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ブラールタレイ誕生のエピソード(2)

その1よりつづく)

ワンデイセミナーのあと​で、タロットとブラール・タレイについて感じたことをシャーマ・ヴィオラに尋ねてみました。

「ブラール・タレイは、むしろダマヌールや通常のタロットを知らない人のほうがすんなり受け入れやすいのではないか?

 配置されたカードが増えた時は解釈の難しさはあるけれど、あれほどカードの持つパワーがビシビシと現れると、すごくインパクトが有ると思う。」

するとシャーマは、

「そのとおり。ダマヌール市民はタロットの歴史からシンボルの解釈とかの基礎を学ばないといけないけれど、一般の人にとってそれは必ずしも必須ではない。そういった知識がなくても使えるということは、解釈の深みを妨げるものではない。

 どちらが正しいとか優れているとかではなく、両方あって良い。それが多様性ということ。

 実際のところ、ダマヌールでも儀式やヌークレオで日々使われているのはファルコの公式のタロット。だけどたくさんのダマヌリアンが個人的なリーディングをしてほしいと言って私のところへやってくる。」


そこではたと思い至ったのは、ファルコの意図です。

初期のダマヌリアンたちに聖なる言語を非公開とのルールを課したのはファルコ自身でした。しかし、ある時期が来たらそれを公開できるようし、新たな試みとしてのブラール・タレイの誕生を後押ししたのもファルコ自身でした。

それはダマヌール自身が変わり続けるため、新旧がお互いに尊重し合い、理解し合い、更に成長していくため「仕組み」なのではないか、と。


人類の歴史上、どんな組織でも、規模が大きくなり、組織の歴史が蓄積されてくると、初期のルールが守らなくてはならない「ドグマ」となって自らを縛り、身動きできなくなり、やがて崩壊していきます。通常、古くなった組織を打ち倒すのは外部からの新しい力です。しかし、内部からその組織自身を生まれ変わらせようとする力が生まれれば、その組織は新たに生まれ変わって更に成長していくことができます。

これは現代の大企業でも本当に難しいことで、ソニーもパナソニックも、そしてアップルでさえも生まれ変わろうとして模索しています。

ファルコ自身が「ダマヌールに唯一ドグマがあるとしたら、それは『変わり続ける』ことだ」と語っています。

​​ブラール・タレイが新しい人達にダマヌールのインパクトを届ける力を持っているとしたら、​それは結果的にダマヌールに新たな息吹をもたらすものになるのではないか?

​そんなことを感じたワンデイセミナーの夜でした。(AYU)​


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