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マツボクリ食堂

先週、友人が小さな定食屋をはじめました。
ラグビーを愛好し、化学を専攻していた彼は、このまま化学の教師になるのかなと、大学1年当時話していたことをぼんやり覚えています。
そんな彼は、大学のそばのイタリアンレストランで料理に目覚め、何店もの飲食店アルバイトをこなしてから、イタリアに料理修行に2年、ドイツで2年と過ごし、帰国してからは地元のホテルで料理人として働いていました。
そんな彼が選んだジャンルは「定食」、昔から意外性の人だったので驚きというよりはむしろ、彼らしいなと思えました。

「イタリア料理は、現地の素材を現地で調理して食べるから美味い。日本なら和食が適しているとおもう」
彼いわく、現地の味を完全に再現することは難しいのだそうです。僕は海外に出たこともないので、違いがよくわかりませんが、郷土料理みたいに日本でも土地によってオリジナリティみたいなものはあるし、おなじようなことはいえるかもなぁと思いました。
(ちなみに、ドイツはゲルマン系らしく加工品への徹底はすごいけど料理はあんまり大したこだわりがない、らしいです)

「本当はもっと定食屋らしい、古びた感じにしたかったんだけど」
と少し残念そうに話していましたが、こざっぱりとした店内は(たぶん奥方の趣味でしょう)、シンプルでおしゃれな内観です。

定食とはいっても、ショーケースからおかずを3品選ぶというスタイルです。来月からはテイクアウトもできるそうで、夕飯に一品添えるのも良いなと思いました。まだ開店からまもないですが、「さば味噌」がよく出るそうです。

今日は肉野菜、麻婆茄子、唐揚げをチョイスしました。
味付けは濃すぎず、薄すぎず、程よいかんじです。全体的にボリュームと濃い味付け!という昔ながらの定食屋というよりは、オーガニックで優しい和食という印象です。

まだ開店間もないこともあり、13時台の店内は客の話し声よりも、BGMのほうが耳に入ってきます。ただ、それは奥方の大好きなDOORSではなくて、FMラジオがトーク混じりに流れています。
「いや、定食屋ってラジオが流れているイメージじゃない?ここはゆずれなかった」と彼は笑いながら話していました。

こっそり「パスタとかカレーは作れる?」と聞いてみたところ、「裏メニューね」と答えてくれたのは、ちょっとうれしかったです。ランチの行きつけになりそう、そんな予感のする昼でした。

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