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KEY002 | CEO Keynote with Matt Garman レポート

こんにちは!
ジェネレーティブテクノロジー兼 サイバーセキュリティクラウド(以下、CSC)、そして AWS Serverless Hero の松井です!

AWS re:Invent 2日目、 AWS CEO の Matt Garman によるキーノートセッションを見てきたので、個人的に気になったアップデートなどを中心にまとめてみようと思います。

オープニング

クールな DJ プレイと凝った演出でスタートする Keynote

Keynote は例年朝8時からで早いですが、頑張って早起きして向かいました。
AWS Hero は優先レーンに並ぶことができ、最前列〜後ろ数十列までの専用シートも用意されており、広大な会場の中でも登壇者を間近に見ることができます。

7月にシアトルにて開催された「AWS Heroes Summit」の写真が紹介されています

また、冒頭では Matt から AWS コミュニティと、それを牽引する AWS Heroes の紹介と感謝の言葉をもらい感激しました。
今回の re:Invent だけでなく、日本でも開催される「AWS Summit」などの他の大きなカンファレンスでも、このようにコミュニティに対して度々言及され、 AWS がコミュニティに対して非常に大きな関心を持っていることが分かります。

「Everything starts with security」

近年、クラウドやソフトウェア領域でセキュリティへの関心が非常に高まってきていると感じます

セッション冒頭のかなり早い段階で Matt が「Everything starts with security」というタイトルで、セキュリティは本当に真剣に責任を持たなければならないものであるという話をしていました。
今年は国内外でセキュリティに関わる重大な事件・事故がいくつもあり、セキュリティへの関心が世界的に高まっている状況かと思います。

セキュリティは何か一つ対策すれば良いというものではなく、あらゆる脅威に備え幾つものレイヤーや方法で対策していくものだと思います。
AWS のように多様なサービスを持つパブリッククラウドになると、まさにその一つ一つのサービスのセキュリティに対する責任を持つ必要があり、プライオリティを置いているということが伝わってきました。

セキュリティベンダーの一員でもある立場としては、この話題が冒頭で触れられていた点はとても印象的でした。

Amazon EC2 の新たなインスタンスタイプ

NVIDIA の最新の GPU 「Blackwell」を搭載した新たな「P6」インスタンス
AWS の 生成 AI に低価格で強力なパフォーマンスを与える「Trn2」インスタンス

Compute に関するアップデートでは新たに「P6」「Trn2」という GPU 搭載型のインスタンスが発表されました。
P6 インスタンスは現行の GPU ベースのインスタンスと比較して最大で2.5倍の速度、また Trn2 インスタンスは 30-40% のコストパフォーマンスを誇るとのことで、P6 は2025年から利用でき、 Trn2 は GA とのことです。
近年は生成 AI 市場を意識してか、ハイパフォーマンスなコンピュートリソースをどんどんリリースしていきますね。

Amazon S3の アップデート

Apache Iceberg をサポートした 「Amazon S3 Tables」

まずは Apache Iceberg をサポートする「Amazon S3 Tables」 の発表がありました。
正直私は Apache Iceberg を触ったことがないので発表の時に詳しい理解はできなかったのですが、今まで S3 バケット上のデータをクエリする際は Amazon Athena を使って非同期的にクエリしてくる方法などが定番パターンでしたが、今回の発表で新たなアプローチが増えたんだなということはなんとなく理解しました。

オブジェクトのメタデータによるクエリを可能にする S3 Metadata

次に 「S3 Metadata」 という Preview 機能が発表されました。
こちらは後から公式サイトの内容も読み込んでみましたが、オブジェクトのサイズやソースなどのシステム定義の詳細を含むメタデータ、あるいはタグ付けした製品 SKU、トランザクション ID、コンテンツ レーティングなど任意のメタデータによりデータを検索できる機能のようです。

S3 は AWS を触ったことがある人であればほとんどの人が触れているであろうオブジェクトストレージで、大容量のデータを安価に保存できる点で重宝されているかと思いますが、確かにデータのクエリに関しては難儀する場面がありました。
今回のアップデートで柔軟なクエリ方法の選択肢が増え、 S3 の元々の良さを活かしつつ、データベースのような使い方もできるようになるのでは?と思いました。

Amazon Aurora DSQL

待ってましたと言わんばかりの Amazon Aurora DSQL

こちらは個人的には最もテンションが上がった発表です!
AWS が提供する完全マネージド型のリレーショナルデータベースである Aurora の新たな選択肢として、 「Amazon Aurora DSQL」が  Preview でリリースされました。

Amazon Aurora は元々マネージドのデータベースサービスとしていくつも優れた特徴がありましたが、 Aurora DSQL では

  • 実質的無制限のスケーラビリティ

  • インフラストラクチャ管理が不要

  • 99.999% のマルチリージョンアベイラビリティ

  • データの強い一貫性

  • PostgreSQL 互換

という特徴があるようです。

これまで他のパブリッククラウドや DB サービスでも提供されていたいわゆる「New SQL」のような機能を備えており、いよいよ AWS でもこのタイプのデータベースがリリースされたか、という感じですね。

データベースはシステム運用において非常に悩みどころで、どのデータベースを選んでも一長一短で「銀の弾丸」はなく、多くの人が頭を抱える対象だと思いますが、今回のアップデートにより革新的な選択肢が一つ増えたかもしれません。

個人的にはコストが気になるところですね…😅
公式サイトでは

What is the cost of Aurora DSQL?

Aurora DSQL is currently available in preview at no charge.

引用: Amazon Aurora DSQL FAQs

とのことですが、 GA された際にはどのような料金体系になるのか、要チェックです。

Amazon Q の開発者向けの機能

ユニットテスト、ドキュメントの生成、コードレビューなどの機能が追加された「Amazon Q」

開発者として気になったのは「Amazon Q」の機能拡張でした。
ユニットテストやドキュメントの生成、コードレビューなどを Amazon Q で実現できるようです。

例えばテストに関してはどのくらいコンテキストを汲んでテストを書いてくれるのか、またそのテストが網羅的な内容で、手直しなく pass できるコードになっているのか、という点が気になりました。

他のサービスが提供する同等の機能との性能の違いも気になるところです。

また他のコミュニティメンバーとの会話では、なんらかの事情により AWS 以外の環境でのコード生成が難しい状況下において、嬉しい人は多そうという話も出ました。

まとめ

今回の Keynote での発表は、全体的に Compute、Storage、Database と言ったクラウドリソースの基盤になる部分において、今まで抱えていたペインを解消してくれるような内容で、実際に導入していくことも現実的に考えられそうなものが多く、個人的にはとても興味深かったです。

明日以降の発表も期待できそうですね!
残りの Keynote でも気になるアップデートについては記事を更新していこうと思います!💪


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