お付き合いのきっかけはこんな感じだった(ような気がする)
男子ばかりの大学のサークルなので同じ趣味趣向の女子大との縁は貴重
近くや同県内の女子大だけではない、貴重なのだ
写真部顧問の先生の縁で季節に1度
ちょっと遠くの女子短大と交流する
顧問の先生を挟んで趣味に打ち込む回もあれば
いわゆる大学生ならではの合コンをする回もある
桜の季節が過ぎたころ、先生と年間計画の相談をしに女子短大を訪問した
先生は女子短大の顧問でもあり教授でもあるのだ
合コンで顔見知りの娘に案内されて先生の部屋に向かい打ち合わせを済ませ
出口までまた先ほど案内してくれた娘と一緒に歩く
校門の出口まで案内された時
「後で読んでね」
白い封筒が手渡された
趣味のサークル関連の書類という体ではなさそうだ
電車で2時間弱の片道で家に着く
さてさてと白い封筒を思い出し内容を確認する
びっくりした
「一目会った時から気になっていました、お付き合いしたいです」
要約するとこんなところだ
いやいやそんな気はさらさらないし困ったものだ、断らなくては…
断るならば、そっけなく断るのがひとつの礼儀だが
当時の僕はそんな恋愛経験もなく「直接会って辞退しなくては」と
また車を飛ばして彼女の街へと向かった
「今、君の街にいるんだけど出られる?」
「だ・・・大丈夫です」
「駅の近くの駐車場にいます」
暫くすると彼女が現れた、走ってくる
車から降りて彼女が来るのを待つ
「ありがとうございます!これからもよろしくお願いします」
「え?え・・・」
「今日は記念日ですね!」
彼女は直接会いに行ったことから「OK」と解釈したらしい
「ほんとにうれしい」
彼女から抱きつかれ、彼女の体温と感触が伝わってくる
(もうどうでもいいや なるようになれ)
ドーパミンが脳内を流れる
甘美な快楽に身をゆだねているうちに時は過ぎる
身体と脳のぎくしゃくした関係
「断るんじゃなかったのか」
「でも柔らかいし気持ちいい」
今だ続いているのだけど
断る理由が何だったのか忘れてしまった
良く知らないから「ごめんなさい」なら
今はよく知った関係だ
とうとう僕を支配して
彼女の柔らかな感触を失わないようご機嫌を取っている