JIS配列やめてもらっていいっすか?
以前、Macを使い始めてからWindowsの入力環境に耐えられない、みたいな記事を書いた。
あれから、紆余曲折あっていろいろとキーボードを模索した結果、やっぱりUS配列以外使えないという結論に達したので、あらためて俺俺キーボード選定ベストプラクティスをしたためようと思う。
JIS配列は記号の配置がオワコン
多くの会社支給PCはJIS配列のため、「そもそもUS配列ってなんだよ、なにが違うんだよ」と考える人が多いと思う。
そこで、JISキーボードがどうしてオワコンなのか箇条書きにて列挙する。
・記号の配置がクソ
・いらないキーが多い
・Enterが遠い
・BackSpaceが遠い
・センターがずれている
どう違うか
「画像がないと予備知識ないのでわからん!」という声があったので、この私自ら配列の違いをKeyboard Layout Editorで作ってきた(マジ親切)。
↓これがオワコンJIS
↓こっちが由緒正しきUS
こうして見るとEnterキーや最下段のキー数だけでなく、記号の配置が広範囲にわたって大きく異なっているのがよくわかると思う。
特にUS配列だとコロンとセミコロンが同じキーでまとまっていたり、角括弧と波括弧がちゃんと横並びになっていたり、シンプルかつ合理的な配置であることが誰の目から見ても一目瞭然の青天の霹靂でマックでだべっているJKが外人の痛烈な一言で一同拍手喝采という感じである。
記号の配置
上述の裏返しでJIS配列では、コードを書いていて頻出するクォーテーションやバッククォート、波括弧の位置が終わっている。入れ替える意味が分からない。
超頻出のイコールも単発で打てない。ありえない。日本語の文章を打つならまだしもコードを書く上でJIS配列だけは使いたくない。
JIS配列は記号の使用頻度に対して位置やShiftの組み合わせが非合理的
不要なキー
無変換とか、かなキーとか使わん。いらん。特に「全角/半角キー」に関しては重要な状態遷移がトグルになってるとかUI終わってる。いちいち今の入力モードがどうだとかいうことに人間様の貴重な脳みそリソースを奪っているのは本当にどうかしている。
上図:JIS配列は赤いキーが余分。黄色キーもEnterのせいで位置が悪い。
Enterが遠い
JIS配列のあの無様な形のEnter、きわめて醜い。それが利便性のための醜さなら百歩譲って我慢できるが、不便になっていることが本当に解せない。
変換の多い日本語入力で確定のたびにいちいちホームポジションから若干でも手が離れるとかUI終わりすぎ。
上図:JIS配列ではよく使うEnterがキー1つ分だけ遠い
BackSpaceが遠い
自分の場合はEmacs配列で使用するのでBackSpaceキー自体を押すということをそもそもしない。そのため影響は大きくないが、よく使うキーを遠くに配置するというアタオカ(頭のおかしい)UIはマジでどうにかしてほしい。
上図:JIS配列は同じくよく使うBackSpaceでもキー1つ分だけ遠い
センターがずれている
これはノートPCの場合だが、JIS配列は狭い空間に不要なキーを大量に詰め込むという未開の土人が考えそうな設計をしており、それゆえに骨格が歪んでいる。
どういうことかというと、PCの画面の中心軸に対してキーボードの中心軸がオフセットする。機種によってはUS配列であっても若干のオフセットはしているのだが、US配列とJIS配列で比較すると必ずJIS配列のほうがオフセット量が大きい。つまりキーボードに正対するか画面に正対するか、トレードオフの二択を迫られることになる。終わっている。
これも図解しよう。最新のMacbook AirでJIS配列(上)とUS配列(下)を比較した場合だ。
上図:JIS配列は著しく左に偏った配置になっている
US配列サイコー!
そもそもコンピュータは海外から。プログラミング言語も海外から。
それなのに発展途上のヤマトモンキーが考え出したローカル配列をなぜ使う必要がある?
郷に入っては郷に従うのがあるべき姿というものだ。つまり英字を入力するからにはUS配列を使うのが普通に考えて合理的なのである。
とはいえ、US配列のキーボードといっても腐るほどある。
その中でも実際に私が使っているものを含む、コスパの良いおすすめキーボードを何点か紹介してこの記事の締めとしたい。
Royal Kludge RK71 RGB
私が実際に使っているのがこのRK71だ。
・USB-C接続
・独立した矢印キーがある65%サイズ
・Bluetooth接続にも対応
・キーボード側からBluetoothの切替が可能
・価格が1万円を切っている
私が使用しているのはLEDがRGBで茶軸のタイプ。
LEDが単色のものだともう1000円くらい安いはず。私が買ったときはセールか何かで値段が逆転していたのでRGBをチョイスした。
文章を入力するときには独立した矢印キーは一切使わないのだが、ウィンドウの分割ショートカットや、ちょっと単押しするときなど、意外と矢印キーがあると助かるシーンが多いので60%サイズではなく65%サイズをチョイスしている。
ちなみに、矢印キーのスペースが無駄だという私よりもっと硬派なアナタには60%タイプのRK61もあるから安心してほしい。
ProgresTouch RETRO TINY
「俺はよくわからんGateron軸とか使いたくないんじゃ!Cherry軸じゃないと許せないんじゃ!」
という本物志向のアナタにはRETRO TINYをオススメしたい。
US配列の供給が停止しているようで若干値段は張るものの、Cherry軸搭載で65%サイズの国産メカニカルキーボードということなら全く悪くないチョイスだと思う。実際、当の私もRK71にするかこれにするかで死ぬほど悩んだくらいだ。
ただし、Bluetooth非対応でusbもtype-cではない。
Bluetoothという点に関しては、復帰待ちが鬱陶しくてRK71も結局は有線でしか使っていないので個人的にはそんなにデメリットではないと思っている。
Keychron K2
最近、茶軸だけでなく青軸のキーボードも欲しくなって買ったのがこのKeychron K2 (Hot-swappable)だ。
独立した矢印キーのみならずFキーの列もある70%サイズで、Hot-swappable(軸ユニットをはんだなしで交換可能な)タイプである。
コンセプトも配列も自分好みなのだが、いかんせん送料がクソ高い(国外発送品なのでExtra Shipping Fee込みで$49かかる)。
とはいえ、同じRK71で軸だけ違うのを購入するのもいまいちテンションが上がらないのもまた事実。
デザインもカッコいいし、勢いで購入してしまったのだが、注文したのが12月中旬。まだ届いていない。
が、実際に購入した人のレビューなどを見てもいい感じなので、今から非常に楽しみである。
ちなみに、下記リンクから10%オフのクーポンを受け取ることも可能。
Hot-swappableなので軸がダメになったり、他の軸を試したくなっても簡単に交換できるのが非常に高ポイントである。
普通のキーボードでも頑張れば全交換できるのだろうが、ジャンク修理を専門に頑張ってるYouTuberがハンダ吸い取り機という神器を駆使した状態ですら数時間かかるような作業(下記参照)になってしまうので自分はちょっと遠慮したい。
おわりに
日本に住まう同士たちよ、この世からJISキーボードが撲滅される日まで、USキーボードを共に使い続けようではないか。
尾 張