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「インターネット」はたしかに楽しかった。1

インターネットをテレホで繋いでいた世代は個人的な感覚では第二世代(パソコン通信は通っていない世代)なのだけれど、今のスマホやら5Gやらの感覚からすれば等しくネット老害のような位置付けなのだろうか。(筆者は第二世代です)ふとしたきっかけであれこれ、と思い出したこともあったので今回はそんなお話です。

僕が初めて触れたPCはWindows98で、当時にしては一応、最新のOSであった。HDDは内蔵1GB、外付けが別に1GBついていた。父親にセットアップしてもらったから細かいことはあまり覚えていないのだけれど、書店でPCをこれから触る人向けのムック本を買ってきて、インターネットエクスプローラー、であるとかアウトルックエクスプレス、そんなカタカナの羅列に胸を躍らせていたものだから、初めて触れたPCは色々な意味で衝撃的だった。

スイッチオン→起動に20分

こたつだってもうちょっと早くあったかくなるよ! というぐらい起動処理に時間がかかり、これには正直まいった。PCとはこんなにのんびりとした機械なのか、と。通信とかネット接続とかプロバイダーとか、なんだか早そうなイメージの、シュッとした言葉が並び立つ機械、それが起動に20分! 一応はOutlook Expressでメールなんかのやり取りもできるようにしたけれど、そもそもやり取りする相手もいなかった。それでも無駄に毎晩電源だけは入れていた。
当時のインターネットの記憶は正直なところ、あまり覚えていない。現代のようにあれやこれやのコンテンツやニュースが洪水のように押し寄せてくるような時代ではなく、インターネットはまだまだ閉じていて、さまざまなネットサービスはどれもまだ黎明期。「このインターネットというのは一体、何ができるのだろう」。僕にとってはそんな場所だったから、何かしらの決まったページを巡回するようなことも特になく、ただ漫然とスイッチを入れて、ダイヤルアップ接続をして、インターネットに繋いでみる。そんな時期がしばらく続いた。

ウェブサイトを作ろうか

どのような経緯だったか、ウェブサイトを自分で作るようになった。記憶を辿る限り、初めてのウェブサイトはライコスジャパンのサービスだった。テキストを入力して、いくつかのパターンの中から好きな配置のものを選択する。ある意味、もう数年先に一時ブームになったテキストサイトの走りのような仕上がりだった。すぐに物足りなくなって、ホームページビルダーを使ってもう少しビジュアルを意識したサイトを作成するようになった。まだこの頃はHTMLのこともよく分かっていない。ただテキストを入力、画像を置く。センタリングやラインを引く。それだけ。何を伝えようとしたサイトであったかは正直なところよく覚えていない。当時好んで読んでいた歴史小説の真似事のようなものを書いて載せたり、仲間と組んでいたバンドの写真を載せたりした。つまり、ろくに世間に伝えたいメッセージもなかったが、何かを誰かに伝えようとしていた。そんな時代だったし、僕もそういう年齢だった。なお、この頃はもう起動20分パソコンからは決別し(そもそも無理があった)、もう少し新しいノートパソコンを使うようになっていた。たしか、東芝のダイナブック。あのノートパソコンはどこへやってしまったのだろう。

次回へ続く

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