はうまく体を休める技術を身につけないと運転に対する集中力低下やメンタル不調などを原因とした漫然運転、交通違反、交通事故など発生確率が、これは間違いなく上がります。選択肢があるのならば、できれば選択しない方が良い、と私は思います。
まとめ
タクシー会社の勤務は勤務シフトによって見える景色が相当に変わりますからぜひ慎重にご検討ください。会社によっては一度決定した勤務シフトを変更することが困難な場合もありますので、入社前によく確認することをお勧めいたします。
今回は以上です。お疲れ様でした!