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HIEN Aero Technologiesがクラウドファンディングに挑む理由-後編

現在、HIEN Aero Technologiesはイークラウド様にて株式投資型クラウドファンディング(以下ECF)にて資金調達を実行しております。後編では私たちが事業にかける想い、そしてクラウドファンディングを通して実現したい未来図を中心にお伝えいたします。

04.創業にかける想い

航空機が社会課題を解決する。そのイメージは日本ではあまりないかもしれません。また、航空業界そのものが社会課題を抱えているということも。

2004年に米国のPurdue(パデュー)大学で研究留学をし、そこでの体験は私の人生を大きく変えました。総合大学の学生がキャンパスの上で飛行機を飛ばし、空港で実機を触りながら教育研究に取り組む姿は、日本では考えられないものでした。自由に飛行機を飛ばす環境がそこにはありました。これは、飛行機が日常の一部として存在していることを示しており、私にとって大きな衝撃でした。

これだけ空が身近であれば、届くものも行ける場所も広がり豊かになる産業がある。また、農業、消火などの防災、あるいはレジャーなど、航空機が活躍しツールとして広がることは社会的な利益であると、身をもって知ることができたのです。


しかし日本では、ドローンですらまだまだ利活用が進んでいない。一方で海外でも、航空機の価格が上がったりライセンス取得のコストが上がったり、この"身近な空"の維持が脅かされている現状もあります。私たちは活用用途の幅が広いハイブリッドeVTOLを通して、「身近な空」を誰しもが安全に、そして持続可能な形で享受できる世界を目指しています。それはパイロットを目指す人やエアラインに働く人だけに閉ざされたものではなく、物流や旅客、防災、そして産業として誰しもが関わるものなのです。

05.ロゴへの想いとスケーラビリティ

HIEN Aero Technologiesのロゴマークは、3機種の機体がモチーフです。ここには、HIENの"スケーラビリティ"という機体開発における信念が込められています。

空が身近なものであるためには、一つの機体を開発して解決、という訳にはいきません。機体開発は、「大型無人航空機」、「2人乗り自家用機」、「6人乗りエアタクシー」という風に順番に進めていくことが肝要だと考えています。これが"スケーラビリティ"です。それぞれの段階を踏んだ社会導入により、時勢に合ったルールメイキング、市場の形成を目指しています。

本当に空が身近になるために大切なこととして、私たちのこだわる想いを形にしました。

06.事業への想い

6-1. 類を見ないスピードで行われるeVTOL開発

私たちのハイブリッドeVTOL開発は、2021年に始まり、技術的にも世界をリードする立場にあります。先にご説明したように、スケーラブルな形での開発を実行に移し、すでにその第一段階である大型無人機Dr-Oneの試作機の試験浮上に成功しました。(ハイブリッドeVTOLとして世界で2番目・日本唯一の成功例)また、このDr−Oneの搭載するハイブリッドシステムはバッテリーを最小化・重量軽減を実現する、HIENの開発するスケーラブルなすべての機体の核であり、世界中でHIENのみが持つ技術です。

今後はこのDr-One、そしてガスタービン発電システムの販売を開始し、同時にスケーラブルの次の段階、小型有人機の開発へと移っていきます。

HIENの持つ様々な技術についてはこちらの事業説明会でもご紹介しております。ぜひご覧ください。(コア技術については15"00-)

6-2. 代理店としての機体の販売・多数の技術的案件の受注

また日本で空を身近なものとするためには、HIENのeVTOLの開発終了を待っていたのでは遅く、一方、世界では実用的な飛行時間やペイロードを持ち、機体認証された無人航空機が存在します。これらをいち早く導入し、その利便性を広めていくことが大切であると考えています。そこで、HIEN Aero Technologiesは事業戦略の第一段階として日本初となるSwissdrones Operating AGとヘリコプター型無人機 „SDO 50 V3”の販売に関するパートナー契約を締結いたしました。航空機の知見を活かし、日本国内で商用BVLOS、飛行のための許認可手続き、国内販売を開始し、私たちのビジョンをさらに一歩近づけます。

また、独自に持つハイブリッド技術、小型航空機の知見は多様な案件を通して様々な企業の方々に共有されています。HIENのみがビジョンへ突き進むのではなく、産業全体として次世代航空機による空の利活用に進んでいけるよう、社会実装を通し、産業クラスタを形成していくことでの事業成長を実践しています。(なお、ここまで、HIEN Aero Technologiesは補助金等はいただいておらず、実際にこのビジョンへの実践を通して事業成長してまいりました)

07.ECFを通してつくりたい未来図

今後の重要戦略は2点あります。

・日本での大型無人機、小型航空機の社会受容
・強固なファンコミュニティの形成

航空機が実際に社会導入されることで空が身近になるということは、一見途方もないことに見えるかもしれません。

しかし、私が先に挙げた海外の小型飛行機たちの中には、皆さまの知る大企業で作られたものはほとんどありません。大半は、数十人程度の従業員の小さな工房とでも言うべき企業で作られ、飛ばされています。

私たちには解決したい課題がたくさんあります。防災、物流、人流、いずれもハイブリッドeVTOLの力で今後新しい空の利活用を届けていきます。

そして、その空が身近になった社会が安全で、安心できるものであるためには、様々なコミュニケーションを培っていかなければなりません。そのためには、ただ飛行機が好きで飛ばしたい仲間で集まるのではなく、多様な価値観を持つ、何より課題に対して解決する意思のある強固なコミュニティを形成し、さまざまな意見を開発・サービスに反映しながら、事業成長を続けていくことが重要だと考えています。

最後に、HIENが描いた未来図には多くの障壁があります。
しかし、ビジョン、大切にしたい価値、そして何より私たち自身が最先端の技術を持ち、伸ばし続ける強さは変わっていません。日本の空そのものの変革には時間がかかります。しかし、「空を通してこんな防災を実現したい」「こんな物流を実現したい」そんな様々な人が集まり、そしてその中心に信念と技術と明確な、今までにない未来図を持っている企業だけが変革できると信じています。ECFを通して、資金はもちろん、様々な価値観を持った皆様を株主に迎えることで、「身近な空」はより一歩近づくと考えています。10万円から株主になることができますので、ぜひ共にミッションの実現に向けて、推進いただける仲間をお待ちしています。