多拠点生活の課題は距離ではないという話
仕事と生活と大学で複数拠点生活をしています。
東京で15年ちょっと働いた後、生まれ育った京都に戻り、京都に住みながら京都の大学に通い、三重の会社に通勤して、神戸や大阪の設計の仕事をしながら東京で新しい仕事の芽を探しています。
生活の拠点は京都になりますが、仕事の拠点は三重で、最近自己紹介がめんどくさいです。「ただそこに住みたい」が意外と理解されず、京都の大学に行っていると言うとご納得(?)いただけるようです。
私の感覚では東京の会社に神奈川や千葉から通勤していた時と大差なく、過去には大阪の会社に神戸や京都から通勤していたこともあるのですが、地方に行くほど近くに住んでいないことの疑問(ほとんど疑念)が強くなるように思います。
特に会社を経営していると「なぜ会社所在地で納税しない?」という古の価値観もあるようで、個人の納税額などたかが知れていても地方のしがらみを感じます。
それはさておき、二拠点生活は移動が課題になりますが、東京を除くと京都を中心に凡そ100km圏内(車で1時間~1時間半)なので、移動は特に問題になりません。
拠点が多いと物が増える傾向がありますが、元々物が少ないのでそれもあまり問題にはなりませんでした。
では何が問題化と言うと、気持ちの切り替えかなと思います。
ある拠点でその仕事に数日どっぷり浸かると、次の拠点に移動した際にそれを引きずってしまい、上手く頭が切り替わりません。
設計や研究を生業にしていると、どうしてもひとつのことを長く考え続ける癖がついてしまうので、多拠点生活と相性が良くないのではと思うこともありますが、世界で活躍する建築家の方々は移動こそが思考の幅を広げるとおっしゃっている方も多く、問題は私の思考の収斂能力にあるようです。
一方で、そのダラダラとした思考の冗長性が新しいアイデアを生むとも思っているので、広げて縮める、そのメリハリが今後の課題になりそうです。
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