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難破船の三人の乗客 | ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
今回はまたまた『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』から
『難破船の三人の乗客』というお話をさせて頂きたいと思います。
度々タルムード金言集のお話を動画で出していますので、毎度この話をしていますが、何でこのユダヤ人の成功哲学というものに価値があるのかというと、ユダヤ人の成功者は昔から数多くいて、ノーベル賞受賞者の20%がユダヤ人であったり、長者番付でも上位陣に常にいてたりなど、簡単に言うと成功者が多いんですね。
有名な方にはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグさんなんかがいらしゃいます。
というわけで、早速『難破船の三人の乗客』のお話に移りたいと思います。
ある時、帆船が嵐に遭って難破した。
流れ着いたのは、フルーツのたわわに実る島であった。
船はその島で修理を済ませてから出航することになった。
乗客は三人いた。
一人の乗客は、いつ修理が終わって船が出てしまうかわからないので、取り残されたら大変だと、船から降りなかった。
嵐に遭い、何日も空腹だったが、船が出てしまう心配のほうが先にたち、それは我慢することにした。
もう一人の乗客は、島に降りたが、船が見える範囲内でフルーツを食べ、船の修理が終わる様子を見て、急いで船に戻って来た。
たらふくは食べられなかったが、 なんとか空腹を満たし、フルーツで水分補給もできた。
もう一人の乗客は、そんな簡単には船の修理はできないと思い、島の中まで入ってフルーツをたらふく食べた。
船は見えなかったが、まだ大丈夫と次から次へとフルーツを食べた。
お腹いっぱいになって戻って来たら、船は出港した後で、島に取り残されてしまった。
まったく船を降りなかった乗客は、その後の航海に耐え切れず死んでしまった。
島に残された乗客も、無人島から脱出できず、そこで一生を終わった。
「難破船の三人の乗客」は、リスクコントロールの話です。
適正なリスクを恐れず行動できれば、人生に勝利をもたらす。
この場合、船から遠くに離れることには
・出航に間に合わないかもしれない
・船の位置を見失って迷子になるかもしれない
というリスクがあります。
一方で、船から離れるリスクをとらないと、
・果実を入手して、栄養・水分の補給をする。
というリターンが得られません。
物事にはリスクがつきもので、慎重になりすぎても 大胆になりすぎても失敗してしまいます。
三人の乗客をABCの3つにタイプ分けします。
タイプA
一人目の乗客は船から降りず、リスクを全く取らないタイプでした。
リスクを全くとらなければ、リターンだって得る事はできません。
その行動の結果は、慎重さがアダとなってチャンスを逃し、船の中で餓死してしまいました。
なので、生き延びるためには、何らかの形でリスクをとらなければいけません。
タイプC
三人目の乗客はリターンばかりを考え、リスクを取りすぎてしまうタイプでした。
・果実を多く食べてお腹をいっぱいにしたい。
・たぶん船の修理は終わらないから奥地まで行っても平気。
大きなリターンには、大きなリスクが伴います。
三人目の乗客は楽観的に考えリスクを取りすぎたために、自分自身がリスクに負けてしまったのです。
その結果、無人島に取り残されてしまいました。
慎重でも大胆でもどっちも失敗するならどうすればいい?
