生涯投資家 | 金儲けは悪いことですか? 村上世彰さんが語るコーポレートガバナンスとは?
まいど!ひでやです!
お役立ちネタを配信している大阪のYouTuberです(^^)/
今回は村上世彰さんの著書、「生涯投資家」という本を紹介したいと思います!
村上ファンドの責任者で、フジテレビをめぐるニッポン放送株取得、阪神鉄道株取得などでマスコミに取り上げられた村上世彰さんと言えば、多くの人がご存知かと思います。
この本では村上さんの半生と、一連の騒動を通して村上さんが何を考えて行動していたのかを、ご自分の言葉で語っておられます。
当時のマスコミ報道から受ける印象としては「ホリエモン騒動で大金を稼ぐことに執着して逮捕された人」「ハゲタカファンド」「お金儲けは悪いことですか?」というセリフ…といったマイナスイメージが大半だったのではないでしょうか?
しかし、この本では幼少期に受けた父親からの投資に対する英才教育、元官僚としての経験、後に投資家としての彼が関わったビッグプロジェクトを振り返りながら、村上さんの考えが(メディアに歪曲されたものではなく)ご本人の目線で語られています。
勿論、本人の書き物であるから、客観的に見る必要はあるものの、僕自身はこの本を通して、そんな村上さんへのネガティブな印象が変わったし、この本の中で一貫している「コーポレートガバナンスを日本に浸透させたい。」という主張にも率直に興味をもったので、サクサクッと紹介していきたいと思いますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
この本の要約を兼ねて、村上世彰さんの経歴をご紹介しつつ、
村上さんが大切にする「コーポレートガバナンス」とは一体何なのか考えたいと思います。
それでは早速参りましょう!
村上世彰さんは1959年、台湾華僑の貿易商、村上勇氏の次男として生まれます。
父の勇氏は、戦後日本国籍を取得しています。
小学生の時世彰少年は、父に小遣い廃止の代わりに、百万円を渡され株取引を始めます。
父親が好んで飲んでいたサッポロビールの株を買ったのが最初の株取引です。
そして、これが村上さんの投資家としての原点です。
村上さんは小学校を卒業し、超難関校の灘中学校・高等学校へ進学します。
( 偏差値 中学76 高校78 )
学校行事には参加しない、掃除も「やっている暇がもったいない」といい、家に帰ってしまう、我が道をゆく生徒だったそうです。
また「試験、受験は家で勉強したほうが効率がいい。」と言っていたそうで、この時からすでに自分の中の「効率」が行動の基準であった事が伺えます。
文系科目が苦手なため一浪を経験、東京大学法学部へ入学します。
大学時代、父の鞄持ちとしてハワイ、ロサンゼルス、ニューオリンズ、コスタリカ、エルサルバドル、メキシコシティ、ニューヨークを3週間かけて旅行。
父親を通して、それぞれの地で活躍する投資家との交流を持った事で、村上さん自身も父の後を継いで投資家への道を進む決心をするも、父からの「国家というものを勉強するために、ぜひ官僚になれ」という強い言葉に従い1983年からの16年間、当時の通産省に入省します。
世彰氏は官僚時代、多くの上場企業の役員と面談し、有価証券報告書をよみ、経営状況を把握して話し合いました。
しかし、日本の上場企業の多くが必要以上に多くの資金を手元に留めていること、また企業の役員が財務状況を理解していないことが多く、日本はこのままでは世界競争に負けるのではないか?と危惧を抱いたそうです。
そこで、株主が、企業経営を外からの視点・力で監視・改善する、
「コーポレートガバナンス」が重要だと考えました。
ここでコーポレートガバナンスを世彰氏の言葉を借りて、もう少し詳しく説明したいと思います!
コーポレートガバナンスとは、企業がお金を正しく使い、事業を成長させて、株価を上げて、株主に還元すること。
現金の使い道がないなら配当金で株主に還元するなり、自社株買いをして株価を上げるのもそのひとつです。
上場企業は、株主に対しての責任を持ち、上場しているからには、その義務を果たさねばなりません。
また、投資家も企業経営者に対して積極的に意見し、両者が敵対するのではなく、WIN WINの関係を持つことによって、その国の経済が活発に周り、発展して行く流れが出来る、という考え方です。
国にとって、資金はまさに血液、資金が活発に動かないと、国としての発展の機会も逃されてしまいます。
逆に資金の好循環は必ず派生的な好循環をもたらします。
官僚を辞して、世彰氏が村上ファンドを立ち上げたのは、この様な大きな夢を追い続けるためだったのではないでしょうか。
ファンドの性質上、無論利益を追求する事が第一ですが、本来は日本の上場企業が株式として集めた企業の資本を企業の発展のために正しく使うこと。
株主に対して企業が完遂するべき礼儀や責務をいかに世間に浸透させるか。さらにはファンドを通じて世の中にある不便を是正すること。
それらの目標を持って村上さんは村上ファンドを立ち上げるのです。
そして、村上ファンドは
2002年 アパレル会社の東京スタイルの株式を9.3%取得
2003年 ニッポン放送株7%を取得
2004年 ニッポンフエルトの株21.7%を取得
2005年 阪神電鉄株の約30%を取得
・・など快進撃を続け、本の中のそれぞれの章で世彰氏がコーポレートガバナンスの視点から、それぞれの企業にどのように向かった言ったのかが描かれていきます。
今までの日本にはいないタイプの「モノをいう株主」として名をはせた、世彰氏は経営側からすると戦々恐々だったでしょう。
しかし2006年、ライブドアのニッポン放送の大量の株取得において世彰氏はインサイダー取引の容疑で逮捕されてしまいます。
村上ファンド事件です。
2011年6月最高裁で、懲役2年・執行猶予3年・罰金300万円・追徴金約11億4900万の
有罪判決が確定しました。
追徴金の額は史上最高です。
【 追徴金 】
刑法上、犯罪行為から得た物、犯罪行為の報酬として得た物、これらの物の対価などについて、すでに消費されたりして没収できないときに徴収する金銭。
少し話は逸れますが、この一連の騒動で世彰氏だけでなく堀江貴文氏も証券取引法違反で実刑判決を受け、2年6か月の懲役を受けています。
当時、ネットとテレビの融合がしきりに騒がれていた頃、本気でそれに取り組もうとしていた企業は楽天とライブドアだけでした。
新興企業が既得権益を飲み込む動きが実現し、この時の判決がもし違った形であったなら、アメリカのアップル社やGoogleの成功が先に日本で起こっていたのではないかと、非常に残念に思います。
話を戻します。
村上さんは起訴されたころから
拠点をシンガポールへ移します。
そして自らの活動を、非営利団体(NPO)の運営支援にも広げていくことになります。
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まとめ
これからの日本経済で、大切な事は資金の好循環です。資金の好循環は投資を中心として起こります。集められた資金は留めず、投資をし、リターンを得てその投資を回収し、次の投資を行いましょう。
時にはリターンを得られない事もあるかもしれませんが、こうして日本のあちこちで塩漬けになっている資金を回して行く事がこれからの日本経済の発展につながっていくのです。
そのためには経営者と株主の間には、緊張関係が必要なのです。
企業がお金を正しく使い、事業を成長させて、株価を上げて、株主に還元すること。
また、投資家も企業経営者に対して積極的に意見し、両者が敵対するのではなく、WIN WINの関係を持つコーポレートガバナンスの思想が必要不可欠になるのです。
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