最終戦を終えて。復活録③
一昨日の夜、愛知県田原市から千葉に帰ってきました。
試合で集中して切り詰めた分、昨日はサウナに3セット入って今日も比較的ゆっくり過ごしながら今noteを書いてます。
最終戦の結果は、5位。
5位と言うか、準々決勝敗退という方が今の俺に適している表現。
試合を振り返って、頭に思い浮かんでくる事を書いていきます。
まず、今大会は波が小さかった。
最終日は、セット胸くらいの波は来るようになっていたけど、初日と2日目は波待ちを立ってできる程の小さな波だった。
皆がどう思っていたのか?おそらくほとんどの選手が波が上がって欲しいと思う程の波の小ささであったと思う。
僕は、5−6年前に湘南で行われた膝波での試合を経験してからは、「毎年どんな小波でもフラットにならない限り大会はやる」というのが試合をやるかやらないかの概念になっていたので、『波がないけど、試合やるの?』というモードは全くなかった。
全くなかったどころか、実は今回の僕にとって”波がない事はとても好都合”だった。
僕のnoteを読んで下さってる方は知っていると思うけど、
左足首を痛めてる自分としては
波がないか、またはポイントブレイクの様に綺麗に割れる波のどちらかのタイプの波を本当に望んでいた。
波のブレイクが早かったり、ぐちゃぐちゃな波で変速的だったりすると、前足を踏ん張る回数が多くなって、しっかりと前足をボードに乗せる事ができるのかどうかというのが不安要素としてあったからだ。
だから今の自分にとって、波がとても小さい事はとてもありがたかった。
1回戦、2回戦は小波中の小波。3回戦、4回戦、5回戦はセット胸くらいの普通の小波。
大会を通して波は小さかったけど、地形が良いので何回もターンできる良い小波だった。
細かい試合の話は今回は置いといて、
この試合の僕の目標は、自分のソウルを取り戻す事であった。
ただこのテーマを持って、ワンシーンワンシーン全力で自分を出す気持ちをもって戦った。
2回戦では、波の全くない波数も少ないコンディションの中でプライオリティを失い、約10分間波に乗れず負けパターンに入っていた。
でも、自分に負けず自分を励まして最後までやりきる気持ちでいたらプライオリティがない状況にも関わらず、そのヒートのベストウェーブに乗れてベストスコアを出す事ができて勝ち上がれた。
準々決勝では、子供の頃から20年以上共に戦ってきた辻裕次郎選手との対戦だった。いつも優しく接してくれて、年も一つしか違わない。
今となっては”戦友”と言える間柄であるのではないかと思う。
僕の目標は、自分のソウルを取り戻す事であり対戦相手は自分であった訳だけど、実際に同世代のベテラン対決だった。
試合が終わり、辻選手が勝った。
一生懸命やったから悔いはなかった。
ただ2つ目の目標であった、優勝が出来なかった事が悔しかった。
海の中で握手した。
『また来年やりましょう』
辻選手から激励というか優しさの言葉だったと思う。
素直に感謝すべき言葉だ。
でも自分はその言葉を聞いた後、更に悔しくなり更に感情的になった。
ビーチに向かってパドリングしながら、水を拳で殴りまくった。
結果が出てない自分。
『俺に来年があるのか?』
もちろん来年やりたい。でも応援してもらえるのか?
その時そういう感情が沸き上がったんだと思う。
今は冷静になってる。
だから、もちろん来年やる。
例えば応援されなかったとしても、最悪、家を売ってでも俺はやる。
そして、スポンサー様、家族、ずっとこれまで応援してきくれてる方々の為に来年は戦うと強く決めている。
最終戦の目標、自分のソウルを取り戻す事は達成できたのか?
この試合をやりながら
コロナが始まる前の自分が試合と向き合ってきた
パッション、闘争本能、マインドセット、自分の軸、
これらを思い出すかの様に少しずつ自分のマインドに気づき始めれている事を
心が居心地良くひそかに喜ぶかのように感じれた。
感覚とイメージ。
心のなかで『これだっ!』て確認できるシーンが何度もあった。
会場を去る間際、10代終わりから20代半ばにサーフィンをよく教えて頂いたカメラマンの神尾さんに
『久々に英義が負けて悔しがってるの見れて嬉しかったよ』
と言われた。
負けた後の心から湧き出る悔しいと思う感情。
頭の中で試合を振り返っても、自分のソウルは戻ってきているんじゃないかと思う。
ここからが戦い。
この試合を通して向き合った自分。これが俺なんだよ。
だから、このマインド、感覚を大事にこの冬生きる。
1年半何も変わらなかった痛めた足も良くなってる。
ただまだ完治はしてない。
色々と気づいて向き合い初めてから、まだ1ヶ月くらい。
魂と肉体の統一。日々の鍛錬。まだまだ全然足りてない。
僕の復活への記録。
これからも書いていきますので、お時間あればまた読んで頂けたらと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
田中英義