タイプB
その時に求められるものが、「船の見える位置でフルーツを食べていた」二人目の乗客のように素早くリスク・リターンを計算して、適正なリスクをとることです。
・船から離れたら出航に間に合わないかもしれない
・船の位置を見失ったら迷子になるかもしれない
・果実を多く食べてお腹をいっぱいにしたい
・たぶん船の修理は終わらないから奥地まで行っても平気
これらを総合的に判断したのがタイプB二人目の乗客です。
お話の中では、無人島に着いた時点で、目的は「生きて無人島からの脱出すること」なわけです。
なので、その目的を達成するために最も有効的な行動を取るべきなのです。
食べ物をお腹いっぱい食べる必要はありません。
ましてや、森の奥という何がいるかもわからない所にまで足を踏み入れ、置いて行かれてしまっては、一時的な幸福は得られても、大きな目標は叶えられないわけです。
つまり
・島には降りるが、船が見える範囲内でフルーツを食べる。
・船の修理が終わったら大急ぎで船に戻る。
もちろん船を降りるということは、1人目の乗客のように「絶対に船に乗り遅れない」という保証はありません。
さらに船が見える範囲でフルーツを食べるだけでは「お腹がいっぱいにならない」かもしれません。
ですが、そもそもリスクを取らなければリターンは得られないのです。
別のタルムードのお話、魔法のザクロにも出てきた「ノーペイン・ノーゲイン」の話です。
全ての可能性を考えた上で、最適な行動、最適なリスクをとることが重要だと教えてくれているのです。
自分の生活に当てはめて、
・ 慎重すぎて失敗する(船に残った一人目の乗客)
・ 大胆すぎて失敗する(島の奥に踏みこんだ三人目の乗客)
ということにならないために、考えてみてください。
今回のお話で学ぶべきポイントはリスクをどう避けるかではなくて、リスク
をどう取るか?です。
僕の個人的な見解を言うと、タイプAの人の様に全くリスクを取らずにその場に固まり、何も起こらずに辛い思いをして、死ぬことが確定しているなら、タイプCの人のように一時的とは言え、たらふく食ってから、人生を終える方がはるかにマシだと思っています。
実際の世界で言えば、ここまで選択肢が少ないということはありえないので、島の奥まで踏み込んだタイプCの人はフルーツを食べつくし、船が行ってしまった後に別の豪華な船が来る…なんて可能性もゼロではないかもしれません。
現に大成功するタイプの人はタイプCであることもしばしばです。
リスクを取れるかどうかで天地の差が出ます。
しかし、どういうわけかリスクを取らずにジーっと固まって飢えていくタイプAの人は結構います。
僕の知り合いに労働条件が非常に悪く、薄給の所謂ブラック企業に勤めている人がいるのですが、彼は会社に「辞める」と言うのが気まずいという理由だけで十数年そこで働き続けているわけなのですが、これがまさにタイプAにあたるわけです。
現実世界には失業手当があったり、味方をしてくれる人間がいたり、今までの蓄えがあったりと随分条件が優しいわけですが、とにかく会社を辞めるというリスクが取れないんですよね。
別に条件の良いとこに転職するにしても、働きながら転職活動は出来るわけだし、思い切って独立するにしても週末起業のような形で事業をスタートすることもできるわけなので、いくらでもリスクの取りようはあるのですが…
そもそも、入るのに何の苦労もないような会社を辞める事なんてリスクでも何でもないし、そのまま成長見込みのない業界で、ブラック企業に勤めるようなメンバーに囲まれて、死ぬほど働いて時間だけが経っていくことの方が遥かにリスクです。
物語で言えば、船が助かるという事と乗客が助かるという事は全く別問題だという事を理解した方が良いんですが…まぁいいや笑
この物語を資産運用に置き換えてみたら
また、このお話は資産運用にも置き換えることができます。
タイプA: 一人目の乗客=貯金のみでお金を管理
タイプB: 二人目の乗客=貯金と投資でお金を管理
タイプC: 三人目の乗客=ギャンブルで一攫千金
ギャンブルがダメなのはわかるけどなんで貯金がダメなのでしょうか?
現在の普通預金はノーリスク、ノーリターン。
現在の普通預金の金利は0.001%です。
これは10万円を1年間貯金すれば1円がもらえるということです。
銀行が倒産することは考えにくいですし、たとえ倒産しても1000万円までは法律で保護されているので失うことはありません。
とはいえ10万円を10年間貯金し続けても10万10円にしかなりません。
物語の考え方をするならば、リスクのない普通預金ではなく、ある程度のリスクを取らなければお金を増やすことはできないということです。
月数万円から積立てを始めれば、暴落相場が来ても致命傷を負うことはありません。
まずは、少額から資産運用を始めたり、会社員のまま副業を始めてみたり。
適正リスクをとって、自分の資産を年利3~7%程度で長期運用してみてはいかがでしょうか?
リスクをとる以上元本割れする可能性はゼロではありませんが、「リスクに見合うリターンがある」かもしれません。
一人目の乗客(リスクをとらない)
二人目の乗客(適正リスクをとる)
どちらが良いかは、自分で考えてみてください。
いかかでしたでしょうか?
「失うものがなければ、何も得ることはできない」という考えのもと、適正なリスクを瞬時に計算できるようになれば、人生が豊かになります。
心配し過ぎてなにもしなかったタイプAの乗客は、リスクはないけど、得られるモノは何も無かった。
何も得ることなく苦しんで生涯を終えたと。
楽観的に考えすぎてどんどん奥地まで行ったタイプCの乗客は、リスクが大きく、そのリスクに負けてしまった。
その時、その状況で冷静にリスクを計算できる、船が見える範囲でフルーツを食べたタイプBの乗客が生き残った。
というお話。
世の中の雰囲気とか、時代の空気とか、情報の質とか、そういったものを駆使して、この時代を楽しめたらいいですね。
動画解説版はコチラ
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