ハロウィン、小さな悪魔がやってきた
2週間前の夕方、チャイムが鳴った。
玄関のドアを開けると、近所の子供たちが立っていた。
一番前に1年生と年中さんの女児2名、2メートル程後ろに小学生の男子
2名、ずっと離れたところに中学生の女子がしゃがんでいた。
ご近所に、お裾分けをするお宅が3軒あるが、お向かいはご夫婦だけ、
他2軒は、子供さんが3人ずついて、どちらも男子1名に女子2名とうらやましい兄弟構成になっている。
お裾分け配るとき、そこの子供さんが、次のお宅にも付いて来るということがよくあるので、「どちらかのお宅のお裾分け?」と期待したら、その日は違っていた。
「おばちゃん、ハロウィン、お菓子貰いに来ていい?」と小1のさつきちゃん。
「いいけど、ハロウィンいつ?」と尋ねると、代わって男子が後ろから
「10月31日だよ」と答えた。
「何時に来るの?」と尋ねると、男子2人は「10時!」「8時!」と、思いつきの時間を言っていた。
次の日、末の赤ちゃんを抱いた隣の奥さんに会ったので、ハロウィンのことを尋ねてみた。
「押しかけてきたんでしょ!5時と言ってましたけど、すみません。」
と言われたが、「混ぜてもらって楽しみよ。」と答えた。
ほんとに子ども達発案のハロウィン、私もワクワクだった。
八百万の神を信じ、海外の文化を取り込むのが上手な日本人。
近年は、ハロウィンも加わり、渋谷などでもお馴染みの若者のイベントになっている。
10年前、カナダに留学中の三男に知り合いになった方が、そこの小学生の息子さん達のハロウィンへの参加を勧めて頂いたことがあった。
ハロウィンから数日後、息子に尋ねてみると、
「こっちでは、小さい子供しかハロウィンはしないんだよ。
大人が一人混じって、ほんとに恥ずかしかった。保護者みたいだったよ。」
と、話していた。
仮装した幼児や小学生の賑やかな集団の後ろを 身長180センチを超えた 純東洋人顔の青年が、一人恥ずかしそうについていく姿・・・
今でも、想像すると笑ってまう。
訪問した先々では、「お菓子をこの青年にあげていいのか?」と、迷った反応だったそうだ(笑)
ハロウィンの日に向けて、チョコレート菓子を買ったり、私も手持ちのものでカードや衣装準備を始め当日を迎えた。
当日朝、出かる前にたまたま隣の奥さんにあった。
「今日は、ご迷惑をかけます。すみません。」と、挨拶され
(えっ、そんなに恐縮されるほどのお菓子はないけど・・)
と、逆に不安になり、午後、追加でチョコレートケーキを焼いた。
夕方、5時、チャイムが鳴りいよいよか?と魔女風にした帽子をかぶって玄関に出ると、
立っていたのは、家から4件先の2才の女児をもつ奥さんだった。
「すみません5時の予定だったんですが、まだ〇〇さんが帰ってないので、後になります。」というご報告・・・
「えっ! 子供たちは、何人参加する?」
「えーっと、8人です。」
5人分しか用意してなかった!
その後、リビングにいた夫は大急ぎでお菓子の詰め替えを手伝ってくれた。
ケーキは、リビングで5人に食べてもらおうと思っていたが、急遽、お持ち帰り用にした。
発泡トレイにホイルを敷き、切り分けたのを夫がターナーで載せていった。
6時前に、チャイムが鳴り、お待ちかねの悪魔達がやってきた。
お菓子を一人一人渡しながら、「こんな時なんて言うの?」と尋ねると、
トリック・オア・トリートではなく「ありがとう」と、素直にお礼を言われ、躾にうるさいおばちゃんになってしまった(笑)
違うでしょ!
夜、隣の奥さんから、写真がラインで送られてきた。
「子どもたち、とても楽しかった。と言ってました。ありがとうございました。」
いえいえ、楽しかったのはこちらでした。
近所の子どもさん達には、大きくならないで欲しいわ(笑)
わずか、数百円のお菓子でこんなに楽しめるなんて・・
来年も待ってるよ!